=== カゲツ & セアダス === --- C --- [セアダス] フォルテューヌ… 運命の輪の正位置か… [カゲツ] セアダス。 何をしておるんじゃ? [セアダス] タロットカードを使った占いの練習だよ。 [セアダス] 俺の本職はダンサーなんだけど、 占いも得意なんだ。 [カゲツ] ほう。得意なのにも関わらず 練習を欠かさないとは感心なことじゃ! [セアダス] うん…少し訳ありでね… [カゲツ] ? [セアダス] そうだ。練習ついでに カゲツの運勢を占ってあげるよ。 [カゲツ] いや、それなら間に合っている。 余も同じようなことができるからな。 [カゲツ] むっ… 早速きたぞ… [カゲツ] そなた…今日の昼飯に、 肉を挟んだパンを食べるつもりじゃな? [セアダス] あ、当たりだよ。 どうしてそれを… [カゲツ] これは予知能力じゃ。 [セアダス] よ、予知!? そんなことができるなら、俺にも教えてくれないか!? [カゲツ] すごい食いつきじゃな。 しかし、残念ながら教えることはできないのじゃ。 [カゲツ] この能力は生まれ持った力で、 学んで身に付けたものではないのじゃ。 [カゲツ] それにこんな力など持っていても夏炉冬扇… どうでもいいことしか予知できんからな。 [セアダス] そうなんだ… [セアダス] わかった。 俺は地道に占いの腕を磨くとするよ。 --- B --- [カゲツ] セアダス。いま予知がきたぞ。 本日のダンスの舞台は満員御礼になるだろう。 [セアダス] 予知するまでもないよ。 俺の舞台はいつも満員だからね。 [カゲツ] 今日の夜は雨が降る予知もきた。 帰りには気をつけるんじゃな。 [セアダス] さっきおぼろ雲が出てたから、 雨が降りそうなのは予想がつくよ。 [カゲツ] ………… [カゲツ] この能力で得したことはないと、 言ったわけがわかったじゃろ? [セアダス] 本当にどうでもいいことしか予知できないんだね。 [セアダス] もう少し活用できそうだったら、 俺もその力が欲しかったんだけど。 [カゲツ] こんな予知などなくても、 セアダスには占いがあるではないか。 [セアダス] 俺の占いは確かに評判がいいけど… 完璧じゃないんだよ… [カゲツ] セアダス? [セアダス] 俺のダンスの師匠は、 賊に襲われて死んだ。 [セアダス] もし、俺の占いが完璧だったら… 師匠を助けることもできたはずなのに。 [セアダス] だから俺は占いの練習をし続けているんだ。 あのときのような後悔をしないために。 [カゲツ] …セアダス。 試しに余のことを占ってくれぬか? [セアダス] カゲツのことを? [カゲツ] うむ! 前に言っていたではないか。 地道に占いの腕を磨くと。 [カゲツ] ならば、そのために 余がいくらでも練習台となろう! [セアダス] それは助かるよ。 ありがとう。 [カゲツ] 礼には及ばぬ! [セアダス] あはは。 じゃあ、さっそく占わせてもらおうかな。 [セアダス] カゲツの運勢は… [セアダス] …! [セアダス] ラ・モール… 死神の正位置だ… [セアダス] これはカゲツの身に 災いが起きることを暗示するカードだよ… [カゲツ] な、なんじゃとー!? --- A --- [カゲツ] はぁ…はぁ…! 間一髪…助かったぞ…! [セアダス] カゲツ、どうしたんだい!? もしかして、占いどおりに災いが…? [カゲツ] ああ… 鍛錬中に熊と鉢合わせになってな。 [セアダス] でも、カゲツが無事だっていうことは… [セアダス] よかった… 俺の占いは外れたってことか。 [カゲツ] いや、占いは当たっていたのじゃ。 [セアダス] え? [カゲツ] 災いが起きるのを警戒していたからな。 熊の姿を見てすぐに逃げることができたんじゃ。 [カゲツ] 普段のように鍛錬に集中しておったら、 熊が近づいてくることに気づかなかった。 [セアダス] …俺の占いで、 カゲツを救うことができたの? [カゲツ] うむ、そのとおりじゃ! 感謝するぞ、セアダス! [セアダス] ありがとう、カゲツ。 自分の占いに自信がもてそうだよ。 [カゲツ] ふむ。 九死に一生を得たら腹が減ってきたな… [カゲツ] むっ…!? [カゲツ] 今、余とセアダスが 二人仲良く飯を食う予感がしたぞ! [セアダス] 当ててあげるよ。 食べていたのは肉を挟んだパンでしょ? [カゲツ] 正解じゃ! どうしてわかったのじゃ? [セアダス] 今、カゲツにおごってあげたいと 思っていたところだったんだ。 [カゲツ] お、また予知がきたぞ。 二人に友情が芽生える予知じゃ! [セアダス] それこそ予知するまでもないよ。 俺とカゲツはもう友だちだからね。 --- S ---