=== ルイ & アイビー === --- C --- [アイビー] ルイ。 [ルイ] はい、アイビー王女。 [アイビー] 貴方はいつもニコニコしているのね… 何か嬉しいことでもあった? [ルイ] そういうわけではありません。 元々、こういう顔なのです。 [アイビー] そう… 不思議ね。 [アイビー] 私はあまり感情を表に出さないから… 余計に気になるのかもしれないわ。 [ルイ] アイビー王女の笑顔は、 確かにあまり見たことがありませんね。 [ルイ] …見たいな。 [アイビー] ルイ、何を言ってるの… [ルイ] 僕は女性が仲良くしている姿を見るのが 大好きです。 [アイビー] ほ、本当に何を言い出してるの… [ルイ] ですので、アイビー王女のそのようなお姿も、 ぜひ見てみたいなと思いまして。 [ルイ] ニコニコ笑うアイビー王女と女性たち。 その光景を想像しただけで僕はもう…! [アイビー] …勝手に妄想を膨らませないで欲しいわ。 [ルイ] まずはアイビー王女から 笑顔を引き出さないといけませんね。 [ルイ] ということですので、 今後、少々お付き合いを願います。 [アイビー] ………… [アイビー] 己の欲望を満たそうと強引に進めるその度胸… 嫌いではないわ。 [アイビー] いいでしょう…フィレネ王国の騎士、ルイ。 私を笑顔にさせる策があるのなら試してみなさい。 [ルイ] はい、必ずや。 --- B --- [ルイ] いかがですか、アイビー王女。 楽しそうにおしゃべりをしている女性たちは。 [アイビー] ダメね… 全然、笑顔になれないわ。 [ルイ] それはおかしいですね。 僕の心はこんなにも躍っているというのに。 [アイビー] あの光景で笑顔になれるのは… ルイくらいしかいないのではないかしら。 [ルイ] そうですか。残念です。 [アイビー] それで…? 私を笑顔にするという貴方の策はこれで終わり? [アイビー] 笑顔の私が女性たちと楽しそうにおしゃべりする… その光景を見るのは諦めるのね? [ルイ] いいえ、まだ諦めません。 [ルイ] とは言ったものの、 具体的な次の策は浮かんでいないので… [ルイ] ひとまずお茶にしませんか? とっておきの紅茶を淹れさせていただきます。 [アイビー] あら、それは嬉しいわ… ありがとう、ルイ。 [ルイ] あっ。 [アイビー] どうしたの…? [ルイ] 今、アイビー王女… 少し微笑んだ気がします。 [アイビー] …そう? [ルイ] アイビー王女、紅茶がお好きなのですか? [アイビー] ええ… けれど、微笑んだ理由は紅茶ではないわ。 [アイビー] こんな私なんかの笑顔が見たいと… 手を焼いてくれるルイがおかしかったのね。 [ルイ] おかしいことなんて何もありません。 王女の笑顔は素敵ですから。 [アイビー] …そう。 [ルイ] あっ、また少し笑顔になりましたね。 [アイビー] も、もういいでしょう。 早く紅茶をいれて欲しいわ… [ルイ] ははは。 かしこまりました、アイビー王女。 --- A --- [アイビー] ルイ。また貴方のいれてくれる紅茶が 飲みたいのだけれど… [ルイ] あ、あああ… 困ります、アイビー王女。 [アイビー] あら…忙しかった? ならまた機会を改めるわね。 [ルイ] 違うんです。忙しいわけではなくて。 困っている理由は、貴方の笑顔です。 [アイビー] 私の笑顔…? なかなか笑顔にならないからということ? [ルイ] いいえ。今ここにきたとき… すごくいい笑顔になっておられたのです。 [アイビー] えっ… [ルイ] それがあまりに素敵すぎて、 つい、困りますと。 [ルイ] ご自身では気づいていましたか? [アイビー] いえ…全く。 [ルイ] そんな素敵な笑顔は僕になど見せずに、 可憐な女性たちに見せてあげてください。 [ルイ] それでアイビー王女を中心に輪ができれば、 僕は離れたところからじっと眺めます。 [アイビー] ふふ… そんなことを言われても困るわ。 [ルイ] ああ…僕に笑顔を無駄撃ちするのは もったいないですよ、アイビー王女。 [ルイ] ですが、不思議ですね。 [ルイ] 結局、何がアイビー王女を 笑顔にしているのか、僕にはわかりません。 [アイビー] 失礼ね… 貴方は私をなんだと思ってるのかしら。 [アイビー] 私だって…友だちや仲間の前でなら、 自然と笑顔になるものよ。 [ルイ] …! つまり僕も、アイビー王女にとって そのような存在になれたというわけですか? [アイビー] か、確認なんてしなくていいの。 いいから早く紅茶をいれて頂戴… [ルイ] かしこまりました、アイビー王女。 今までで一番とびきりの紅茶を淹れますね。 [アイビー] 期待しているわ…ルイ。 --- S ---