=== オルテンシア & ゴルドマリー === --- C --- [オルテンシア] ゴルドマリー聞いたわよ! あなた、町で突然告白されたんですって!? [ゴルドマリー] すっ、すみません… 隠していたわけじゃないんです… [オルテンシア] 別に怒っているわけじゃないわ。 それで相手にはなんて返事をしたの? [ゴルドマリー] も、もちろん丁重にお断りしました… [オルテンシア] そ、そう。 意外と慣れた対応をしているのね。 [オルテンシア] もしかして今までにも 告白されるようなことがあったわけ? [ゴルドマリー] は…はい… [ゴルドマリー] わたしが可愛すぎるせいで… 自然と人を惹きつけてしまうみたいなんです… [ゴルドマリー] す、すみません… 美人に育ってしまってすみません… [オルテンシア] へ、へえー。 なんか面白くないなぁ。 [ゴルドマリー] わたしの方がお姉さんですから… きっと大人の魅力のおかげだと思います… [オルテンシア] あ、あたしがお子ちゃまだって、 そう言いたいわけ!? [ゴルドマリー] い、いえ… そんなつもりは… [オルテンシア] ま、仕方がないわね。 ゴルドマリーが魅力的なのは当然だもの。 [オルテンシア] さっすがあたしの臣下よね! 鼻が高いわ。 [ゴルドマリー] オルテンシア… [オルテンシア] …でも、主として見劣りするわけにはいかないから、 今度料理を教えなさい。 [ゴルドマリー] うふふ。 はい、喜んで… --- B --- [オルテンシア] ああーん、もーっ! 料理が全然上手くできないわ! [ゴルドマリー] 大丈夫…わたしの言うとおりに作れば きっと上手くいくはずです… [ゴルドマリー] 諦めずにがんばって… [オルテンシア] これを…こうして… こうやってひっくり返して… [オルテンシア] で、できたわ! [ゴルドマリー] 見かけは少々アレですが… 肝心の味を見させてもらいます… [オルテンシア] ど、どうかな。 [ゴルドマリー] 美味しいです。 よく頑張りましたね… [オルテンシア] 嬉しいわ。 あたし、また魅力的になれたかしら。 [ゴルドマリー] はい…もちろんです… [オルテンシア] ふふっ、ゴルドマリーみたいな臣下がいるんだもん。 これからも気が抜けないわね。 [ゴルドマリー] 臣下… [オルテンシア] あら、どうしたの? [ゴルドマリー] わたしも、ロサードも、 実のところ正式な臣下ではありませんよね… [オルテンシア] …ああ、そのこと。 いいのよ、あたしが認めてるんだから。 [オルテンシア] 邪竜が目覚めて、戦争が始まった時… あたしたちはまだ、学園に通う生徒だった。 [オルテンシア] でも、お父様があたしに、 王城に戻るように仰って… [ゴルドマリー] ただの学友であるわたしとロサードが、 無理矢理オルテンシアについて行ったんでしたね。 [オルテンシア] 無理矢理じゃないわ! あたしは…嬉しかった。 [オルテンシア] 仲良しだったあなたたちと離れたくなかった。 まだ学園にいたいと思ってたから。 [オルテンシア] でも…結果、こんな風に巻き込んだわ。 本当にごめんなさい。 [ゴルドマリー] 謝るのはわたしの方です。 [ゴルドマリー] 本来なら、イルシオン王族の臣下は 国王がお決めになる… [ゴルドマリー] わたしたちはそれを押し切ってしまったのですから。 その上、いつか認めてもらうことも…もう叶わない。 [ゴルドマリー] オルテンシアのお父様を… 守れませんでした… [オルテンシア] …いいの。あの事は、ゴルドマリーが… ううん。あたしたちが何かできることじゃなかった。 [オルテンシア] お父様はきっと認めてくださるわ。 二人があたしの正式な臣下となること。 [オルテンシア] だから、もうそんなこと言わないで。 ここにきたことを、謝らないで。 [ゴルドマリー] オルテンシア… [オルテンシア] ゴルドマリーがいてくれて嬉しいの。 本当にありがとう。 [オルテンシア] 戦争が終わったら、また… 一緒に学園に戻りましょうね。 [ゴルドマリー] はい…必ず。 --- A --- [ゴルドマリー] オルテンシア。 わたしと初めて会ったときのこと…覚えてますか? [オルテンシア] 初めて会った時… [オルテンシア] ああ、あたしが学園の上級クラスに 飛び級したときのこと? [ゴルドマリー] いいえ…実はその前に、 わたしはオルテンシアに出会っているんです… [オルテンシア] えっ、そうなの!? [ゴルドマリー] オルテンシアが飛び級してくる少し前… [ゴルドマリー] わたしはイルシオン兵とブロディア兵の戦に 巻き込まれたことがあるんです。 [ゴルドマリー] 立ち寄った町が突然、戦場となり、 恐怖で一歩も動けなくなってしまった… [ゴルドマリー] そんなときに飛び込んできて、 わたしを助けてくれたのがオルテンシアでした… [オルテンシア] ! 思い出したわ。 [オルテンシア] 町にブロディアの急襲があって、 兵たちの様子を見に行った時のこと。 [オルテンシア] 取り残されてる女の子がいて、 必死で助けに行ったのよ。 [ゴルドマリー] はい…ブロディア兵に狙われそうになったわたしを、 強力な魔法で守ってくれて… [ゴルドマリー] ペガサスで安全な場所に運び、 名前も名乗らず去っていった… [ゴルドマリー] あなたが上級クラスに入ってきた時は、驚きました。 命の恩人が目の前に現れたのですから… [オルテンシア] うそ… そんな話、今までしなかったじゃない。 [ゴルドマリー] 照れくさくて… 言えなかったんです… [ゴルドマリー] でも、あのころから、ずっと尊敬しているんです… オルテンシアのことを… [オルテンシア] あ、ありがとう。 [オルテンシア] その話、聞けて良かったわ。 でも、あたしもゴルドマリーを尊敬してるんだから。 [オルテンシア] 危険を顧みず、あたしについてきてくれた。 こんなに心強い友達はいないわ。 [オルテンシア] それに、とっても可愛くて あたしよりもモテるもんね? [ゴルドマリー] ふふ…それはどうでしょうか… [オルテンシア] ねえゴルドマリー。 これからもあたしと一緒にいてくれる? [ゴルドマリー] ええ、もちろんです。 [ゴルドマリー] オルテンシアのためなら…これからも、 なんだって協力します。 [ゴルドマリー] 友達として… あなたの臣下として。 --- S ---