=== クラン & ゼルコバ === --- C --- [ゼルコバ] 「クラン」、見つけたぞ。 [クラン] えっ!? [クラン] び、びっくりした。 あなたは…ゼルコバさん? [ゼルコバ] 何を「驚いて」いる。 [クラン] え、その… 顔が恐くて… [ゼルコバ] 「顔」だって? [クラン] な、なんでもありません。 僕に、何か用事ですか? [ゼルコバ] お前に「聞きたいこと」がある。 だから面を貸せ。 [クラン] ひぃ…! [クラン] あ、あの… 僕、何かしちゃった? [ゼルコバ] 「まだ」何もしていない。 「これから」してもらうんだ。 [クラン] どういうこと? [ゼルコバ] 俺の「悩み」を「解決」するために、 お前の「ある能力」が必要でな。 [クラン] 僕の能力? な、なんだろう。人に誇れるような能力なんて… [ゼルコバ] 「声」が小さくて「聞こえない」ぞ。 言いたいことがあるなら「はっきり」言え。 [ゼルコバ] もしかして… 俺に「力」を貸すのが「嫌」なのか…? [クラン] い、嫌じゃない! 嫌じゃないよ! [クラン] だから怖い顔して近づいてこないで、 ゼルコバさん…! [ゼルコバ] そうか。「ご協力」感謝する。 他の奴には「知られたくない」からな。 --- B --- [クラン] ああ…僕はいったい… ゼルコバさんに何をさせられるんだろう… [クラン] 恐いけど… 犯罪の片棒を担ぐ話だけは断らなきゃ。 [ゼルコバ] さあ、クラン。 俺に「ピクルス」の「作り方」を教えてくれ。 [クラン] へっ? [ゼルコバ] 「聞こえなかった」のか? 「ピクルス」の「作り方」を教えろ。 [ゼルコバ] 「風の噂」で「ピクルス作り」が上手いと聞いたが、 もしかして「誤情報」だったのか? [クラン] ううん。合ってるよ。 僕、ピクルスが大好きでよく作るから。 [クラン] 必要だった能力って、 ピクルス作りのことだったの? [クラン] 僕はてっきり、 悪事の手伝いをさせられるのかと… [ゼルコバ] 「お前」の中で、 「俺」はいったいどういう「存在」なんだ… [ゼルコバ] まぁ、「それ」はいい。 [ゼルコバ] 俺は今、「料理」にはまっていてな。 所謂「新しい趣味」だ。 [クラン] 料理をはじめたんだね。 いいと思うよ。 [ゼルコバ] 既にいくつか作ったが、「ピクルス」を刻んで作る 「簡単なソース」がうまくいかない。 [ゼルコバ] きっと、「ピクルス」の「作り方」が まずいんだ… [クラン] ソースぐらいなら、どこかのお店で 買ってくればいいんじゃ… [ゼルコバ] 俺が「目指す」のは自分で作る「完璧なソース」だ。 店で買ってしまったら意味がない。 [クラン] はぁ… それで僕に話が来たってわけか。 [クラン] わかった。 ピクルスの作り方なら、いくらでも教えてあげるよ。 [ゼルコバ] 「本当」か! [クラン] 僕が教えるからには、 ちゃんと習得してよね。 [ゼルコバ] 「もちろん」だ。 クラン、よろしく頼む。 --- A --- [ゼルコバ] ………… [クラン] ゼルコバさん、どうしたの? 怖い顔をして。 [クラン] もしかして、ソース作りがうまくいかなかったの? [ゼルコバ] はぁ… [クラン] や、やっぱりそうなんだ… ごめんね。力になれなくて。 [ゼルコバ] …「試食」してみてくれ。 [クラン] え? だって、うまくいかなかったんでしょ? [ゼルコバ] いいから「試食」するんだ。 [クラン] わ、わかったよ。 [クラン] それじゃ、いただきます。 ぺろ。 [クラン] あれ!? すっごく美味しい! [クラン] 僕が教えたピクルスの味が調和してて… これはまさに究極のソースだよ! [ゼルコバ] …「そう」か。 [クラン] こんな美味しいソースができたのに、 どうして暗い顔をしてるの? [ゼルコバ] 確かにこの「ソース」は「完璧」だ。 しかし… [ゼルコバ] このソースに「合う料理」が思いつかないんだ…! [クラン] はあ…なるほど。 それで怖い顔をしていた、と。 [ゼルコバ] 「料理」の道は「奥深い」… 安易に「趣味」とすべきでなかったか… [クラン] 僕のピクルスはどんな料理にも合うけど、 一番はやっぱり肉料理かな。 [ゼルコバ] 「肉料理」か! [クラン] わわっ! また怖い顔に! [ゼルコバ] いい「ヒント」をもらった! クラン、お前は「頼り」になるぞ! [ゼルコバ] 今から肉料理を「作る」から ソースをかけて「試食」をしてくれ! [クラン] うう…わかったよ。 ゼルコバさんの怖い顔にも段々慣れてきたし… [クラン] とことん付き合うから、 「美味しい料理」を完成させようね! --- S ---