=== リュール & ジェーデ === --- C --- [リュール] ジェーデ! 無事ですか!? [ジェーデ] 神竜様… [リュール] ジェーデが何者かに襲われていると聞いて 急いで駆けつけたんですが… [ジェーデ] そのことなら大丈夫です。 私を襲ってきた賊はすべて退散しましたから。 [リュール] どうしてジェーデが襲われたのですか? [ジェーデ] 犯人たちの正体はわかっています… [ジェーデ] 私が故郷で鉱山の用心棒をしていたときに 返り討ちにした者たちです。 [ジェーデ] その時の恨みを晴らそうと ここまでやってきたのでしょう。 [リュール] そんな過去の恨みを今さら… [ジェーデ] 『鉄壁のジェーデ』と異名がつくくらいの 功績は残していますので… [ジェーデ] その分、恨みも深いのかと。 [ジェーデ] ですが、何度襲われようと大丈夫です。 私の敵ではありません。 [リュール] ジェーデの力はわかっていますが、 それでも心配です。 [リュール] いつでも私を頼ってくださいね。 できることはなんでもしますから。 [ジェーデ] もったいないお言葉です、神竜様。 --- B --- [リュール] いい天気ですね、ジェーデ。 [ジェーデ] はい。神竜様。 [リュール] そうだ。昨日の夕日は見ましたか? とても綺麗でしたよ。 [ジェーデ] そうですね… [リュール] ………… [ジェーデ] ………… [ジェーデ] あの、神竜様。 ここのところ、ずっと私のそばにいますね。 [リュール] ご迷惑でしたか? [ジェーデ] なぜ神竜様がそんなことをしているのか、 見当はついています。 [ジェーデ] 私が用心棒時代に作った敵… その襲撃に備えてくださっているのですね? [リュール] やはりお見通しでしたか。 [ジェーデ] お気持ちは嬉しいですが… 私は一人でも対処できます。 [ジェーデ] こんなことで神竜様の時間を奪いたくありません。 どうぞお好きに過ごしてください… [リュール] そうですね。 では、好きに過ごすとします。 [リュール] ジェーデの横でのんびりと。 [ジェーデ] ………… [リュール] ジェーデが強いことは知っています。 [リュール] ですが、力になりたいという 私の気持ちも理解してくれると嬉しいです。 [ジェーデ] …はい、神竜様。 --- A --- [ジェーデ] ………… [リュール] ジェーデ! 無事ですか! [ジェーデ] はい、神竜様… ただいま戻りました。 [リュール] 怪我はしていないようですね。よかった… もう二度と、こんなことはしないでください。 [リュール] たった一人で ジェーデを恨んでいる敵の本拠地に向かうなんて! [ジェーデ] 多少の危険はあっても 決着をつける必要があったのです… [ジェーデ] そうでもしないと いつまでも襲撃が続いていたでしょうから… [リュール] ………… [ジェーデ] もう大丈夫です… 賊はすべて倒し、兵に引き渡してきました。 [ジェーデ] 徹底的にこらしめてきたので しばらくは襲う気さえ起こらないはず… [ジェーデ] 神竜様も私を見守らなくてよくなりました… 今まで本当にありがとうございました。 [リュール] …ジェーデはそうやって、 すべてを一人で片付けてしまうんですね。 [リュール] 少し悲しいです。 私を頼って欲しかった。 [ジェーデ] …私の過去の因縁に 神竜様を巻き込むことはできません。 [リュール] 巻き込んでいいんです。 私とジェーデは、仲間なんですから。 [ジェーデ] 仲間… [ジェーデ] ………… [リュール] どうしたんですか? [ジェーデ] 笑っているんです、これでも。 すごく嬉しくて… [ジェーデ] 感情を顔に出すのが得意ではないので 伝わらないかもしれませんが… [ジェーデ] 心配かけてごめんなさい。 ありがとうございます、神竜様。 [リュール] …はい、ジェーデ。 --- S --- [リュール] ジェーデのお父様は宝石の鑑定士で お母様は宝飾品を作る職人なのですよね? [ジェーデ] はい、神竜様… [ジェーデ] 資源が豊かな鉱山の町に住んでいたので 住民の多くは宝石に関連のある仕事をしていました。 [ジェーデ] 私も母の手伝いをしていたこともありましたが… 手先が器用ではなかったので。 [ジェーデ] 結局、鉱山を守る用心棒に落ち着きました。 [リュール] でも、ジェーデは幼い頃から 宝石や宝飾品に触れてきたということですよね。 [ジェーデ] まあ…他の者よりは詳しいと思います。 [リュール] では、これを見て欲しいのですが… [ジェーデ] …『約束の指輪』ですね。 [ジェーデ] ………… [ジェーデ] 確かに普通の宝飾品にはない 不思議な力強さを感じることができます。 [リュール] やはりそうですか。 [リュール] では、その指輪はそのまま ジェーデに持っていて欲しいです。 [ジェーデ] そ、それはどういう… [リュール] そのままの意味ですよ。 私はあなたと強い絆を結びたいです。 [リュール] 特別なんです、ジェーデのこと。だから… もう一人で戦おうとしないでください。 [リュール] 受け取っていただけませんか? [ジェーデ] ………… [リュール] ジェーデは感情を顔に出すのが苦手でしたね。 [リュール] ですが、私にはわかりますよ。 ジェーデが今、どんな気持ちなのかが。 [ジェーデ] …はい。 [ジェーデ] 私は嬉しくて… とてもとても幸せです。 [ジェーデ] 指輪… ありがとうございます。 [リュール] これからも共に歩み続けてくれますね? [ジェーデ] もちろんです、 神竜 様。 [ジェーデ] 共にいましょう。永遠に… 私たちを結ぶこの絆は、決して砕けぬ鉱石のように固く…