=== リュール & カゲツ === --- C --- [カゲツ] 神竜殿、神竜殿! [カゲツ] 神竜殿は竜族なんじゃよな。 竜族とは人間とどう違うのじゃ? [リュール] 人間よりも長寿だったり、 身体能力にすぐれていたりですかね。 [リュール] 見かけは殆ど人間と変わりませんよ。 [カゲツ] そうか! 神竜殿は千年もの間 ソラネルで眠っておったそうじゃが… [カゲツ] 何を切っ掛けに目覚めたのじゃ? まさか寝飽きたというわけではあるまい。 [リュール] それは… よくわからないんです… [カゲツ] では、眠る前は何をしていたんじゃ? [リュール] ごめんなさい。 目覚める前のことはあまり覚えてなくて… [カゲツ] むぅ…それは残念じゃの。 [リュール] カゲツはどうしてそんなに 私のことを知りたがるのですか? [カゲツ] そんなの決まっておろう。 余と神竜殿は友達だからじゃ! [リュール] 友達? [カゲツ] 一度言葉を交わしたら友達じゃ。 友達のことを知りたいと思うのは当然じゃろ? [カゲツ] それとも… 余と友達になるのは嫌なのか? [リュール] そんなことはありません! [カゲツ] 良かったのじゃ! 余は神竜殿のことを もっと知って、もっと仲良くなりたいのじゃ! [リュール] この分だと、 質問攻めはまだまだ終わりそうにありませんね… --- B --- [カゲツ] 神竜殿は髪の毛の色も特徴的じゃ。 竜族では一般的な髪型なのか? [リュール] どうなのでしょう。 他の竜族のことはあまり詳しくないので… [カゲツ] ふむ。竜族には不思議がいっぱいじゃな。 [リュール] たくさん質問してくれているのに、 あまり答えられなくてすみません。 [カゲツ] 余は神竜殿と話しているだけで楽しいぞ! [カゲツ] 余の故郷では神竜や邪竜ではなく、 東洋竜を信仰していてのう。 [カゲツ] 神竜殿の存在そのものが興味深いのじゃ。 [リュール] 東洋竜を? それは初めて聞きました。 [リュール] 私もカゲツの話を聞きたいです。 カゲツの故郷はどんな場所なのですか? [カゲツ] …余の故郷は、一応ソルム王国内に位置しているが 他の地域と交流の少ない辺境の地でな。 [カゲツ] 華やかな独自文化を持っているものの、 少し閉鎖的な場所なのじゃ。 [リュール] カゲツを見れば、華やかな雰囲気は伝わります。 閉鎖的なのは独自文化を守るためなのではないですか? [カゲツ] それにしても自由がなさすぎなのじゃ! [カゲツ] 余はこう見えて、高位貴族の出じゃ。 家督を継ぐために勉学や特訓に励む日々… [カゲツ] 外の世界を見ることなく家のために学び続ける。 余にとっては辛い場所じゃった。 [リュール] でも今は、私たちと一緒にいて活躍しています。 しかもカゲツは王城兵なのですよ。 [リュール] カゲツが外の世界で活躍していることは、 ご家族も自慢に思っているはずです。 [カゲツ] …どうじゃろうな… [カゲツ] 神竜殿、他に聞きたいことはないか? このさい、質疑応答に興じるとしよう! [リュール] いいですね。 たくさん質問しますから、覚悟してください! --- A --- [リュール] カゲツ。この前はたくさん話をしてくれて、 ありがとうございました。 [カゲツ] それは余の台詞じゃ! おかげで神竜殿との距離がグッと縮まったのう! [カゲツ] じゃが…実を言うと、余の故郷のことは 神竜殿には知ってほしくなかったのじゃ。 [リュール] どうしてですか? [カゲツ] 神竜殿は、故郷の家族が余のことを 自慢に思っていると言ってくれたじゃろう? [リュール] はい。 [カゲツ] その言葉、嬉しかった。 しかし絶対にあり得ぬのじゃ。 [カゲツ] 余は世界を見るために家督を継ぐのを放棄し、 手紙だけを残して故郷を飛び出してきた。 [カゲツ] 家族は、余のことを自慢に思うどころか、 恨んでいるに違いないのじゃよ。 [カゲツ] 恨むどころか… 余のことなど忘れてるかもしれぬな。 [リュール] …カゲツ。 ………… [リュール] それなら、もっと頑張りましょう!! [カゲツ] へ? [リュール] 故郷の家族に誇れるように、 今からもっと活躍すればいいんです! [リュール] カゲツの活躍が知れ渡れば、 閉鎖的な地域だろうときっと噂が広まるはずですから。 [リュール] 忘れられているなら、思い出してもらえばいい… 私も友達として協力します。共に頑張りましょう。 [カゲツ] 神竜殿… [カゲツ] 余は一度会えば友達だと、軽く考えておったが… もっと大切なものだったのじゃな。 [リュール] はい。相手のために力になれる存在。 それこそが友達なのですから。 [カゲツ] ふふ! そうかそうか! ならば、余と神竜殿は親友じゃな!! [リュール] 親友? [カゲツ] 友達を極めると、親友になるのじゃ! 余は神竜殿のことが大好きということじゃ! [リュール] 私もですよ、カゲツ。 [カゲツ] ありがとう、神竜殿!! 余は故郷に噂が届くほど活躍してみせよう! --- S --- [カゲツ] ………… [リュール] カゲツ。 ぼんやりして、どうかしたのですか? [カゲツ] 神竜殿、余は…もう… 神竜殿と親友ではいられぬ… [リュール] え…! どうしてです? 私が何かしたのなら謝ります! [カゲツ] 違うのじゃ… これは、余が悪いのじゃ。 [カゲツ] この前、神竜殿は新たな指輪を手に入れたじゃろう。 ぱーとなーに渡す『約束の指輪』とやらを。 [カゲツ] でも、余はそれを喜べなかった。 嫉妬してしまったのじゃ…それを渡される者に。 [カゲツ] 指輪を渡された者は「ぱーとなー」となる。 ぱーとなーは、一番大事じゃ。親友よりも。 [カゲツ] 余ではない誰かが一番になるなど、耐えられぬ。 神竜殿の一番には、余がなりたいのに…! [リュール] ! [カゲツ] だから、こんな気持ちではもう… 親友ではいられないのじゃ。 [リュール] カゲツ… [リュール] …バカですね、カゲツは。 [カゲツ] な、なんじゃと!! 余は真剣に!! [リュール] そんなこと思わなくても、私は… これをあなたに渡すつもりでいたのに。 [カゲツ] これは…『約束の指輪』!? なぜじゃ…!! [リュール] 私もカゲツと同じ気持ちだということですよ。 あなたの一番には、私がなりたい。 [カゲツ] そ、それは本当か!? [リュール] 親友以上の大切な人に、 嘘なんて付きませんよ。 [カゲツ] そ、そうか…! そうか!! まさか、相思相愛じゃったとは… [カゲツ] ははは! 余は嬉しいのじゃ!! 幸福絶頂じゃ! ありがとう、神竜殿! [リュール] 私も嬉しいです。ありがとう、カゲツ…! [カゲツ] 友達から親友へ、親友からぱーとなーへ。 余たちは特別な仲となる運命だったのじゃな! [リュール] この次は、家族でしょうか? いつか私を、カゲツの家族に紹介してくださいね。 [カゲツ] そうじゃな。それまでに、胸を張って 故郷に帰れるほどの活躍をするのじゃ。 [カゲツ] 見ておれよ、神竜 殿…! [カゲツ] 余はそなたがだーい好きじゃ! ぱーとなーとして、 円満具足の幸せをもたらし、最後まで添い遂げようぞ!