=== ゴルドマリー & パネトネ ===
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[パネトネ]
ゴルドマリーさんは御料理が御得意と聞きましたが、
本当でございますですの？
[ゴルドマリー]
ええ、本当です…
[ゴルドマリー]
言いにくいことではありますが、わたしは
見た目も内面も何もかもが完璧と評判…
[ゴルドマリー]
世の女性たちの嫉妬を買いまくっておりますが、
これも選ばれし者の宿命です…
[パネトネ]
すごいですます！
では、御料理を教えていただけませんこと？
[ゴルドマリー]
えっ？
[パネトネ]
恥ずかしながら、わたくしは
御料理というものをあまりしたことがなく…
[パネトネ]
王家に仕える者として、
学ばせていただこうと思った次第でございますですわ。
[ゴルドマリー]
なるほど…
[ゴルドマリー]
ですが、潜在的なライバルである女性に、
手の内を明かすというのも気が進みませんね…
[パネトネ]
そこをなんとかお願いしますですわ！
ミスティラ姐さんがよろこぶ顔を見たいのですます！
[ゴルドマリー]
うーん…
[ゴルドマリー]
…わかりました。
第一王女のためというのでしたら…
[ゴルドマリー]
材料がそろったらお声がけしますので。
またそのときに…
[パネトネ]
ありがとうございますです！
この御恩は忘れませんですわ！
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[ゴルドマリー]
では、お料理教室を始めます。
作るのは鶏の丸焼きです。
[パネトネ]
鶏の御丸焼き。
[ゴルドマリー]
そ、その言い方はなんだかダメな気がしますけど…
まあいいです。この鶏肉を使います。
[パネトネ]
ふむふむでございますです。
[パネトネ]
これを御皿に置いて、ミスティラ姐さんに
食べさせればいいでございますですか？
[ゴルドマリー]
い、いえ…それは絶対にダメです…
まだ生肉ですから…
[ゴルドマリー]
ここに詰め物をして、
丸焼きにするのです…
[パネトネ]
ふむふむ。
[ゴルドマリー]
このお野菜が、鶏の中に入れる詰め物です…
全部細かく刻んでいただけますか…？
[パネトネ]
わかりましたでございますです！
ふんっ！
[ゴルドマリー]
い、いえ…そんな、構えなくていいんですよ…？
これは戦いじゃないんですけど…？
[パネトネ]
行きますですわ！
はぁーーーーーーーっ！
[ゴルドマリー]
い、いい感じですけど…
かなり細かく刻めていますけど…
[パネトネ]
本当でございますですか、先生？
ではもっと参りますですよーっ！
[ゴルドマリー]
あ、もう大丈夫です…
これ以上やると、液体になると思うので…
[ゴルドマリー]
まな板とかもかなり刻んだ気もしますけど…
まあ、見なかったことにしましょう…
[ゴルドマリー]
で、刻んでいただいたものを鶏の中に詰めて、
焼き串に差して、こんがりと焼いて終わりです。
[パネトネ]
先生、質問でございますです。
[ゴルドマリー]
はい、なんでしょう？
[パネトネ]
もう食べてもよろしいでございますですか？
[ゴルドマリー]
いえ…今、焼き始めたばかりですから…
もう少し我慢しましょう…
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[パネトネ]
ゴルドマリーさん、
この間はありがとうございましたです！
[パネトネ]
教えていただいた鶏の御丸焼きを、
ミスティラ姐さんに作りましたでございます。
[パネトネ]
ものすごく喜んでくださって。
おいしいと何度も言ってくださいましたです…！
[ゴルドマリー]
それはよかったです…
[ゴルドマリー]
わたしったら、ただでさえ完璧なのに…
指導者としても完璧だったなんて…
[ゴルドマリー]
教え上手ですみません…
美人教師で恐縮です…
[パネトネ]
そういえば一つだけ気になったことが。
ミスティラ姐さん、食べながら痛がっていましたです。
[ゴルドマリー]
痛がった…？
[パネトネ]
御丸焼きの中に固い物が入っていたみたいで、
歯を痛めたとかなんとか。
[ゴルドマリー]
きっとまた、まな板か何かを
一緒に刻んでしまったのでしょう…
[ゴルドマリー]
今度からはあまり、
刻みすぎないようにしてください…
[パネトネ]
はいですわ！
[ゴルドマリー]
とりあえず、料理教室は成功だったと思います。
この辺でお開きにしましょう…
[パネトネ]
ありがとうございましたです。
先生にはお世話になりましたですの。
[パネトネ]
そう言えばわたくし、おかげさまでさっそく
料理人として御仕事が入ったでございますです。
[ゴルドマリー]
料理人としての仕事…？
[パネトネ]
ミスティラ姐さんが、わたくしがナイフで食材を
切り刻む姿は魅力的だと言ってくれて…
[パネトネ]
平和になったら、ソルム王城で要人を招き
腕前を披露することになりましたですの。
[ゴルドマリー]
あ、あの姿を…！？
国の要人の前で…！？
[パネトネ]
その際、感謝を込めて、先生はゴルドマリーさんだと
きちんとご説明させていただきますですわ。
[ゴルドマリー]
ま、まま待ってください…
それはちょっと。それはちょっと…！
[ゴルドマリー]
ソルムは王族も自由だと伺っていますが、
まあ一人ぐらい真面目な方もいるでしょう…
[ゴルドマリー]
料理教室は続行です…
食材の切り方をもう一度学びましょう…
[パネトネ]
えー！　ですわ。
せっかく卒業できたと思いましたですのに！
[ゴルドマリー]
わたしの名前を出すのなら、話は別です…
やらないならミスティラ王女に言いつけますよ…
[パネトネ]
うっ…！
[ゴルドマリー]
美人教師の追試です…
有難く思ってください…
[パネトネ]
はーい…ですわ。
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