=== リュール & フォガート === --- C --- [リュール] フォガート。 自警団の活動お疲れ様です。 [フォガート] あははっ。 このぐらい朝飯前だよ。 [フォガート] 今日は人々の揉め事もなかったし、 異形兵だってほとんど現れなかった。 [フォガート] こんな日が毎日続いてくれればいいんだけどね。 [リュール] そうやって明るい笑顔で人々を守る姿が、 フォガートが慕われる秘密なんですね。 [リュール] 仲間として、あなたのことを頼もしく思います。 [フォガート] そんなおおげさな… 流石に照れちゃうよ。 [フォガート] あっ、でもさ。 そんなに褒めてくれるなら、二人で食事でもどう? [リュール] 食事? [フォガート] 神竜様と私的な会話もしてみたいんだよね。 そう! 好きな人のタイプとか! [リュール] そ、それはちょっと。 [フォガート] 人に言えない恥ずかしい願望でもいいよ。 [リュール] もっとダメです! [リュール] フォガートの明るい性格は素晴らしいですが、 その軽いところは問題アリだと思います。 [フォガート] 何事も気軽にいくのが一番だよ。 軽くない俺なんて俺じゃないだろ? [リュール] まあ、そうですね。 軽くないフォガートは、想像がつきません。 [リュール] そこがあなたの、 いいところなのかもしれませんね。 --- B --- [フォガート] ふぅ… 今日はこのぐらいにしておくかな… [リュール] 気軽にいくのが一番という割には、 鍛錬を頑張っているようですね。 [フォガート] 神竜様!? [リュール] その姿を見せれば、自警団の士気が もっと上がるのではないですか? [フォガート] それはできないよ。 今日見たことは忘れてくれ。 [リュール] あなたの性格はわかりますが、 鍛錬を恥ずかしいと思わなくてもいいですよ。 [フォガート] そうじゃないんだ。 恥ずかしいとかじゃなくて… [フォガート] 俺がお気楽で軽いから、 仲間たちは笑顔でいられるんだよ。 [リュール] え? [フォガート] 俺が必要以上に頑張ってたら、 知らないうちに重圧を与えることだってある。 [フォガート] 疲れた顔してたら、その空気が 仲間たちに伝わることだって… [フォガート] だから俺は、軽くて笑顔の姿しか見せない。 みんなを不安にさせないことが、俺の役割なんだ。 [リュール] …フォガートがそんな風に考えていたなんて。 ごめんなさい、誤解していました。 [リュール] あなたの言うとおり、 今日のことは忘れます。 [フォガート] ありがとう、神竜様! 助かるよ。 [リュール] あなたのことは影で見守ります。 これからも頑張ってくださいね。 --- A --- [リュール] フォガート。 今日も鍛錬お疲れ様です。 [フォガート] 神竜様…? [フォガート] この前見たことは忘れてって言ったはずだよ。 どうしてここにきたんだい? [リュール] すみません。 [リュール] あなたが人知れず努力を重ねていると思うと、 やはり気になってしまって。 [フォガート] ふふ。神竜様に気にかけてもらえただなんて 俺は幸せ者だね。 [リュール] フォガート。 私にも何か手助けをさせてください。 [フォガート] 手助け? でも、特に困っていることもないし… [リュール] では親睦を深めるために、 一緒に食事でもどうですか? [フォガート] 一緒に!! 食事!!? [リュール] はい。 [フォガート] ま、まさか神竜様の方から誘ってくれるなんて…! 嬉しい! 嬉しいけど、でも…! [フォガート] 今は、ごめんなさい!! [リュール] えっ! ふ、振られてしまいましたね… [フォガート] 違うんだ! 神竜様との食事は、 いつか俺が大活躍した日のご褒美にとっておきたい。 [フォガート] それぐらい価値のある事なんだ。 食事を励みに、全部頑張れるような気がするから。 [リュール] …わかりました。 期待に添えるよう、準備して待っていますね。 [フォガート] ありがとう。 俺、これからもみんなのために頑張るよ。 [フォガート] お気楽で軽ーい自警団の団長、 そして、ソルム王国の王子としてね。 --- S --- [リュール] とても美味しい料理でしたね、フォガート。 それに素敵なお店でした。 [フォガート] うん! 神竜様と食べる食事は格別だった。 大活躍した甲斐があったってもんだよ。 [リュール] 色々ありましたけど、 フォガートの願いを叶えられてよかったです。 [フォガート] ………… [フォガート] 俺の願いは食事だけじゃないんだけどね。 [リュール] 他にも願い事が? ああ、最初に言っていた恥ずかしい願望ですか? [フォガート] 違う! [フォガート] いや、違わなくもないけど、 俺のもう一つの願いは…その… [フォガート] …神竜様と、ずっと一緒にいることだ。 [リュール] え…! [フォガート] 俺は軽いって自覚があるけど、これは本気さ。 じゃないと食事を褒美に頑張ったりなんてできない。 [リュール] ぜ、全然、気づきませんでした。 そんなふうに思ってくれていただなんて。 [フォガート] 言うつもりはなかったんだ。 ずっと秘密にしようと思ってたのに。 [リュール] …フォガートは随分と秘密主義なんですね。 [リュール] もしかして、他にも秘密があるんじゃないですか? 私の他にも同じことを言ってたり… [フォガート] ええ!? な、ないない! 天に誓ってそのような人はいません! 本当です! [リュール] ふふ。嘘ですよ。 少し意地悪してみたくなっただけです。 [リュール] フォガートは軽そうに見えて、実は真面目で一途… そのことは、私がよくわかっています。 [リュール] だから、あなたにこれを。 [フォガート] 『約束の指輪』… 神竜様、これは!! [リュール] ずっと一緒にいるというあなたのお願い、 これで叶えてあげられます。 [リュール] 秘密主義だったのは私も同じ… フォガート、私もあなたと共にいたいと思っていました。 [フォガート] 本当に…!? 俺、すごく嬉しいよ。 [リュール] あなたの本当の姿、 これからも私だけに見せてくださいね。 [フォガート] うん…神竜 様! [フォガート] ありがとう。俺は世界一の幸せ者だね。 これからは君だけに、砂漠より大きな俺の愛を捧ぐよ!