=== アイビー & ミスティラ === --- C --- [ミスティラ] アイビー王女! こんにちはー! [アイビー] ごきげんよう、ミスティラ王女… [ミスティラ] アイビー王女って、 あたしと同じ第一王女なんだよね? [アイビー] そうね… 私はイルシオン、貴方はソルムの… [アイビー] でも、とても同じとは思えないわ… 第一王女なのにこうまで違うとはね… [ミスティラ] そんなにあたしたちって違う? [アイビー] 見た目も性格も正反対だと思うわ… [アイビー] どちらが良い悪いではなく あくまでも違うということだけど… [ミスティラ] まあ、確かにそうかもね。 [アイビー] それに私は領地内を放浪しないし 野宿を体験したこともない… [ミスティラ] えっ! それってもったいないよ! 野宿ってすっごく楽しいんだよ? [アイビー] 私にはそうは思えないけれど… [ミスティラ] なら、体験してみようよ! ミスティラと一緒に、ドキドキ野宿体験! [アイビー] どうして私がそんなこと… [アイビー] ………… [アイビー] …いえ、そうね。 [アイビー] せっかくのソルム第一王女からのお誘いだもの… お受けするわ。 [ミスティラ] やったー! じゃあ、色々と用意しておくから! 楽しみに待っててね! [アイビー] ありがとう、ミスティラ王女… --- B --- [アイビー] ………… [ミスティラ] ふんふんふ~ん♪ [ミスティラ] ね、アイビー王女! 野宿って楽しいでしょ? [アイビー] ミスティラ王女… 観察眼はイマイチのようね… [アイビー] 見なさい。 今の私のこの姿を… [アイビー] 他国の王女の前だというのに 体がずっとガタガタと震えているのよ… [アイビー] どう見ても楽しい状態ではないわ… [ミスティラ] 寒いの? もっと火をくべよっか? [アイビー] 寒くて震えてるわけではないわ… [アイビー] ………… [アイビー] 怖くて震えているのよ… [ミスティラ] あ、野生動物のことなら心配しないで。 [ミスティラ] 罠だって仕掛けてあるし、 火を怖がって近づかないから。 [アイビー] …オバケ。 [アイビー] さっき、あっちの方から… すすり泣きのような声が聞こえて… [ミスティラ] おばけ~♪ おばけがいるかもしれないの~♪ [アイビー] ひっ!? き、急に大きな声を出さないで… [ミスティラ] あはは。ごめんなさい。 でも、歌うと怖くなくなるよ? [アイビー] ………… [アイビー] …お、おばけー♪ [ミスティラ] そうそうその調子! でも~おばけが苦手なんて意外だったな~♪ [アイビー] それは忘れて~♪ もう二度と野宿はごめんよ~♪ --- A --- [アイビー] ミスティラ王女… [アイビー] 野宿は貴重な体験だったわ… ありがとう… [ミスティラ] どういたしまして。 それで… [ミスティラ] 何かあたしの弱みは見つけられた? [アイビー] ふふっ… お見通しだったわけね。 [ミスティラ] 一応、あたしも第一王女だからね。 同じことを考えたよ。 [ミスティラ] 他国の王女の弱みを握れれば 自分の国を守ることに繋がるかもだし。 [アイビー] 私もそう考えて野宿に参加したわ。 [アイビー] でも失敗… 弱みを見せたのは私だけね… [ミスティラ] うんうん。 おばけが苦手だったんだね。 [アイビー] 私が今回、知れたのは 貴方と私の違いだけ… [アイビー] 一緒に朝日を迎えるまで語り明かし、 両者にとても多くの違いがあることがわかった… [アイビー] ミスティラ王女はお肉が好き… 私はどちらかというと野菜が好き。 [ミスティラ] あたしは歌うのが大好き。 でも、アイビー王女は人前で歌うのは苦手。 [アイビー] 私は勉強が好き… ミスティラ王女は勉強よりも野山を駆ける方が好き。 [ミスティラ] あはは。 本当に違いばっかりだったね。 [アイビー] でも、そんな貴方と一緒に過ごしたのが… 私はとても楽しかったわ。 [ミスティラ] うん。 違うのに楽しかった。 [アイビー] 違いは争いを生むこともあるわ。 でも、違いを楽しむこともできる… [アイビー] 私は貴方と過ごしたことで… 第一王女として大切なものに気づけた気がするわ。 [ミスティラ] あたしもだよ、アイビー王女。 だから、これからも仲良くしたいね。 [アイビー] ふふ、そうね… 貴方の弱みも教えてくれたら考えるわ。 [ミスティラ] む。仕方ないなー。 でも、そうじゃなくちゃ不公平だもんね。 [アイビー] ふふっ。冗談よ。 これからもよろしくね、ミスティラ王女。 [アイビー] 仲良くしましょう。 ソルムとイルシオンを統べる…次期女王同士。 [ミスティラ] …うん! よろしく、アイビー王女! --- S ---