=== フォガート & パンドロ === --- C --- [パンドロ] うし! 今日の自警団の活動はこんなところかな! [パンドロ] 敵はなかなか手強かったが、 オレたちの前では赤子も同然だぜ!! [パンドロ] うぇーーーーい! [フォガート] …うん、そうだね。 [パンドロ] ど、どした? [フォガート] どうしたって、何が? [パンドロ] なんか、猛烈に元気なくね? [フォガート] そう? [パンドロ] そう? じゃねえよ! [パンドロ] やめてくれよー。フォガートが元気ないと、 オレまで調子狂うからさー! [パンドロ] もっとノリノリで行こうぜ! ほら一緒に、うぇーーーーい! [フォガート] うぇーーーーい… [パンドロ] いつものフォガートじゃねえ! [パンドロ] 今ので確信に変わったわ!! いったいどうしちまったんだよ!? [フォガート] すまない…実は… [パンドロ] 実は? [フォガート] ………… [フォガート] 宴のことばかり考えていた。 [パンドロ] はぁ!? それで、気もそぞろだったってわけか! [フォガート] そうそう。 もう楽しみでさ。 [パンドロ] ったく! さすがとしか言いようがねえ! 頼もしい王子様だ! [パンドロ] んじゃ早速、 お待ちかねの宴に向かおうぜ! [フォガート] そうしよう。とことんまで楽しむぞ。 [パンドロ] うぇーーーーい! --- B --- [パンドロ] いやぁ、今日もおつかれ! 中々厄介な敵だったな! [フォガート] うん、まったくだよ。 [パンドロ] そんじゃ、この疲れをとるために… 夜は宴に繰り出すとすっか! [フォガート] ………… [パンドロ] ん? どうした? [フォガート] …ごめん、パンドロ。 今日の宴は遠慮しておくよ。 [パンドロ] え!? [パンドロ] いやいやいや、嘘だろ? フォガートが宴を断るなんて変だぜ! [パンドロ] 体調でも悪いんじゃねーか? 変なものでも食ったろ!? [フォガート] ………… [フォガート] なんてね。冗談だよ。 俺が断るわけないだろう? [パンドロ] なんだよ…! びっくりしたぜ…! [フォガート] はは、すまない。 パンドロの驚いた顔が見たくてね。 [パンドロ] まったく…やめてくれよ… 心臓に悪いだろ…! [フォガート] ところで今度… また懺悔を聞いてもらえないか? [パンドロ] なんだよ。 オレを驚かせた懺悔でもするってのか。 [パンドロ] よくわからねえが、 まあ…フォガートならいつでも歓迎だ。 [フォガート] ありがとう。恩に着る。 --- A --- [フォガート] パンドロ。 今日は俺の懺悔を聞いてほしい。 [パンドロ] ああ、始めてくれ。 でもいったいなんの懺悔なんだ…? [フォガート] 実は俺…親友に… パンドロに嘘をついたんだ… [パンドロ] えっ? [フォガート] 俺は…この戦いに不安を感じている。 敵の勢力は弱まるどころか増す一方… [フォガート] 正直な話、世界の未来が心配で、 夜も眠れなくなるときがあるんだ。 [フォガート] 前に…ボーッとしていたとき、宴のことばかり 考えていたと言ったのは嘘なんだ。 [フォガート] 本当は不安で仕方なくて… [パンドロ] フォガート… [フォガート] 俺はパンドロが思うような いつも明るい王子じゃない。 [フォガート] こんなこと、言っちゃいけないとわかってる。 でも、たまに…取り繕えなくなる時があって。 [パンドロ] そうか… 話してくれてありがとう。フォガート。 [フォガート] 親友に嘘をついて、すまなかった… [パンドロ] いいんだよ! ていうか、なんとなく気づいてたしな。 [フォガート] えっ? [パンドロ] なにびっくりしてんだよ。 親友ってのは、そういうもんだろ。 [パンドロ] オレは王子じゃないから、直接は役に立てねえ。 お前の気持ちも、本当の意味では分からない。 [パンドロ] でも、ずっと一緒にいることはできる。 友達として、臣下として。 [パンドロ] 不安を感じないように…いや、 不安でも大丈夫なように、命がけでアンタを守る。 [フォガート] パンドロ… [パンドロ] …悪いな。 オレにできることはこれぐらいだ。 [フォガート] なんだろう… 視界がにじむ… [パンドロ] おいおいおいおい、泣いてるとか言うなよ? 冗談だろ? [フォガート] 泣いてない… ギリギリ泣いてない… [パンドロ] はあ…まったく。 [パンドロ] しかし、こうして懺悔を聞いてると思いだすぜ。 フォガートが王子だって知ったのは、懺悔室だったな。 [フォガート] パンドロの実家の教会に出入りして… すっかり仲良くなったころに言ったのを覚えてるよ。 [パンドロ] 懺悔があるっていうから聞いてみれば、 王子だっていう大告白だもんな。 [パンドロ] 驚きすぎて召されかけたぜ。 [フォガート] だって、パンドロが妹を探してるって言ってたから。 王城で姉さんの臣下になったって教えないと。 [フォガート] 王子でもなければ、そのことを知ってるなんて おかしいじゃないか。 [パンドロ] まあな。でも、オレはその次の言葉には、 もっと驚いた。確か… [フォガート] 俺も臣下が欲しい。 [パンドロ] そうだった。本当に懐かしいな。 もう一度聞けて嬉しいぜ、その言葉。 [パンドロ] あの申し出を受けた時からずっと、 オレはフォガートの支えになろうって決めてる。 [パンドロ] なんかあったらまた頼ってくれよ、親友。 [フォガート] ああ。 ありがとう、パンドロ… [フォガート] あの時、懺悔室で… 何もかもを打ち明けて良かったよ。 --- S ---