=== ルイ & ゼルコバ === --- C --- [ゼルコバ] なんだ。 何を「見て」いる。 [ルイ] こんにちは、ゼルコバさん。 [ゼルコバ] 「質問」に答えろ… なぜ俺を見ていた。 [ルイ] ははは。 特に理由はありませんよ。 [ルイ] ところで今、お時間があるなら 一緒に紅茶を飲みませんか。 [ゼルコバ] 「理解不能」だな… なぜ親しくもない「俺」を茶に「誘う」。 [ルイ] 親しくなりたいからこそお誘いしているんですよ。 [ゼルコバ] 俺と「親しく」なりたいだと? 何を考えている。「正直」に話せ。 [ルイ] 僕はずっと正直に話していますよ。 仲良くなるためにお茶でもご一緒しませんか、と。 [ゼルコバ] …悪いが「断る」。 [ルイ] それは残念です。 不眠解消に効くお茶を用意しようと思ったのですが。 [ゼルコバ] …どういう「意味」だ。 [ルイ] 顔を見ればわかりますよ。 あまり眠れていないのでは? [ゼルコバ] 「そのこと」がお前に「関係」あるのか? [ルイ] 全然、関係ないです。 でも仲間ですから気にはなりますね。 [ゼルコバ] もう「いい」。 [ゼルコバ] お前が「どんなつもり」かは知らないが、 今後は「俺」に構うな… [ゼルコバ] [ルイ] …そういうわけにはいかないんですよね。 --- B --- [ルイ] こんにちは、ゼルコバさん。 一緒にお茶でもどうですか? [ゼルコバ] ルイ。 お前、俺を「監視」でもしているのか? [ルイ] ふふ… [ルイ] わかりました。小細工はなしで、 僕の気持ちを正直に話しますね。 [ゼルコバ] 「そう」してくれ。 まどろっこしいのは「無し」だ。 [ルイ] ゼルコバさん。 僕は貴方の面倒を見たいんです。 [ゼルコバ] …ん? [ルイ] 僕は四兄弟の長男です。 [ルイ] 母は早くに亡くなってしまったので… 男ばかりの家で、もみくちゃになりながら育ちました。 [ルイ] 父は働きに出ていたので 弟たちのことは僕が面倒を見ていました。 [ルイ] そのときの名残なんでしょうか。 無性に人の世話を焼きたくなるんですよ。 [ゼルコバ] だから…「俺」を? [ルイ] はい。 今回はゼルコバさんなんです。 [ゼルコバ] …ただ「世話を焼きたい」ということか。 だから「茶」に誘ったり、声をかけていたと。 [ルイ] そうです。 ゼルコバさんは、どこか弟に似ているのかも。 [ゼルコバ] 「馬鹿」を言うな… 俺の方が「年上」だ。 [ルイ] そこはあまり気にせずということで。 [ゼルコバ] まあ「いい」。 変な「下心」はないというのが「わかった」。 [ゼルコバ] それに「弟」の世話を焼きたがる 「兄」の気持ちも「理解」できる… [ルイ] おや、ゼルコバさんにもご兄弟が? [ゼルコバ] …さあな。 [ゼルコバ] だが、誰かの「世話」になるのはごめんだ。 余計な「気の使い方」をするのは「やめろ」。 [ルイ] 確かにそうでしたね… [ルイ] ゼルコバさんの気持ちも考えずに 申し訳ありませんでした。 [ゼルコバ] ………… [ゼルコバ] 「詫び」の気持ちがあるのなら うまい「茶」でもいれてもらうとするか。 [ゼルコバ] 「不眠解消」に効く「茶葉」があるのだろう? [ルイ] …! [ルイ] はい、ゼルコバさん。 すぐに用意しますね。 --- A --- [ルイ] ゼルコバさん。 どちらに行かれるんですか。 [ゼルコバ] 「仕事」だ。 今日は茶には「付き合えない」ぞ。 [ルイ] それは残念です。 [ルイ] なら何か、雑用はありませんか? [ルイ] 仕事が終わるまでに 僕が代わりに片付けておきますよ。 [ゼルコバ] 「言った」はずだぞ、ルイ… 俺は誰かの「世話になる」のはごめんだ。 [ルイ] ははは。いけませんね。 どうしても世話を焼きたがってしまって。 [ルイ] ゼルコバさんのどこか放っておけない雰囲気が、 弟たちの姿を思い起こさせるからかもしれません。 [ゼルコバ] ………… [ゼルコバ] ルイ。 俺にも昔、弟がいた。 [ゼルコバ] いや、弟だけじゃない。 家族がいたんだ。 [ゼルコバ] 皆、殺されてしまったがな… [ルイ] …そうでしたか。 [ゼルコバ] 「どうして」かはわからないが… お前と茶を飲むと「家族」を思い出す。 [ゼルコバ] 「失った」もの、もう二度と「取り戻せない」ものを 「思う」のは辛い。 [ゼルコバ] だがな、それでも… お前と飲む茶は、悪くない。 [ルイ] ゼルコバさん… [ゼルコバ] ちっ… 俺は「何」を言ってるんだか。 [ゼルコバ] 悪い。 「忘れて」くれ。 [ルイ] いいえ、忘れません。 [ルイ] 僕、待っていますね。 茶器を温めて、ゼルコバさんの帰りを。 [ルイ] 美味しいお茶、淹れますから。 必ず帰ってきてください。 [ゼルコバ] ふっ。 俺を待つなど「物好き」な奴だ。 [ゼルコバ] だが、うまい「茶」が待っているなら なんとしてでも無事に「帰って」こないとな。 [ルイ] ええ、約束ですよ。 いってらっしゃい、ゼルコバさん。 [ゼルコバ] …ああ、行ってくる。 --- S ---