=== リュール & パネトネ === --- C --- [パネトネ] はぁぁぁーーーっ! [リュール] すごい威力ですね…! [パネトネ] 手刀でこれぐらいの力が出せれば、 接近戦で負けることは一切ございませんです。 [パネトネ] しかし、驚きましたでございますです。 神竜様がわたくしから喧嘩を習いたいとは… [パネトネ] 誰か打ち負かしたい相手が いるでございますですか? [リュール] いいえ、そういうわけではないんです。 [リュール] 戦いの中では、武器を失ったり、 不意を突いて襲われることもあるでしょう。 [リュール] そういうときに接近戦を学んでおけば、 咄嗟の事態に対応できると考えたんです。 [パネトネ] なるほど。 神竜様は御勉強熱心でございますね。 [パネトネ] そういうことであれば、徹底的に 喧嘩の御作法をお教えするでございますですわ。 [パネトネ] 相手に負けない心の鍛え方、 敵を睨んで怯ませる方法… [パネトネ] 学ぶことはたくさんあるですます。 [リュール] なるほど…興味深いですね。 ぜひ、よろしくお願いします! [パネトネ] 必ずや神竜様を強くしてみせます! さっそく特訓でございますですわ! --- B --- [パネトネ] 喧嘩は先手必勝。敵の攻撃を受ける前に こちらが攻撃をすれば勝てるでございますです。 [パネトネ] そのために必要なのはこれです! 御瞬発力! [リュール] 御瞬発力… [パネトネ] 相手に先手を取られた場合でも、 これさえあれば攻撃を避けられるでございますですわ。 [リュール] なるほど。 ………… [パネトネ] 神竜様? 何か疑問がありますですか? [リュール] パネトネは貴族の令嬢のようなのに、 喧嘩が得意なのは意外だと思いまして。 [パネトネ] …ま、隠す必要もありませんですわね。 わたくしは御貴族様ではございません。 [パネトネ] それどころか、昔、めっちゃくちゃに 荒れていたでございますです。 [リュール] えっ! [パネトネ] わたくしの両親は最低最悪でございました。 実の子の世話すらせず、遊び歩いてばかり。 [パネトネ] 主君である姫様に勧誘されるまでは、 ほぼ一人で生きてまいりましたです。 [パネトネ] 喧嘩の腕はその頃、 身につけたのでございますですわ。 [リュール] …苦労が多かったのですね。 [パネトネ] 今考えれば逃げだったのかもしれませんが 家出したおかげで今がありますですわ。 [リュール] パネトネの昔話、もっと聞かせてください。 [リュール] その時の経験や知識はきっと、 役に立つものばかりだと思います。 [パネトネ] そう言っていただけるなんて 嬉しいですます。 [パネトネ] 過去の苦労が神竜様の御助けになるなら、 いくらでもお教えいたしますですわ! --- A --- [パネトネ] やっぱり… 簡単には見つからないか… [リュール] パネトネ。こんな夜に… いったい何をしているんですか? [パネトネ] 神竜様!? [リュール] その書簡は、何かの報告書ですか? [パネトネ] ソルムの密偵に調査を依頼して… 両親を探していたでございますです。 [パネトネ] …まあ、色好い御返事はありませんでしたけれど。 [リュール] ご両親を? でも、ひどい方たちだったのでは… [パネトネ] 神竜様と話していて 未だに心残りがあると気づいたのですわ。 [パネトネ] 今のわたくしなら、もしかしたら… 逃げずに、怒らずに、御話ができるかもしれません。 [パネトネ] どこかで生きているなら、 会って話がしてみたいと思ったですます。 [リュール] 向き合える勇気が持てたということですね。 それは…とても立派なことです。 [リュール] パネトネ、私もご両親を探すのを手伝います。 [パネトネ] い、いえ…神竜様にそこまでしていただくのは 申し訳ないですます! [リュール] 稽古を付けてもらいましたから、 これはほんのお礼です。 [リュール] それに、パネトネとはもう何度も、 危険な戦場を潜り抜けてきたんです。 [リュール] 私も…ここにいる皆も、もう他人ではありません。 遠慮なんてしないでください。 [パネトネ] …ありがとうございます。 とっても嬉しいでございますです… [パネトネ] たとえ両親は見つからなくとも… わたくしには皆さんがいる。 [パネトネ] それだけで、強い気持ちでいられますですわ。 --- S --- [リュール] 今日も良い報告は無し…ですか。 次こそは見つかるといいのですが。 [パネトネ] …神竜様。 もう両親を探すのはやめにしますです。 [リュール] え? でも… [パネトネ] 残念ですが、これだけ探したんです。 後悔はないですます。 [パネトネ] 神竜様、今までありがとうございました。 すっかり御付き合いさせてしまいましたですね。 [パネトネ] 一緒に両親を探した時間、楽しかったです。 出来ればこの先も…ずっと御一緒したいぐらい。 [リュール] …パネトネが望むなら、 ずっと傍にいますよ。 [パネトネ] え…? [リュール] 私はもう他人ではないと言いましたが、 本当は…あの時から特別になりたかったんです。 [リュール] これを受け取ってくれませんか。 [パネトネ] それは…『約束の指輪』… [リュール] 大切だと思う相手に贈る指輪です。 受け取ってくれますか。 [パネトネ] 神竜様… それは…ダメでございますです… [パネトネ] わたくしの両親は昔は仲良しだったんです。 でも、いつしか険悪になっていった… [パネトネ] 人の気持ちは変わるものです。 だから… [リュール] あなたの過去を考えれば、 そう思ってしまう気持ちもわかります。 [リュール] ですが、恐れていては何も始まりません。 もちろん喧嘩だってするかもしれませんが… [リュール] その時はパネトネの攻撃を全部避けて、 話し合いで解決したいと思います。 [パネトネ] ふふっ。 神竜様、面白いでございますですね。 [パネトネ] 確かに御瞬発力が大切だと言いましたが、 わたくしの攻撃は簡単には避けられませんです。 [リュール] 必ず避けてみせます。 だから、受け取ってください。 [パネトネ] …はい。 [パネトネ] 神竜 様、これからも ずっと一緒にいてくださいね。 [リュール] もちろんです。 私たちはもう、パートナーなのですから。 [パネトネ] 頼もしいですわね。 [パネトネ] 本気で喧嘩できる人も、ずっと傍にいたいと思う人も… あなた以外には考えられません。お慕いしてますですわ。