=== ボネ & ジャン === --- C --- [ジャン] 結構大きゅう腫れてるなぁ。 これはきっと虫刺されやで。 [ボネ] 花や野菜の世話をするのが趣味だからな… 刺されたとすれば、そのときだろう。 [ジャン] 念のために薬草を塗っておくさかい、 患部を触らんように頼むで。 [ボネ] 念のためなら薬草がもったいない… 他の人のためにとっておいてくれ。 [ジャン] それはあかんで。 [ジャン] どの虫に刺されたか、わからへんのやろ。 放置すると重症化の危険性があるで。 [ボネ] そうか… 専門外の人間が口を出してすまなかった… [ジャン] わかればええで。 ほな、包帯を結んで…っと… [ジャン] 終わったで、これで安心や。 痒くなってもしばらくは我慢してな。 [ボネ] わかった。 触らないよう気をつける。 [ボネ] 治療の礼と言ってはなんだが… これを受け取ってくれ。 [ジャン] わぁ… 可愛らしくて綺麗な花やな。 [ボネ] 私が育てたカモミラという花だ。 甘い香りがして心が安らぐだろう。 ジャン… おおきに、大切にするわ。 [ボネ] 今度、私が育てている花や野菜を見にくるといい… きっと、いい息抜きになる。 --- B --- [ジャン] ボネさん。 虫刺されの様子はどうや? [ボネ] すっかり腫れも引いて落ち着いた… 薬草を塗ってもらったおかげだ。 [ボネ] 薬草の味が気になって… 我慢するのが大変だったがな… [ジャン] あはは… よう我慢してくれた。 [ジャン] …うん。患部にも異常なしやな。 安心したわ。 [ボネ] ありがとう、ジャン。 [ジャン] そうや。 今日はボネさんに話があって来たんや。 [ボネ] 話? [ジャン] ボネさんからもろたカモミラなんやけど、 調べてみたら薬草にもなる花やったんや。 [ジャン] 鎮痛作用や炎症緩和に役立つらしくて、 もしよければ少し譲ってもらえへんかなと… [ボネ] なるほどな… [ボネ] そこまで数があるわけではないが… 人助けになるのであれば喜んで渡そう。 [ジャン] おおきに、少量でも助かるで。 [ボネ] 私の育てた花が人の役に立つなら嬉しい。 [ボネ] 丹精込めて育てた花が摘まれるのは 少し寂しい気分だがな… [ジャン] 一輪たりとも無駄にしいひんよ。 ボネさん、おおきに。 --- A --- [ジャン] ボネさん、この前はおおきに。 [ジャン] おかげさんで、あの花… 大勢の治療の役に立ったわ。 [ボネ] それはよかった。 きっと花も喜んでいることだろう… [ジャン] それで、これ。 ボネさんに感謝の気持ちや。 [ボネ] これは…花の種… [ジャン] 大切に育てた花をわけてもろたからな。 [ジャン] 花を育ててた場所を空けてしもて、 きっと寂しい思いをさせてしもたやろ。 [ジャン] その代わりにはならへんかもしれんけど… これでまた花を殖やしてや。 [ボネ] 心遣い感謝する… この花の種、大切に育てさせてもらおう。 [ジャン] おおきに。 ほんまに助かったで。 [ジャン] ほな、これで… [ボネ] ジャン。 待ってくれ。 [ジャン] どないした? [ボネ] 他にも、医療に役立つ花があるのなら教えてくれ… 育ててみようと思う。 [ボネ] 育てた花が摘まれるのは確かに寂しい… だが、人の役に立つのなら話は違う。 [ボネ] できることがあるなら、 私も貢献したいんだ。 [ジャン] ボネさん…! ありがとう。嬉しいわ。 [ジャン] ほな、自分も手伝うで。 花だけをもらうわけにもいかんからな。 [ボネ] それは助かる。 二人ならきっといい花が育てられるだろう。 [ジャン] はは。そうやな。 虫刺されに気をつけながら頑張るで。 [ボネ] ああ…塗られた薬草の味見を我慢するのは、 堪えるからな… --- S ---