=== リュール & アルフレッド === --- C --- [アルフレッド] 神竜様、おはよう。 [リュール] おはようございます、アルフレッド。 [リュール] とても素敵な笑顔ですけど、 何か嬉しいことでもあったんですか? [アルフレッド] ははは。 もちろんあったさ! [アルフレッド] 今朝は気分の良い鍛錬ができたし、 いつもより早く走り込みが終わった。 [アルフレッド] その上、こうして君の顔を見られたからね。 とても幸せな気分だよ。 [リュール] もう、からかわないでください。 [アルフレッド] 本当にそう思っているんだ。 友達の顔を見られたら幸せな気持ちになるだろう? [リュール] そうですね。 とても嬉しい気持ちになります。 [アルフレッド] 僕も同じさ。 [アルフレッド] ところで、何か不便は感じていないかい? 目覚めてから時間が経ったとはいえ… [アルフレッド] まだ慣れないこともあるだろう。 不自由に思うことがあれば言って欲しい。 [リュール] そうですね… 今は特にありませんよ。 [アルフレッド] なら良かった。 でも、本当に遠慮はしないでくれ。 [アルフレッド] リトスから旅立つ直前、神竜様は僕に 友達として色々教えてほしいと言ってくれただろう? [アルフレッド] あの言葉、とても嬉しくてね。 友としてできることは何でもしたいんだ。 [リュール] 私も、その言葉…嬉しく思います。 ありがとうございます、アルフレッド。 --- B --- [リュール] …アルフレッド。 少しいいでしょうか? [アルフレッド] もちろんだよ、神竜様。 友のためならいくらでも時間を作ろう。 [リュール] 毎朝、私の起床時間に合わせて 豪華な朝食を用意してくれるのは嬉しいのですが… [リュール] できればやめてもらえませんか。 [アルフレッド] ! もしかして肉の量が多すぎたかい? 体作りのために良いと思ったのだけれど。 [リュール] ま、まあ確かに多かったですが… 本題はそこではないんです。 [リュール] 私だけ特別な物を用意していただくのは さすがに悪い気がします。 [アルフレッド] そっちだったか、すまない。 [アルフレッド] 友達には幸せな目覚めをと思って 用意していたのだけれど…今後はやめておこう。 [リュール] ありがとうございます。 それから… [リュール] 私が夜眠る時に必ず、どこからか 素敵な笛の音色が聞こえてくるのですが… [アルフレッド] 僕が演奏していたんだよ。 神竜様が幸せな眠りに入れるようにね。 [リュール] やはりそうだったのですね。 音のする方にあなたのような人影が見えるな、と。 [リュール] たいへん素晴らしい演奏なのですが、 できればあれも止めてください。 [リュール] …夜中までピロピロされると、 さすがに夢にまで出てきます。曲が。 [アルフレッド] す、すまない…! いつ眠ったかわからないから長めにやってしまった… [アルフレッド] 良かれと思ってやっていたことが すべて裏目に出ていたなんて。 [アルフレッド] 僕は友達失格だね… [リュール] えっ、そこまでは… [アルフレッド] 前向きな僕でもさすがに反省を禁じ得ない。 頭を冷やすため、少し走ってくるとしよう。 [アルフレッド] 色々と迷惑をかけてすまなかった、神竜様。 では! [リュール] あ…! アルフレッド… --- A --- [リュール] アルフレッド…探しましたよ。 [リュール] この間、アルフレッドは自分のことを、 私の友達失格だと言いましたよね。 [アルフレッド] 神竜様の気持ちも考えず 余計な世話ばかりしてしまったからね… [リュール] あの言葉、撤回してください。 アルフレッドは私の友達です。 [リュール] 元はといえば全て、私を思ってしてくれたこと… 結果はどうあれその気持ちは嬉しかった。 [リュール] だから… 二度と失格だなんて言わないでください。 [アルフレッド] 神竜様… [アルフレッド] でも僕は神竜様に何もできていない。 果たしてそれで友の資格などあるのだろうか。 [リュール] 特別なことをしてもらわなくても 充分、アルフレッドにはお世話になっています。 [リュール] それに、アルフレッドは私が目覚めてから 初めてできた友達なんですよ。 [リュール] 取り下げられてしまったら、悲しいです。 [アルフレッド] 初めての友達…か。 [アルフレッド] ふふ、ありがとう。 そう言われると身に余る光栄だ。 [アルフレッド] 僕は神竜様が目覚める前から 一方的に親しみを感じていた… [アルフレッド] だから目覚めた嬉しさのあまり 余計に世話を焼いてしまったのだろうね。 [アルフレッド] けれど、もう特別なことはしない。 これからは普通の友として仲良くしていこう! [リュール] 嬉しいです、アルフレッド。 [アルフレッド] よし! いいことを思いついた! [アルフレッド] 親交をさらに深めるために これから二人で走り込みをしよう! [リュール] ええっ!? い、今からですか!? [アルフレッド] もちろんさ! さあ、行くよ! [リュール] ま、待ってください! 私はまだやるとも言ってないです! [リュール] アルフレッドー!! --- S --- [アルフレッド] …おはよう、神竜様。 [リュール] おはようございます、アルフレッド。 何だか、今日は険しい顔をしていますね。 [アルフレッド] 神竜様… 今、僕にとても不思議なことが起こっている。 [アルフレッド] 僕の性格はどちらかというと 考えるよりも行動を起こす類なんだ。 [リュール] ええ。知っています。 思い立ったらすぐ動きますよね。 [アルフレッド] でも、なぜかあることに関して… なかなか行動を起こせないでいるんだ。 [アルフレッド] 僕が行動を起こすことで 今の良好な関係が壊れるかもしれないと… [アルフレッド] 以前君に言った、僕自身の言葉をも 覆すことになってしまうだろうから。 [リュール] 私に言った言葉…? [アルフレッド] 「普通の友として仲良くしていこう」という言葉だ。 [リュール] ま、待ってください。それって… やっぱり友達失格とでも言う気ですか? [アルフレッド] ………… [アルフレッド] …僕はフィレネ王国の第一王子だ。 いつまでも恐れに飲まれているわけにはいかないね。 [アルフレッド] 神竜様。 僕はもう、友という関係だけでは満足できない。 [アルフレッド] どうか僕を、君の… パートナーとして認めてくれないかい? [リュール] …! [アルフレッド] 君を特別扱いしない、そう約束したけれど… もう、とっくに…僕の特別な人になっているんだ。 [アルフレッド] その証として…これを持参した。 [リュール] …綺麗な刺繍ですね。 [アルフレッド] フィレネでは先祖の代から服や刺繍などを 受け継いでいく文化があるんだ。 [アルフレッド] これは、古くなった部分は継ぎ足され、 形を変えながら受け継がれてきた…王家の刺繍だ。 [アルフレッド] 大切な人に渡すように言われている。 この想いに応えてくれるのなら、受け取って欲しい。 [リュール] アルフレッド… [リュール] …ありがとうございます。 喜んでお受け取りします。 [アルフレッド] 神竜様…! ああ、本当にいいのかい…!? [リュール] はい。 私も、あなたのことを大切に思っています。 [リュール] 思えばあの日、神竜王城の回廊で出会った日から、 特別なものを感じていたのかもしれません。 [リュール] 私からはこれを。 手を出してください、アルフレッド。 [アルフレッド] 『約束の指輪』… [リュール] これからも共に旅をしましょう。 ずっと一緒に。 [アルフレッド] ありがとう、神竜 様… [アルフレッド] 特別になったのだから親愛の表現を躊躇う必要はないね。 大好きだ。君がいれば…僕は世界で一番、幸せだよ。