=== ディアマンド & ザフィーア === --- C --- [ザフィーア] うおおおおーーーっ! [ザフィーア] よし、これで10人抜きだ。 [ディアマンド] ザフィーア、さすがだな。 [ザフィーア] ディアマンド様。 見ていてくださったのですか。 [ディアマンド] 兵士たちの状況を把握するのも 仕事のうちだからな。 [ザフィーア] 私ならいい状態に仕上がっています。 いつ戦いになっても活躍してみせますよ。 [ディアマンド] 頼もしい限りだ。 言葉だけではないのは、今の動きを見ればわかる。 [ディアマンド] どうだ、ザフィーア。 私とも手合わせしてみないか? [ザフィーア] ディアマンド様と手合わせを? そ、そんな…畏れ多いです。 [ディアマンド] なんだ。 ザフィーアなら乗ってくると思ったのだが… [ザフィーア] 私はもっと鍛錬を重ねて、 強くならねばなりません。 [ザフィーア] 自分に納得できるようになったら、 そのときは手合わせお願いします。 [ディアマンド] ほう。 いつになったら納得できるんだ? [ザフィーア] それは… 己の憎しみを断ち切ることができたらです。 [ディアマンド] 憎しみを断ち切る? [ザフィーア] イルシオンとの戦争で多くの血が流れました。 [ザフィーア] 私はあのときの記憶を 未だぬぐい去ることができないのです。 [ザフィーア] 強くなれば… その答えが見つかるような気がして。 [ディアマンド] そうか… 変な話をして、すまなかったな。 [ザフィーア] こちらこそ。 せっかくの誘いを断ってしまい申し訳ありません。 --- B --- [ディアマンド] ザフィーア。 やはり、私と手合わせをしてくれないか? [ザフィーア] ディアマンド様、言ったはずです。 今の私では… [ディアマンド] わかっている。 だが、それでもザフィーアの実力が知りたいんだ。 [ザフィーア] …わかりました。 そこまで言うならお付き合いします。 [ザフィーア] ただし、私が一本取ったら 話を聞いてもらってもいいですか? [ディアマンド] 話なら手合わせをしなくても聞くぞ。 [ザフィーア] 私が勝てたらでお願いします。 そうでないと話す踏ん切りが付きません。 [ディアマンド] なるほどな… いいだろう、約束だ。 [ディアマンド] くっ… 私の負けだ… [ディアマンド] まさか。 ここまでの実力とは… [ザフィーア] ………… [ディアマンド] 約束だ。 ザフィーアの話を聞かせてくれ。 [ザフィーア] わかりました… [ザフィーア] 私の故郷は… イルシオン兵に襲われて壊滅したんです。 [ディアマンド] ………… [ザフィーア] 私は運よく助かったのですが、 両親も友だちもイルシオン兵に殺されました。 [ザフィーア] あのとき… 私は何もすることができなかった… [ザフィーア] 今でも悔しくて… 胸を掻きむしりたくなるときがあるほどです。 [ディアマンド] …その気持ちは、私にもわかるさ。 [ザフィーア] きっと私はその苦しみから解放されたくて 鍛錬をしているのだと思います。 [ディアマンド] 戦争の責任はイルシオンだけではなく、 王族である私にもある。 [ディアマンド] そんな境遇であるにも関わらず、 ブロディア王国のために尽くしてくれて感謝する。 [ザフィーア] ディアマンド様に話したら、 心が軽くなった気がします。 [ザフィーア] この苦しみは己の弱さが原因です。 克服できるよう、日々精進したいと思います。 --- A --- [ザフィーア] ディアマンド様… 私に何かご用でしょうか。 [ディアマンド] ザフィーアの鍛錬に迷いが見えてな。 [ザフィーア] ………… [ザフィーア] 苦しみを克服するための鍛錬のはずが 強くなればなるほど恐くなっていくんです… [ザフィーア] このままでは、 私は誰かを傷付けるためだけの存在になりそうで… [ディアマンド] ………… [ディアマンド] 争いは永遠に消えない傷を残していく。 敵味方関係なく大勢の人々に。 [ディアマンド] 私もどうすればいいかわからない。 しかし、逃げるわけにもいかないのだ。 [ディアマンド] 争いの連鎖を断ち切るために戦う。 私たちにできるのはそれだけだ。 [ザフィーア] 私にできるでしょうか。 [ディアマンド] やらなければならないんだ。 争いばかりの世界を変えるためには… [ザフィーア] わかりました… [ザフィーア] 一緒に見つけていきましょう。 ディアマンド様がいるなら心強いです。 [ディアマンド] そのためにも私たちは 今以上に強くなる必要がある。 [ディアマンド] ザフィーア。 もう一度鍛錬に付き合ってくれるか? [ザフィーア] 私たちにはこれしかありませんね。 [ディアマンド] ああ、その通りだ。 [ザフィーア] でも、ディアマンド様。 前回みたいに手加減するのはなしですよ。 [ディアマンド] …手加減などしてない。 私はいつでも本気だ。 [ザフィーア] では、そういうことにして差し上げますよ。 今回も本気でかかってきてください。 [ディアマンド] ああ…それでは参るぞ。 私とザフィーアの真剣勝負だ! --- S ---