=== クラン & オルテンシア === --- C --- [オルテンシア] 見つけたわ、クラン! [クラン] え、オルテンシア王女? [オルテンシア] そう! あたしがイルシオン王国第二王女! [オルテンシア] オルテンシアよ! [クラン] あの、えっと… 僕に何か御用ですか…? [オルテンシア] くっふっふ。風の噂を耳にしたのよ! あなたどうやら… [オルテンシア] あたしのファンクラブの会長をしてるらしいわね! [クラン] えっ… [オルテンシア] えっ…? な、何よ、その反応… [オルテンシア] このあたしがファンサービスしにきたのよ。 もっと喜ぶべきでしょ! [クラン] オルテンシア王女、 勘違いをされているのでは… [オルテンシア] 勘違い? [クラン] その… 僕がファンクラブの会長をしているのは… [オルテンシア] そ、そんなー! [オルテンシア] クランが会長をしてるのは、あたしじゃなくて 自分の主君のファンクラブだったってこと!? [クラン] す、すみません…きっとどこかで、 話がすり替わってしまったのではないかと… [オルテンシア] うううううう~… とんだ赤っ恥だわ。土にでも埋まりたい… [オルテンシア] こ、こうなったら、クランに命令よ! [クラン] え!!? [オルテンシア] あたしのファンクラブも作りなさぁ~~~いっ! [クラン] え、えええ~~~っ! --- B --- [クラン] オルテンシア王女は どうしてファンクラブを作りたいんですか? [オルテンシア] そ、それは… [オルテンシア] …言いふらしちゃったのよ。 あたしのファンクラブができたって。 [オルテンシア] 今のままだと、 あたしが嘘をついたことになっちゃうでしょ。 [クラン] そうだったんですか… [オルテンシア] だから、クランに協力してもらえたらなーって… クランはあたしのファンクラブを作るの、嫌? [クラン] 嫌ではないですけど… [クラン] ファンクラブっていうのは、 相手のことを本当に好きじゃないと。 [オルテンシア] じゃあ、あたしのこと… 好きになれないかな… [クラン] うーん… [クラン] 僕、グイグイくる人って、 応援対象としては苦手なんですよね。 [オルテンシア] な、ななななな、なんですって~!! 誰がグイグイ来るってのよ、誰が!! [クラン] ご、ごめんなさーーい! [オルテンシア] はぁ…わかったわ。 そういうことなら、ファンクラブは諦める。 [オルテンシア] クランの言う通り、無理矢理作らせても悲しいし。 時間を取らせて悪かったわ。 [クラン] い、いえ… [オルテンシア] クランは正直でいいと思うわよ。 あたしになびかないところも、斬新だし? [クラン] ………… [オルテンシア] それじゃあ、あたし戻るわね。 みんなにちゃんと謝らないとなあ。 [クラン] オルテンシア王女… --- A --- [オルテンシア] クラン。何してるの? [クラン] オ、オルテンシア王女!? [オルテンシア] そんなに驚かなくても… この前のことだったら、別に怒ってないわよ。 [オルテンシア] ファンクラブのことも、みんなに話したら そんなことだと思った~だって。 [オルテンシア] 失礼しちゃうわよね! [クラン] そのことなんですが… オルテンシア王女に見ていただきたい物が… [オルテンシア] なに? 小さい紙ね。 何か文字が書いてあるわ。 [オルテンシア] オルテンシア王女ファンクラブ… 会員ナンバー1番…クラン。 [オルテンシア] こ、これ、あたしのファンクラブの会員証!? どうしてこんな物があるのよ!? [クラン] この前オルテンシア王女と話してみて… 押しは強いけど素敵な人なんだなって思って… [クラン] 作っちゃいました。ファンクラブ。 [オルテンシア] クラン~… [クラン] 今さら遅いかもしれないですけど、 オルテンシア王女がよければ、応援させてください。 [オルテンシア] ん、んもう! ほんとに遅すぎよ! でも、でも… [オルテンシア] あたしすっごく嬉しいーー!!!! ありがとうううううう!!! [クラン] それじゃ、さっそく宣伝しましょう! きっと大勢の人が入ってくれると思いますよ! [オルテンシア] あ、ううん。 暫くは、クラン一人でいいわ。 [クラン] はい? [オルテンシア] だーって、あたしのファンクラブよ。 世界一ファンが集まるのは目に見えてるもの! [オルテンシア] だから今は、たった一人のファンに 応援されるのも楽しいかもって思うのよ。 [クラン] オルテンシア王女… [クラン] わかりました。 一人でも精一杯、応援させてもらいます! [オルテンシア] ふふっ、よろしくお願いね。 ファンクラブ会長さん。 --- S ---