=== フラン & ディアマンド === --- C --- [フラン] う~ん… う~~~ん… [ディアマンド] 歴史の本を眺めて何を唸っているんだ? [フラン] ディアマンド王子。 変な姿を見せてしまってすみません。 [ディアマンド] 別に気にする必要はない。 困り事なら力を貸すぞ。 [フラン] 守り人のお仕事でミスをしてしまって、 ヴァンドレさんに怒られてしまったんです。 [フラン] フランはもっと他国のことを勉強して、 きょーよーを身につけなさいーって… [ディアマンド] それでヴァンドレに本を渡され、 嫌々読んでいるというわけだな? [フラン] 歴史の本って戦争や領土争いの話ばかりで 全然面白くないんです。 [フラン] どうしてみんな喧嘩ばかりしてるんだろ。 もっと仲良くすればいいのに。 [ディアマンド] 邪竜と神竜の争いをはじめ… 歴史が争いと共にあるのは事実だ。 [ディアマンド] しかし、歴史とはそれだけではない。 [ディアマンド] ルミエル様は世界を見守り続け、 私の先祖はブロディア王国を発展させた。 [ディアマンド] 歴史の中にはそういった話も含まれている。 ヴァンドレが歴史の本を渡したのは正解だと思うぞ。 [フラン] そうなんでしょうか… [ディアマンド] 人はそこまで愚かではない。 本を読み進めればきっとそれがわかるはずだ。 [フラン] そうですね。 途中で文句を言うのはよくありませんよね。 [ディアマンド] 現状に不安があるのだろうが、 いつか私が平和な世界にしてみせる。 [ディアマンド] ブロディア王国第一王子の 私が言うのだから間違いない。 [フラン] ディアマンド王子… [フラン] ブロディアの王子様が言うなら それほど心強いことはないですよね。 [ディアマンド] ふっ、そうだろう。 大船に乗った気持ちでいればいい。 [フラン] なんだか、歴史の勉強をするのが 楽しみになっちゃいました。 --- B --- [フラン] ………… [ディアマンド] フラン。 今日は歴史の本は読んでいないのか? [フラン] 私… 歴史の勉強するのはやめました。 [ディアマンド] いったいどうしたんだ。 楽しくなってきたと言っていただろう。 [フラン] …ディアマンド王子は、 世界を平和にするって言っていましたよね。 [フラン] あれって本当なんですか? [ディアマンド] もちろんだ。 私の言葉に嘘偽りはない。 [フラン] じゃあ、どうしてブロディア王国は イルシオン王国を攻めたりしたんですか? [ディアマンド] それは… [フラン] イルシオン王国の人にはブロディア王国を 恨んでる人もいるって聞きました。 [フラン] ディアマンド王子の言う平和というのは 武力で争いをなくすってことなんですか? [ディアマンド] ………… [フラン] 歴史の本を読めば読むほどわからなくなって 恐くなってしまったんです。 [フラン] だから… 歴史の勉強はもう止めにします… [ディアマンド] ブロディアは武力の国だ。 争いで領土を拡大してきたという歴史もある。 [ディアマンド] イルシオン王国の人々には ブロディア王国を嫌っている人がいるのも事実だ。 [ディアマンド] だが、私は力で抑えつけることなど望まない。 私の代で少しずつでも変えていきたいと思っている。 [ディアマンド] 簡単に和解することはできないだろう。 しかし、私は必ず変えてみせる。 [フラン] 国を…ですか? [ディアマンド] ああ。だからフラン。 私にチャンスを与えてほしい。 [フラン] でも…ディアマンド王子は この話を黙っていたじゃないですか。 [ディアマンド] 隠すつもりがあったわけではない。 [ディアマンド] だが、私の中に後ろめたい気持ちが あったのかもしれないな。 [ディアマンド] そうだな… フランが怒るのも無理はない。 [フラン] お、怒っているわけでは… でも… [フラン] 何なんでしょう、このもやもやは… --- A --- [フラン] う~ん… う~~~~ん… [ディアマンド] フラン。 歴史の本を読んでいるのか。 [ディアマンド] 歴史の勉強は止めたはずでは? [フラン] ………… [フラン] ディアマンド王子、ごめんなさいっ。 [フラン] ディアマンド王子は、簡単には和解できないけど、 自分が変えてみせるって言ってましたよね。 [フラン] あとから考えて、気づいたんです。 [フラン] 恐いから、やめるんじゃなくて… 恐いから行動しないといけないんだって。 [フラン] だから、争いを無くす方法の手がかりを 歴史の本を読んで探していたんです。 [ディアマンド] フラン… ありがとう。 [フラン] えへへ… でも、全然手がかりは見つからなくて。 [ディアマンド] 見つからなくてもいい。 行動することに意味があるんだ。 [フラン] 過去は変えられないですけど、 きっと未来はいい方向に変えていけますよね。 [ディアマンド] ああ。 私は悲しい歴史を作るつもりはない。 [フラン] 約束ですよ。 [ディアマンド] 約束だ。 [フラン] 私ももっときょーよーを身につけて、 できる限り協力できるように頑張ります。 [ディアマンド] そういうことであれば、 これからは私がフランの勉強を見てやろう。 [フラン] わ、私の勉強を? だめですそんな! [フラン] ディアマンド王子はお忙しいのに、 私なんかのために時間を使うなんて。 [ディアマンド] そんなことを気にする必要はない。 こう見えて私は勉強もそこそこできるんだ。 [フラン] 多分… そこそこ、どころではないですよね。 [ディアマンド] 気にすることはない。 きっとヴァンドレも喜んでくれるだろう。 [ディアマンド] 私と一緒に平和な歴史を 作っていこうではないか。 [フラン] うう…わかりました。恐縮ですけど、 お願いします、ディアマンド王子! [フラン] 立派な竜の守り人となった時に、きっと… あなたとの時間が宝になるんでしょうね。 --- S ---