=== カゲツ & メリン === --- C --- [カゲツ] うう… [カゲツ] まさか昼食のおにぎりを落とすとは… 余としたことが…なんたる不覚… [カゲツ] これから大事な用件があるというのに… もう…倒れてしまいそうじゃ… [メリン] もしかしてお腹が空いているのかい? だったら、僕の持ってるお菓子を食べるといいよ。 [カゲツ] そなたは…メリン… [カゲツ] 余のことを助けてくれるとは… まさに感慨無量じゃ… [カゲツ] ありがたく施しを受けよう… [メリン] うん。召し上がれ。 [カゲツ] はぐっ…はぐっ…これは甘くて…美味い! 力が湧き出るようじゃ! [メリン] すごい食べっぷりだ。 よっぽどお腹が空いてたんだね。 [カゲツ] ご馳走様じゃった! [カゲツ] メリン、感謝するぞ! これなら全力でミスティラ王女と戦えそうじゃ! [メリン] えっ!? [メリン] わ、我が姫と戦うだって!? だめだめ、だめだよ、そんなことは! [カゲツ] なぜだ? 強い相手と戦うのは楽しいぞ。 [カゲツ] 余もそれなりに強い。 ミスティラ王女も喜ぶじゃろうて。 [メリン] 違うよ。ミスティラ姫の臣下として、 彼女を危険に晒すようなことは許可できない。 [カゲツ] なんじゃ。 お堅いやつじゃな。 [メリン] 助けた相手が、我が姫を狙っていたとは。 僕の騎士人生一番の不覚だ…! [メリン] どうしても我が姫と戦うというのなら、 僕を倒してから先へ進むんだ! [カゲツ] 望むところじゃ! [カゲツ] と、言いたいところだが… 恩を仇で返すのは無粋じゃのう。 [カゲツ] わかった、メリン。 今日のところは引き下がるとしよう。 [メリン] ………… [カゲツ] そう警戒するな、嘘はつかぬ。 [カゲツ] ミスティラ王女との対決は、 今度の楽しみとしようではないか。 --- B --- [カゲツ] メリン。そろそろミスティラ王女に 対決を申し込んでもよいか? [メリン] だめだ。 絶対に許さないからね。 [カゲツ] くっ…まだだめか… 遺憾千万じゃ… [カゲツ] とはいえ、余はメリンに助けられた身。 メリンの許しが出るまで今一度待つとしよう。 [メリン] 君も困った人だね。 どうしてそこまでして、我が姫と戦いたいんだい? [カゲツ] 余は白の砂漠の出身でな。 外の世界の強者と戦いたいのじゃ。 [メリン] 白の砂漠って…! ソルムの、謎に包まれた場所じゃないか。 [カゲツ] 余からすれば、白の砂漠の外こそが 謎に包まれた場所なのじゃがな。 [カゲツ] だから、外の世界を知るために、 故郷を飛び出した。 [カゲツ] 余は旅をしながら、 多くの強者たちと手合わせをした。 [カゲツ] わかったのは、戦いにはその国の文化や歴史、 考え方などが反映されているということじゃ。 [カゲツ] だから、ミスティラ王女とも手合わせをし、 ソルムのことをもっと知りたいのじゃ! [メリン] なるほど… そういう理由があったんだね。 [メリン] だったら、僕がカゲツの相手になるよ。 [カゲツ] メリンが? [メリン] 僕だって王城騎士だし、腕には自信がある。 相手にとって不足はないと思うけど? [カゲツ] …いいじゃろう。ただし、メリンが負ければ、 次はミスティラ王女と戦いに行く。 [カゲツ] それでも構わぬか? [メリン] 問題ないさ。 僕は絶対に負けないから。 [カゲツ] ふっ、面白い! では…いざ尋常に勝負じゃ! --- A --- [カゲツ] 覚悟! [メリン] 甘いよカゲツ! [カゲツ] はああーーっ!! [メリン] せやーーっ!! [カゲツ] くっ… [メリン] 勝負あったね。 僕の勝ちだ。 [カゲツ] 余が…負けただと… [メリン] 内容は互角か…いや、 カゲツの方が強かったかもしれない。 [メリン] でも、僕には我が姫を守るという使命がある。 その思いの強さで勝ったんだ。 [カゲツ] 思いの強さか… [メリン] 僕が勝ったんだから、 我が姫との対戦はなしだよ。 [カゲツ] ああ…わかった。 約束じゃからな。 [カゲツ] ときに、メリン。 また余と手合わせをしてくれぬか? [メリン] 僕と? それは姫の代わりにってことかな? [カゲツ] そうではない。 [カゲツ] 興味が湧いたのじゃよ。 メリンの思いの強さというものに。 [カゲツ] 思いを強さに変える… [カゲツ] それを学ぶことが、世界を知ることに通じる。 そんな気がするのじゃ! [メリン] わかった。 そういうことなら、いくらでも手合わせするよ。 [メリン] カゲツとの手合わせは 僕にとっても鍛錬になるからね。 [カゲツ] それは嬉しいのう! メリン、今日から余たちは手合わせ友達じゃ! [カゲツ] 互いに切磋琢磨し、仲を深めようぞ! [メリン] ンッフフ。望むところだよ、カゲツ! --- S ---