=== リュール & パンドロ === --- C --- [パンドロ] いいところに来てくださいました。 神竜様に頼みがあるんです。 [リュール] 頼み? [パンドロ] 今度、オレが主催する食事会があるのですが… 来賓として参加していただきたいのです。 [パンドロ] 教会に集まる人々にとって、 神竜様は神様… [パンドロ] 来賓として参加していただけたら、 皆の励みになると思うのです。 [リュール] 食事会…ですか。 具体的にはどんな会なのでしょう。 [パンドロ] 畏まった形ではなく、 歌ったり踊ったりして楽しく過ごします。 [パンドロ] 神竜様もご自由に楽しんでいただき、 参加者の話に耳を傾けてくださればと。 [リュール] 楽しそうですね。でも、私が話を聞くだけで、 皆さんの励みになるのでしょうか。 [パンドロ] な、何を仰いますやら…! 励みになりまくりますとも! [パンドロ] 現にオレなんて、初めてお姿を生で拝見した際は もう感激のあまりお光が見えたほどです!! [リュール] はあ、光が… [パンドロ] …コホン。取り乱しました。失礼。 [パンドロ] 急なお誘いですので、 すぐには返事をいただけなくても大丈夫です。 [パンドロ] ただ、主催するからには、 必ず記憶に残る食事会にしてみせますので。 [リュール] わかりました。 検討してみますね。 [パンドロ] 光栄です、神竜様。 --- B --- [リュール] パンドロ…すみません。 悩んだのですが、食事会は遠慮しておきます。 [パンドロ] 予定が合わないのであれば仕方ありません。 また、次の機会にでも。 [リュール] いえ… 予定の問題ではないんです。 [パンドロ] では、なぜ…? [リュール] パンドロは私を信仰対象と言ってくれますが、 私が直接何かしたわけではありませんので… [リュール] 皆さんとお話をしたら、がっかりさせてしまうかも しれないと思ったんです。 [パンドロ] 神竜様を悩ませてしまったのですね。 ですが、そんなことは杞憂です。 [パンドロ] 現にオレは幼いころ、 あなたに救われましたので。 [リュール] パンドロが…私に? でも、私はずっと眠っていて… [パンドロ] 両親は聖職者とは言えないような人間でした。 オレと妹を捨てて、どこかへ消えてしまったんです。 [パンドロ] それでもオレが立ち直れたのは、 教会で、司祭様から秘密のお話を聞いたから… [パンドロ] 「聖地ソラネルには眠り続ける神竜の御子がいる」 「御子はいつか目覚め、世界を救うのだ」と。 [リュール] …! [パンドロ] 今辛いことがあっても、いつかは救われる。 オレはそれを励みにしてきたんです。 [パンドロ] この話は嘘か誠か不確かなものでした…けれど、 敬虔な信者たちは皆、信じていた。 [パンドロ] あなたの姿だけで、その話が本当だとわかるのです。 神竜様が皆を失望させることなど絶対にありません。 [リュール] …わかりました。 [リュール] パンドロがそこまで言ってくれるのなら、 食事会に参加させてください。 [パンドロ] ありがとうございます…! 皆、喜びます。 --- A --- [パンドロ] なんだか不思議な気分です… [パンドロ] 幼い頃から信じていた神竜様と、 こうして食事会に参加できたなんて。 [リュール] 参加した方たちも、楽しそうで安心しました。 [パンドロ] きっと勇気をもらったと思います。 今日は本当にありがとうございました。 [リュール] 感謝するのはこちらの方です。 大勢の人たちに応援されて、とても嬉しかった… [リュール] なんだかこちらの方が 勇気をもらってしまった気分です。 [パンドロ] オレの言った通り、神竜様に失望する人なんて 一人もいなかったでしょう。 [リュール] はい。せっかくのお誘いを 断ろうとした自分が恥ずかしいです。 [リュール] みんなのためにも、 もっと頑張らないといけませんね。 [パンドロ] 神竜様がそう思ってくださるなら、 必ず実現できるはずですよ。 [パンドロ] オレも微力ながら力を貸します。 皆で生きて…世界を平和に導きましょう。 [リュール] そうだ、一つ聞いてもいいですか? [パンドロ] なんでしょう? [リュール] 「うぇーい!」とは、なんですか? 皆さん、私には言ってくれませんでしたが… [パンドロ] あ、あれは… [パンドロ] …神竜様にはとても気軽にかけられない、 簡略化されすぎた挨拶です。 [パンドロ] すぐに記憶より消してください。 [リュール] うぇーい! わかったー! [パンドロ] 神竜様! [リュール] あはは。楽しいですね、これ! --- S --- [リュール] うぇーい! お待たせ、パンドロ! [パンドロ] 神竜様! 気に入らないでください、その挨拶を! [リュール] …すみません、つい。 [リュール] それで、私に用事とは何でしょうか。 [パンドロ] …今日は神竜様に、 お話したいことがあるんです。 [パンドロ] ………… [パンドロ] 神竜 様… オレはあなたのことを特別に想っています。 [リュール] え…!? な、なんですか、いきなり。 [パンドロ] いきなりではありません。 ずっと想っていました。 [パンドロ] 不敬であることはわかっています。 神聖なあなたにこのような想いを抱くなんて。 [パンドロ] けれど、聖職者としてこれ以上、 隠し通したまま生きることはできませんでした。 [パンドロ] お返事は要りません。神竜様が… 一介の聖職者と契ることなど、あり得ませんから。 [パンドロ] 身勝手な想いを聞いてくださり、 ありがとうございました。では… [リュール] 待ってください。 [パンドロ] え…? [リュール] 神竜が聖職者と契ってはいけないと… そんなこと、誰が決めたのですか。 [パンドロ] そ、それは… [リュール] パンドロ…私はあなたのおかげで、 大切なことに気づかされました。 [リュール] 私が人々にどう思われ、 どのように影響を与えていたのかを。 [リュール] あなたがいなければ… 私は孤独だったかもしれません。 [リュール] 私もあなたを、大切に想っているんです。 この想いは、許されないことなのですか? [パンドロ] …神竜様… [パンドロ] いいえ、あなたの想いが許されないなんて、 そんなことは… [リュール] なら、『約束の指輪』を受け取ってください。 私のパートナーとして。 [パンドロ] ………… [パンドロ] …オレなんかで宜しければ。 [リュール] ありがとうございます。パンドロ。 [パンドロ] 光が差してきましたね… [リュール] もしかしたら母さんが、 祝福してくれているのかもしれません。 [パンドロ] ルミエル様が…? [リュール] 互いを想い合うのに、 許されないことなんてないんですよ、きっと。 [リュール] これからは共にいましょう。 いつまでも。 [パンドロ] はい。 [パンドロ] お慕いしています。神竜様。オレは幸せです… この先、何があっても…この手をずっと離しません。