=== リュール & ジャン === --- C --- [リュール] ジャン、何をしているのですか? [ジャン] 薬草を摘んでるんです。 ほら、見てください。 [リュール] たくさん採れたのですね。 [ジャン] これは痛み止めの効果がある薬草、 こっちは傷薬になる薬草です。 [ジャン] 元々、故郷の島の原産なんですが、 最近はめっきり採れへんくなってしもて… [ジャン] ここで摘んでお父さんに送ろうと 思ってるんですわ。 [リュール] 診療所も、島の皆さんも助かるでしょうね。 [リュール] 一人では大変でしょう。 私も手伝います。 [ジャン] いえ、そんな! 大丈夫です。神竜様はお疲れでしょうし。 [リュール] 疲れているのはお互い様ですよ。 [リュール] ジャンこそ、医者のお勉強と戦いで、 寝る暇もないぐらい多忙だと思いますけど? [ジャン] あはは、さすが神竜様やな。 全てお見通しっちゅうわけですね。 [リュール] はい、何もかもです。 [ジャン] ほなお願いしていいですか? おおきに、助かります。 --- B --- [リュール] 今日も薬草を摘んでいたのですね。 [ジャン] これがあるとないとでは、 島で治療できる怪我や病気が違ってきますんや。 [ジャン] 今日の薬草は、 お父さんとよく一緒に摘んだやつやなあ… [リュール] 島ではあまり話せませんでしたが、 ジャンのお父様はどんな方なのですか? [ジャン] 勉強でも、手伝いでも、うまくできたときは 子犬を褒めるみたいに全力で褒めてくれます。 [ジャン] せやけど、悪いことしたらすごく怒られるんや。 子犬でも叱りつけるような感じで。 [リュール] どっちにしても、子犬なんですね。 [ジャン] あはは、言われてみれば。 [ジャン] そんなお父さんやったんで、 好きな日もあれば嫌いな日もありました… [ジャン] でもこうして離れてみると、 お母さんも含めて、親の有難みに気づかされます。 [ジャン] 近くにいるときは気づかへんかったけど、 両親に対する尊敬の念でいっぱいで… [ジャン] 今、こうして頑張れてるのも、 二人のおかげなんやなってよく思うんです。 [リュール] ううっ…素敵です… [ジャン] ええ!? 神竜様、泣いたはるんですか!? [リュール] 素敵な親子だなと思って聞いているうちに、 ジーンときてしまって… [ジャン] 優しいんですね、神竜様… [ジャン] せや、この薬草を差し上げます。 目の腫れに効くんですよ。 [リュール] ふふっ、ありがとうございます。 --- A --- [リュール] ジャン、これをどうぞ。 [ジャン] 薬草…? しかも、かなりの量や。 [リュール] 森に密生している場所があったので、 摘んできました。 [ジャン] そんな…おおきに。わざわざすみません… これだけあれば、島も大助かりです。 [リュール] この間、ジャンのご両親の話を聞いて思ったんです。 もっとあなたたち親子の力になりたいと。 [ジャン] 神竜様… [ジャン] …あれ? その手、どうされたんです? 擦り傷が… [リュール] ああ、薬草の密生地を見つけたときに、 崖から足を滑らせてしまって。 [ジャン] 大変や… そこに座ってください、すぐ治療します。 [リュール] 大丈夫ですよ、これぐらい… [ジャン] 傷を甘く見たらあかん。 治させてください…! [リュール] わかりました。 では、よろしくお願いします。 [ジャン] ………… [ジャン] …島を出て、神竜様についてきて、 良かったと思います。 [リュール] え…? [ジャン] 神竜様は優しい御人や。せやけど… 自分を後回しにして無茶もしてしまう。 [ジャン] やから、自分が傍にいて、 どんな無茶しても大丈夫なようにします。 [ジャン] 神竜様からいただいた思いやりや優しさ、 何倍にもしてお返ししたいんや。 [リュール] ジャン… [ジャン] はい。治療が終わりましたよ。 これやったらすぐ治ると思います。 [リュール] ありがとうございます! 私も…あなたが来てくれて良かったです、ジャン。 --- S --- [リュール] 今日もたくさん摘めましたね。 [ジャン] おかげさまで。 神竜様は疲れてませんか? [リュール] ジャンといると楽しくて、 疲れなんて感じませんよ。 [ジャン] あ…神竜様、また怪我したはる。 [リュール] ああ、この前の戦闘で。 仲間が危なくてつい庇ってしまいました。 [リュール] すぐに回復してもらったんですが… 少し痣になっていますね。 [ジャン] これを使ってください。 この前の薬草で作った傷薬です。 [ジャン] 傷跡を消す効果が高いので、よく塗って… 乾くまで、少し待ってください。 [リュール] ありがとうございます。 [ジャン] 神竜様。怪我をした時は…いえ、 危険な時には、いつでも自分を呼んでください。 [ジャン] 自分は何があっても神竜様を守る… あなたを支えられるような人になりたいんや。 [リュール] ジャン… [リュール] それでしたら、もうなっていますよ。 [ジャン] え…? [リュール] ジャン。私はあなたを思うと、 強い気持ちでいられるんです。 [リュール] よかったら… この『約束の指輪』を受け取ってもらえますか? [ジャン] !! あ、あかんよ…! こんな大切なもの、もっと相応しい人に…! [リュール] 何を言ってるんですか、ジャン以外にいません。 私を支えてくれるんでしょう? [ジャン] ………… わかりました。 [ジャン] ありがとうございます。 これからはパートナーとして、あなたのこと支えます。 [リュール] よろしくお願いしますね。 [ジャン] そうと決まれば、今日から頑張って たくましい体作りをせなあかんな。 [ジャン] いつまでも子供やったら、 神竜様を守られへん。 [リュール] ゆっくりで大丈夫ですよ。早く大きくなってしまうと、 置いて行かれてしまうようで寂しいです。 [ジャン] わかりました。 神竜 様… [ジャン] 自分をお傍に置いてくれて、ほんまにおおきに。 ゆっくり成長して、立派なパートナーになってみせます。