=== クラン & フラン === --- C --- [フラン] クラン会長。 そろそろ時間よ。 [クラン] こっちは準備万端だよ。 フラン名誉会長。 [フラン] これより、神竜様ファンクラブ 定期会合を始めます。 [フラン] わーっ! [クラン] わーっ! [フラン] 今回はファンクラブを盛り上げるために できることは何かを話し合いましょう。 [フラン] クラン。 あなたはどう思う? [クラン] やっぱりファンを増やすためには 布教活動が必要だと思うんだよね。 [フラン] そうね。 私も同意見よ。 [フラン] でも、どういう活動が一番効果的なのかしら。 [クラン] そのアイデアならあるよ。 [クラン] 神竜様の素晴らしさを伝える 冊子を作ればいいんじゃない? [フラン] 冊子? [クラン] 神竜様は信仰対象として有名だけど、 その素顔を知る人は限られてるよね。 [クラン] だから、素顔を知る僕たちが それを多くの人に伝えればいいんじゃないかな。 [フラン] おお…! それはいい考えだわ! [フラン] じゃあ例えば…こんな感じかしら。 [フラン] 表紙にバーンと神竜様のお顔を描いて、 「特集、神竜のすべて」と銘打つの。 [フラン] そして中には神竜様に直接聞いた いろいろなお話を掲載! [フラン] 好きな食べ物や好きな武器なんかも載せて 神竜様を身近に感じていただくのよ! [クラン] ………… [フラン] だ、だめかな? [クラン] いい! [クラン] 僕が思ってたのより堅苦しくなくて、 すっごくいいよ! さすがはフラン! [フラン] ありがとう! クランの案のおかげよ! [フラン] じゃ、二人で冊子を作って、町で配りましょ。 神竜様のファンがもっともっと増えるわよ! [クラン] …え? ま、町で配るの? --- B --- [クラン] 人がたくさんいるね… [フラン] 当たり前よ。町に来たんだから。 [フラン] ここなら神竜様の素晴らしさを たっぷりと布教できるはずよ。 [クラン] なんか緊張してきた… [フラン] 今日のために二人でがんばったんだから 大勢の人に読んでもらわないとね。 [クラン] う、うん… [フラン] それじゃあ、クラン。 さっそく冊子を配りましょう。 [フラン] さあさあ、みなさーん! ご覧あれー! [クラン] ………… [フラン] クラン。どうしたの? この次は私たちが何者か名乗らなきゃ。 [フラン] そうしないと怪しんで受け取ってもらえないって クランが言ったんじゃない。 [クラン] ちょっと緊張しちゃって… [フラン] 情けないわね。 みんながじろじろ見てるじゃない。 [フラン] じゃあ、私がクランのことも紹介してあげるから。 [クラン] う、うん… [フラン] えー、我々は第三十三代目竜の守り人。 フランと、クランでございます! [フラン] 今日は皆さんに、神竜様の素顔をお伝えする 冊子を… [クラン] フラン…ごめん! やっぱりやめよう! [フラン] え!? [クラン] こんなに人が多いところじゃ、 恥ずかしくて配れないよ… [クラン] それに、今更冊子の中身がおかしくないかとか 気になり始めちゃって。 [フラン] そんな… [クラン] いくじなしでごめん。 これじゃ竜の守り人どころか…僕は… [クラン] 僕は神竜様のファンも失格だ。 ごめんね…フラン。 [フラン] クラン… --- A --- [クラン] ………… [フラン] もう。 クランったら何をいじけてるの? [クラン] だって… [クラン] 僕は恥ずかしくて冊子を配れなかった… 神竜様のファン失格だよ。 [フラン] あのねえ。 クランは神竜様のことが好きなんでしょ? [クラン] もちろんだよ。 フランだって知ってるでしょ。 [フラン] ならハッキリ言うわね。 [フラン] ファンに失格とかないから。 [クラン] え? [フラン] ファンに一番大切なのは、 好きって気持ちでしょ? [フラン] それさえなくさなければ、 何があってもクランは神竜様のファンのはずよ。 [クラン] ………… [クラン] そうだよね。 [クラン] 僕、もう一回、挑戦してみる。 次はちゃんと…この手で冊子を配るよ。 [フラン] うんうん、その意気よ! [クラン] でも折角だから、 悔いの残っている箇所を整えたいな。 [フラン] 今から? [クラン] うん。大切なのは好きって気持ち。 なら、それをもっと前面に押し出したいんだ。 [クラン] 竜の守り人としてのコメントが薄すぎるから ここをもっと手厚くして神竜様のお人柄を伝えたい。 [クラン] 神竜様のお姿の絵も足りないから、 絵が得意な人に頼んでもっと増やしてもらおうよ。 [クラン] それから神竜様への質問もこれじゃ足りないよね。 最低でも好きな色は知りたいと思うんだけどどう? [フラン] こ、凝り性だし、 いきなりすっごい喋ってくる… [フラン] でもまあ、やる気が出たならいいわ。 [フラン] クラン。三十三代目竜の守り人として、 神竜様のために最高の冊子を作りましょ! [クラン] 勿論だよ、フラン! --- S ---