=== セリーヌ & カゲツ === --- C --- [カゲツ] おおっ! 其処におわしますは… フィレネ王国のセリーヌ王女ではないか! [カゲツ] 息災であったか? これから余と茶でもしばこうではないか! [セリーヌ] カゲツはいつも元気そうね。 [カゲツ] もちろんじゃ! [カゲツ] 今日も今日とて意気衝天! 余の意気込みは有り余っておるぞ! [セリーヌ] でも残念だけれど… ついさっき紅茶をいただいたところなの。 [セリーヌ] また今度、誘ってくれると嬉しいわ。 [カゲツ] それは残念。 なら、手合わせでもどうじゃ? [カゲツ] 茶の後には適度な運動というじゃろ! さあ、一戦お相手願う! [セリーヌ] …うふふ。 [カゲツ] むむ? 何か面白いことでもあったか? [セリーヌ] だって、お茶に誘われたかと思えば 次の瞬間には勝負を挑んでくるだなんて。 [セリーヌ] 一国の王女にそんなことする方なんて中々いないわ。 カゲツって面白いわね。 [カゲツ] はっはっは! 褒めても何も出ぬぞ! [セリーヌ] お茶も手合わせも今は遠慮しておくけれど、 また今度、ゆっくりお話ししましょうね。 [カゲツ] ああ、もちろんじゃ! 余とセリーヌ王女はもう友だちじゃからな! [セリーヌ] ええ、そうね。 わたしたちはお友だちよ。 --- B --- [カゲツ] セリーヌ王女! [セリーヌ] こんにちは、カゲツ。 [カゲツ] はっはっは。 聞いておるぞ、聞いておるぞ。 [カゲツ] セリーヌ王女は王女様なのに 剣術の腕前もなかなからしいのう。 [カゲツ] ぜひ手合わせ願いたい! どうじゃ一戦! [セリーヌ] お誘いは嬉しいのだけれど、 わたしは理由がないと戦いたくないわ。 [カゲツ] むむ。つまらんのう。 己の腕前を試してみたいとは思わぬのか? [セリーヌ] 国を守るために鍛錬は続けているけれど、 強さを極めようとは思っていないわ。 [カゲツ] 仕方ない。 なら、一緒に茶でもしばくか。 [セリーヌ] それなら喜んで。 でも、その前に公務を終わらせないと。 [セリーヌ] 国に送る書簡を書くだけよ。 少しだけ待っててね。 [カゲツ] 王女様というのは大変じゃな。 [セリーヌ] そうね。 無責任な行動はできないわ。 [カゲツ] そんな生活で息苦しくはないのか? 余なら我慢できそうにないぞ。 [セリーヌ] 大変なことも多いけれど… でも、王女として幸せを感じているわ。 [カゲツ] そうなのか? とても信じられんぞ。 [セリーヌ] なら、今度会ったときに教えてあげるわ。 わたしが何に幸せを感じているかを。 --- A --- [カゲツ] …これが? [セリーヌ] そう。 これよ。 [カゲツ] わからぬ。 なぜこれが王女の幸せになるんじゃ。 [カゲツ] フィレネ王国を描いた絵画じゃろ? 見事な絵だとは思うが… [セリーヌ] カゲツの言う通り、 王女という立場は大変なことも多いわ。 [セリーヌ] でも、民が平和に暮らせている様子を見ると、 とても幸せな気分になるの。 [カゲツ] 確かにこの絵画に描かれた民は、 みな幸せそうな顔をしておる。 [セリーヌ] 民の平穏な生活を守れるなら 王女の苦労なんて大したことじゃないわ。 [カゲツ] セリーヌ王女は本当に フィレネ王国と民を愛しているんじゃな。 [セリーヌ] ええ、もちろんよ。 [カゲツ] 王女としての幸せ、理解したぞ。 [カゲツ] ま、余は強者と手合わせする方が 幸せを感じるがのう! [セリーヌ] そうだったわ。 カゲツはわたしとの手合わせを望んでいたわね。 [セリーヌ] もし、カゲツがフィレネ王国に害をなそうとするなら わたしは容赦なくカゲツと戦うわよ。 [カゲツ] セリーヌ王女とは手合わせをしたいが、 そんな理由を作ってまでとは思わんよ。 [セリーヌ] ふふ。 そう言ってもらえると助かるわ。 [カゲツ] 手合わせが叶わぬというのなら、 茶でもしばこうではないか。 [カゲツ] そなたの選ぶ茶はどれも絶品じゃからな。 [セリーヌ] ええ。 カゲツとはこれからも友だちでいられそうね。 [カゲツ] もちろんじゃ、セリーヌ王女! ずっとずーっと友達じゃ! --- S ---