=== ジェーデ & ジャン === --- C --- [ジェーデ] ジャン、こんにちは。 [ジャン] ひっ!? あ、あんたはジェーデさん!? [ジェーデ] どうしてそんなに怯えているの? 私はただあいさつしただけよ。 [ジャン] べ、別に自分は… 怯えてなんかいいひんで。 [ジェーデ] ………… [ジャン] よ、用が無いんやったら… もう行くしな… [ジェーデ] 怯えているわね。 私に。 [ジェーデ] でも、なぜ? 怖がられる心当たりはないのだけれど。 [ジャン] ………… [ジャン] 怖がってはない。 ただ…苦手なんや。 [ジェーデ] 苦手… 私のことが? [ジャン] 自分は… お化けなんかは平気や。 [ジャン] 暗くて狭い部屋とか、 虫とか獣も、全然怖くない。 [ジャン] でも、でも… [ジェーデ] でも何? [ジャン] ジェーデさんみたいな人は… ちょっと苦手なんや…ごめんな! [ジャン] [ジェーデ] …行ってしまったわね。 [ジェーデ] 私みたいな人が苦手、か… どういうことなのかしら… --- B --- [ジャン] ジェーデさん… この間は、ごめんなさい。 [ジェーデ] …私に苦手だと言ったこと? [ジェーデ] 気にしなくていいわ。 でも、よければ理由を教えて欲しいの。 [ジェーデ] 私のような人が苦手だと言ってたけど… あれはどういう意味? [ジャン] それは… [ジャン] ジェーデさんは… 冷酷非道な人やっていう噂やから。 [ジェーデ] それは…間違いではないわね。 [ジャン] 戦う相手には一切の容赦をせず、 徹底的に叩きのめす…それもほんまなん? [ジェーデ] …そうよ。 [ジェーデ] ありがとう、もういいわ。 言いたいことは理解できたから。 [ジャン] ジェーデさん…? [ジェーデ] 貴方はこの間まで… 戦いとは無縁の暮らしをしていたものね。 [ジェーデ] 血生臭い兵士が苦手なのも、 無理はないわ。 [ジャン] ち、違うんや… そうじゃなくて… [ジェーデ] 安心して。 私は貴方を非難しないから。 [ジェーデ] むしろその気持ちを理解して、 これからは一定の距離を保つ努力をするわ。 [ジェーデ] ………… [ジェーデ] …今までごめんね。 [ジェーデ] [ジャン] ジェーデさん! --- A --- [ジャン] ジェーデさん! [ジェーデ] ジャン… [ジャン] ジェーデさんは誤解しとる! 自分はジェーデさんに怯えてなんかない! [ジェーデ] でも、貴方は… 私が苦手って… [ジャン] 違うんや。苦手やって言ったんは、 そういう意味とちゃう! [ジャン] ジェーデさんが敵に容赦ないのは 自分たちを守るためだって知ってる! [ジャン] でも、そのために ジェーデさんは戦場の最前線に立つから… [ジャン] …怪我も人より多く作って帰ってくるやろ。 [ジェーデ] …! [ジャン] 自分はそれが心配で… いつもいつも心配でたまらんのや… [ジェーデ] ジャン… [ジャン] 誰かのために怪我を作ってくる人は、 長生きできひん。 [ジャン] だから、仲良くなるんが怖いんや。 いつかおらんくなったら、って… [ジェーデ] ………… [ジャン] けど… そんな考えはもうやめや。 [ジャン] ジェーデさんがどんな怪我をしても、 必ず自分が治す。 [ジャン] 誰かのために戦うあんたを 自分は全力で支えたいんや! [ジェーデ] ジャン… [ジャン] ジェーデさん! 今までのことは全部、謝らせて欲しい! [ジャン] それでこれからは… [ジェーデ] ええ。一緒に戦いましょう。 仲間として、友として。 [ジャン] ああ。 おおきに、ジェーデさん。 [ジャン] 友達になってくれて、 ほんまに嬉しいで。 --- S ---