=== ジェーデ & リンデン === --- C --- [リンデン] むむむ… はぁぁーーーー!! [ジェーデ] リンデン殿。 何をされているのですか? [リンデン] おお、ジェーデか。 [リンデン] なーに、今からサンダーで 焼き菓子を焼こうと思ってな。 [リンデン] …む? [リンデン] ジェーデよ。 あんたが持ってるその本はなんじゃ? [リンデン] わしは世界中の本を読み漁ったのじゃが、 そんな表紙は見たことがないぞ。 [ジェーデ] …当然です。 [ジェーデ] これは、その… 私の自作の小説ですから。 [リンデン] なんと! それは素晴らしい! ぜひ読ませてくれんかのう? [ジェーデ] リンデン殿にですか? 真面目さの欠片もない小説ですよ? [リンデン] なるほど喜劇なんじゃな。 ますます興味深い。 [リンデン] 普通の本はちょうど飽きていたところじゃ。 なんとか読ませてくれんかのう。 [リンデン] わしお手製の焼き菓子もやろう。 それで手を打たんか? 取引じゃ。 [ジェーデ] 取引などとは恐れ多いです… 読んでいただけるのは光栄ですから。 [ジェーデ] ただ…後悔しても知りませんよ? [リンデン] おお! 読ませてくれるか! 礼を言うぞ、ジェーデ! --- B --- [リンデン] いやいや。 腹を抱えて笑ったわい。 [リンデン] ジェーデよ。 あんたは喜劇を書く才能がある。 [ジェーデ] リンデン殿にそこまで褒めてもらえるなんて… ありがとうございます。 [リンデン] 登場人物たちが皆、 いきいきしておった。 [リンデン] あれは現実の人間を参考にしているじゃろ? ここにいる仲間の姿が何人か頭に浮かんだわ。 [ジェーデ] はい… 仰る通りです。 [リンデン] 優れた観察眼だけではなく、 それを物語に落とし込む才能もあるというわけじゃ。 [リンデン] 本当に見事な小説じゃった。 礼を言うぞ、ジェーデ。 [ジェーデ] こちらこそ。 読んでくださって、ありがとうございます。 [リンデン] 実を言うとな… わしも自らの半生を書に記しているのじゃ。 [ジェーデ] そうだったのですか…! [リンデン] うむ。 あまり人に話したことはないんじゃがな。 [ジェーデ] ぜひ今度、読んでみたいです! [リンデン] はっはっは。 ぜひ読んでやってくれ。 [リンデン] 物書きの同志が 近くにいたことが嬉しくてたまらんわい。 [リンデン] 今度、お薦めの戯話なども紹介させてくれ。 [ジェーデ] は、はい。 お願いします…! [リンデン] 良き出会いか。 長生きはするもんじゃのう。 --- A --- [リンデン] 驚いたぞ、ジェーデよ。 [リンデン] まさかこんなに早く あんたが書いた喜劇の続きが読めるとはな。 [ジェーデ] リンデン殿が読者になってくださったので… いつもより筆の進みが早くなりました。 [リンデン] そうかそうか。 [ジェーデ] リンデン殿。 感想を伺ってもよろしいですか? [リンデン] …素晴らしかった。 [リンデン] 前作よりも胸に響いたぞ。 [ジェーデ] それを聞けて安心しました。 [リンデン] 特に今作から出てきた新たな登場人物… いい感じじゃったのう。 [リンデン] 他の登場人物の誰よりも よく笑い、よく泣き、よく走り回っておった。 [リンデン] そう… 誰よりも人生を謳歌しておった。 [ジェーデ] はい… [ジェーデ] あれは…僭越ながら、 リンデン殿をモデルにさせていただきました。 [リンデン] やはりそうじゃったか。 笑い過ぎて涙が出たわ。 [リンデン] あんな生き方も悪くない。 心の底からそう思えた。 [リンデン] ありがとう、ジェーデ。 素晴らしい小説を読ませてくれて。 [ジェーデ] そんな… 身に余る光栄です。 [リンデン] さて、お礼に焼き菓子でも焼くかのう。 もちろん、食べていくじゃろう? [ジェーデ] ええ。もちろん。 ありがとうございます、リンデン殿。 --- S ---