=== リュール & アイビー === --- C --- [アイビー] ………… [リュール] アイビー。 私に何か用でしょうか? [アイビー] いいえ、神竜様… [アイビー] 用件がなければ 貴方の傍にいたらダメなのかしら? [リュール] そんなことはありませんが… [アイビー] そう。 なら、気にしないで。 [リュール] …き、気になりますよ。 そんなに怒った顔でじっと見られては… [アイビー] ………… [リュール] あの… イルシオン王国は邪竜を信仰していますよね。 [リュール] だから、私に対して抵抗がある気持ちは、 理解できるつもりです。 [アイビー] 貴方は私の気持ちなど何も理解できていないわ… [リュール] では、アイビーが何を考えているのか せめて話して欲しいです。 [リュール] そうすればお互いに 歩み寄ることもできると思います。 [アイビー] …そうね。 [アイビー] もう少し慣れたら話しましょう… でも、今はまだ無理よ。 [アイビー] だから、去るわ。 [アイビー] さよなら、私の神様… [リュール] …神様? --- B --- [アイビー] ………… [リュール] アイビー。 そろそろ話し合いませんか? [リュール] 私に対して思うことがあるのなら 遠慮せずに話してください。 [リュール] 私たちは仲間なのですから。 壁はできるだけ取り除きたいのです。 [アイビー] …わかったわ。 [アイビー] ようやく私も慣れてきたし… 頃合いね。 [リュール] よかったです。 [リュール] では、なぜ私に怒りを感じているのか その理由を教えて欲しいです。 [アイビー] …好き。 [リュール] へ!? [アイビー] 私は神竜様のことが好きよ。 ずっと前から。 [アイビー] とても尊敬しているわ… それが私の気持ち… [リュール] え? で、でも… 怒った顔で私のことを睨んでましたよね!? [アイビー] それはただ緊張していただけ… 私の神様を目の前にしてね… [リュール] そ、そうだったのですか? [アイビー] これで伝わったかしら、私の気持ち? [リュール] はい、あの… ありがとうございます。 [リュール] 私もアイビーのことを尊敬していますから。 [アイビー] ………… [アイビー] 恥ずかしくなってきたから… もう行ってもいいかしら。 [リュール] は、はい。 大丈夫です。 [リュール] それから、すみませんでした。 私はアイビーを誤解していたようですね。 [アイビー] …またね。 --- A --- [リュール] アイビーはどうして 私のことを神様と言うのですか? [アイビー] 私が一番、辛かった時… 頼った存在が神竜様だったからよ… [アイビー] 貴方は私の心の支え… まさしく神様だったわ… [リュール] 何か、つらいことがあったのですか? [アイビー] 私を取り巻く世界は… 幼少時から汚いものばかりだったから… [アイビー] 利己的な思惑が渦巻くイルシオン城内… 汚い裏工作や嫌がらせも日常茶飯事… [アイビー] 何より最悪なのが… [アイビー] そんな汚い渦の中心にいたのが… 私の母という事実… [リュール] …アイビーの… [アイビー] 汚い大人たちは…表では着飾り、笑顔を見せ、 裏では平気で蹴落とし合う…… [アイビー] …大嫌いだったわ。 あの空間も、あそこにいる連中も。 [アイビー] そんな時に私の心の支えになったのが… 神竜様よ… [リュール] どうして私だったんですか? [アイビー] 最初はただの反抗心だったわ… 皆が邪竜を信仰する中、秘密裏に神竜を信仰する… [アイビー] 些細な抵抗かもしれないけれど… その頃の私には大きな意味があったの… [アイビー] 神竜様を思えば思うほど… この人たちとは違うと意識できたから… [リュール] どんな形にせよ、 アイビーの力になれたのならよかったです。 [アイビー] め、目を見てそういうことを言われると… とても恥ずかしいわ… [アイビー] 貴方は私の神様なの… もう少し自重してもらいたいものね… [リュール] あはは。 わかりました、気をつけますね。 [アイビー] 神竜様… [アイビー] 今でも貴方は私の心の支えよ… ありがとう… --- S --- [アイビー] 神竜様… [アイビー] こんなところに呼び出して… 何を始めようというの? [リュール] すみません、アイビー。 大切な話をしたかったので。 [アイビー] 何もわざわざ… こんな人気のない場所へこなくても… [リュール] 他の人には聞かれたくなかったんですよ。 [アイビー] えっ… そ、そうなの… [アイビー] ………… [リュール] アイビー、大丈夫ですか? 突然、顔が赤くなりましたけど… [アイビー] わ、私は大丈夫よ… 大丈夫…… [アイビー] たとえこれからどんなことを言われようと… 涼しい顔で受け止めてみせるわ… [アイビー] さあ、きなさい… [リュール] わかりました。 では… [リュール] アイビー。 この指輪を受け取って頂けないでしょうか。 [アイビー] ! 約束の…指輪… [アイビー] 神竜が強く絆を深めたいと願う、 ただ一人にだけ…渡す指輪… [リュール] はい。その通りです。 [アイビー] その指輪を私に…? 本当に…本当なの? [リュール] 私はあなたと共に歩んでいきたいです。 これから先もずっと。 [リュール] パートナーになってください。アイビー。 [アイビー] …真っ直ぐなのね。 気持ちを伝える言葉も、方法も… [リュール] 神様だと言ってくれましたからね。 アイビーには正直でいたいんです。 [リュール] それに、あなただって真っ直ぐに… 私に好きと言ってくれたじゃないですか。 [アイビー] …そうだったわね。 [アイビー] 指輪…お受け取りします… [リュール] ありがとうございます。アイビー。 [アイビー] 私と貴方の特別な絆… 決して揺るがぬ力を感じるわ… [アイビー] とても嬉しい… ありがとう、神竜 様… [アイビー] 好きよ…誰よりも、いちばん貴方が好き… 今までも、これからも、貴方は私の神様だわ…