=== リュール & ボネ === --- C --- [ボネ] 神竜様の瞳の色… トマトのようで素晴らしいですね… [ボネ] ああ、こちらはまだ熟す前の 若いブルーベリーのようだ… [リュール] …それは私のことを 褒めてくれているのでしょうか。 [ボネ] もちろんです。 [ボネ] トマトもブルーベリーも、 大自然が生み出した美の一つ… [ボネ] 私は世界各国の料理に触れて育った料理人… いろいろなものを食材に例えてしまうのです。 [ボネ] ああ、なんて旨そうな色だ… [リュール] 料理や食材を知り尽くしたボネが言うなら、 きっととても誇らしいことなのですね。 [リュール] 褒めてくださって、 ありがとうございます。 [ボネ] とんでもありません。 [ボネ] 美しいトマトとブルーベリーの瞳を 見せていただき、ご馳走様でした… [リュール] ボネはすごいですね。 世界各国の料理を知ってるなんて。 [ボネ] この世界にはまだ… 私の知らない味がたくさんあります。 [ボネ] いつか全ての味を知り、 そこから新しい料理を生み出したいものです… [リュール] ボネの生み出す新しい料理、 私も楽しみです。 [ボネ] 美味い料理を作るためだったらなんでもします。 それが料理人というものですから… --- B --- [ボネ] ふむ…この香りは… [リュール] どうかしたのですか? [ボネ] 神竜様から、 私の知らない料理の香りが… [リュール] ああ、昼食を食べた時に、 少しだけ服にこぼしてしまったのです。 [リュール] 少量だから平気だと思っていたのですが、 すみません。すぐに着替えてきますね。 [ボネ] いえ、そのままで…もっと近くに。 お召し物の香りを確かめさせてください… [リュール] へっ!? [ボネ] はぁ…この香り… 恐らく私の知らない料理に違いありません。 [ボネ] 宜しければ少し舐めても? そうすれば、この料理の味を知ることができる… [リュール] な、舐める!? 服をですか!? それはちょっと…! [リュール] そうだ! 料理の味が気になるなら、 今日の食事当番に話を聞きに行きましょう。 [ボネ] そこまで待てません… 料理人として…今すぐに確認したいのです。 [リュール] えええ… [ボネ] 私は幼いころから料理とともに育ちました… 料理のことだけを考え、腕を磨いてきた… [ボネ] この道を極めたいのです… 神竜様も楽しみだと言ってくださったではないですか… [リュール] だからといって服に付いた料理を 舐めるのは駄目です! [リュール] ボネ。探究心は素晴らしいと思います。 でも…そのために奇行に走ってはいけません。 [リュール] 料理人には味を知ることよりも 大切なことがあると思いますよ。 [ボネ] 味よりも大切なこと…? [リュール] というわけで私は着替えてきますね! では!! [ボネ] 神竜様のお言葉… どういう意味だろうか… --- A --- [ボネ] 神竜様… この前は失礼いたしました。 [リュール] いえ、大丈夫ですよ。 おかげですぐに着替えられましたし。 [ボネ] あの時に仰った言葉… 料理に於いて、味よりも大切なことは何か… [ボネ] その答えを探し求めて、 私は修行に明け暮れました。 [リュール] 修行していたのですか!? [ボネ] はい… ずっと厨房にこもり、料理をしていました… [ボネ] 朝から晩まで… 神竜様のお召し物を思い浮かべながら… [リュール] …やっぱり一思いに 舐めてもらった方が良かったでしょうか。 [ボネ] それでも答えが出ず諦めようとした時… ふと思ったんです… [ボネ] あれこれ難しく悩むよりも… ただ、神竜様に美味しい料理を食べてもらいたい… [ボネ] その一心で料理を作ったら 驚くほど美味しい料理ができました。 [ボネ] 相手のことを考える気持ち…それが、 味を知るよりも大切なことだったのですね。 [リュール] ! はい、ボネ。 そうだと思います。 [リュール] 色んな味を知っても、その手段を選ばなければ 美味しくはならないのかなって。 [ボネ] 神竜様、嫌な思いをさせて… 申し訳ありませんでした。 [リュール] いいんです。 私も偉そうなことを言ってしまってすみません。 [リュール] 修行を成功させたボネは、 世界一の料理人になれると思いますよ。 [ボネ] ありがとうございます… [ボネ] 実はその時の料理を用意しているんです。 よろしければ、食べて行きませんか? [リュール] もちろんいただきます! とても楽しみです! --- S --- [ボネ] 神竜様…新作の料理ができました。 [ボネ] ぜひ試食してください。 感想をいただきたいのです… [リュール] とても美味しそうな料理ですね。 色合いも美しいです。 [ボネ] ここに添えられているトマトとベリーは その美しい瞳に着想を得ました… [ボネ] どうぞお召し上がりください。 [リュール] はい、いただきます。 [リュール] …! [リュール] こ、これは…! 美味しいです! 今まで食べたどの料理よりも…! [ボネ] そう言っていただけて嬉しいです。 神竜様のために作った渾身の料理なので… [ボネ] 神竜様を思うと、美味しい料理ができるのです。 また、あなたを思って作らせてください… [ボネ] …叶うなら、これからずっと。 [リュール] それって… [ボネ] 私は… 神竜様。あなたのパートナーになりたい。 [ボネ] …もし、この料理を気に入っていただけたら そう告げようと思っていました… [ボネ] しかし、迷惑であれば…この料理を思い出に、 これまで通り皆の料理人に戻ります… [リュール] ………… [リュール] …それは困りますね。 また私のために、美味しい料理を作ってほしいです。 [リュール] いえ…たとえ料理がなくとも、 あなたに傍にいてほしい。 [リュール] この『約束の指輪』を、ボネ。 [ボネ] …! ありがとうございます。 ああ、あなたのように美しい指輪だ… [リュール] これからは料理だけではなく、 私のこともたくさん知ってくださいね。 [ボネ] もちろんです。 神竜 様… [ボネ] こんなに甘く幸せな心持ちを…ありがとうございます。 あなたとの日々がどんな味で彩られるか、楽しみですね…