=== リュール & ロサード === --- C --- [リュール] ロサード。 [ロサード] あっ! 神竜様! オレの絵、見てくれましたー? [リュール] はい。森の奥深くにある枯れた井戸… 一筋の陽光が差し、そこに咲く一輪の花… [リュール] 温かさと荘厳な雰囲気が合わさった とても見ごたえのある絵でしたよ。 [ロサード] でしょー! 見栄えばっちりでしたよねー!? [ロサード] あの風景を探すのに 何時間も森をさまよったんですからー! [ロサード] でも、そんなにほめてくださるなら 苦労してよかったー。 [リュール] 見栄えのいい風景を描き、 それをここにいる仲間たちに見てもらう… [リュール] ロサードの趣味は素敵ですね。 次の作品も楽しみですよ。 [ロサード] ほんとですか? 嬉しいなー。 [ロサード] そんなに期待されちゃったら 次はもっとすごいのを描いてこないとー! [ロサード] そうだ。神竜様も手伝ってくれませんか? 今度、狙ってる風景が険しい場所にあって… [ロサード] 一人だと少し難しいかもー… [リュール] もちろん協力しますよ。 [ロサード] やったー! ありがとうございます、神竜様! --- B --- [リュール] はぁ…はぁ… [ロサード] 神竜様、お水をどうぞー。 [リュール] あ、ありがとうございます… ロサード… [リュール] ふぅ… [リュール] 大分、遠くまできたと思いますが… 目的の被写体はまだ見つかりませんか? [ロサード] もう少しだと思うんですけどねー。 町で聞いた噂を信じるなら。 [リュール] う、噂なんですか? 確たる情報があったわけではなく? [ロサード] はい。 そうですよー。 [ロサード] 噂程度の情報にでさえ 賭けてみる価値がある風景… [ロサード] それなら、行くしかないですよね。 オレに迷いはないですよー! [リュール] そ、そこまでの熱意が… ロサードはすごいですね。 [ロサード] はい。 オレはみんなの「いいね」が欲しいんですー! [リュール] いいね、ですか? [ロサード] そうです! オレが頑張ったこととか、 綺麗だなと思ったものに対する共感… [ロサード] それいいね、かわいいね、って言ってもらうと オレの嬉しさとやる気が上がるんですよー! [リュール] なるほど…確かに、良いと思ったものを 他の人にもわかってもらえると嬉しいです。 [ロサード] さ、目的地はもうすぐですよー! ついてきてください、神竜様! [ロサード] 共感もいいですが、そこに至るまでの道は オレたちだけの経験ですから、楽しまなきゃー! [リュール] はい、ロサード! --- A --- [リュール] すごいですね、ロサード。 この前あなたが描いた風景画… [リュール] 食堂に飾ってあるのを見ましたが、 ソラネルのみんなが見入っていましたよ。 [ロサード] 良かったです。 二人で苦労した甲斐がありましたねー。 [リュール] はい、目的地につくまでに 川で溺れそうになりましたね。 [リュール] それから、オオカミの群れに追いかけられたのも! あの時は死ぬかと思いましたが… [リュール] 今となってはいい思い出です。 苦労に見合った風景に出会えたと思いますよ。 [ロサード] 神竜様…オレに付き合ってくれて、 ありがとうございました。 [ロサード] 神竜様が手伝ってくださらなければ、 あの風景を描くことはできなかったです。 [リュール] ロサード、一度聞いてみたかったのですが… あなたの熱意は、共感を得るためだけなんですか? [ロサード] え…? [リュール] あの日、あなたが絵を描く横顔を見ていたら、 何か他にも目的があるような気がして… [ロサード] …そうですね。 あると言えば、あるのかなー… [ロサード] 神竜様。この世界には… 自分の知らない場所がたくさんありますよね。 [リュール] はい。 すべてを見て回ることもできないくらいに。 [ロサード] それってすごくもったいないと思います。 だってそこには… [ロサード] 今まで触れてこなかったような美があり、 個性があり、価値観があるんですよ。 [ロサード] でも、オレが描いた風景を通して そういった多様性に触れることができれば… [ロサード] みんなの中でもっと寛容さが育まれて、 世界も素敵になるんじゃないかな、ってー。 [リュール] 未知のものに触れることで寛容さを育む… ロサードはそこまで考えていたのですか。 [ロサード] あはは。 少し格好つけ過ぎたかもしれませんねー。 [リュール] いいえ…私はロサードを尊敬します。 [ロサード] …ありがとうございます、神竜様。 [ロサード] じゃあ、次の風景画にも 付き合ってもらっちゃおうかなー。 [リュール] 喜んで。 次はどこに行きましょうか、ロサード! --- S --- [ロサード] あのさ、神竜様。 オレってかわいいよねー? [リュール] そうですね。 ロサードはかわいいと思いますよ。 [ロサード] そうなんだよなー。 オレはかわいいんだ。 [ロサード] 現時点で、自称世界一かわいい。 だから失敗しないはず。うん、うん… [リュール] どうしたんですか? [ロサード] …神竜様、これあげる! [リュール] これは髪留めですか? とても美しいですね。 [ロサード] 当然ですよー。 妖精の村…オレの故郷で手に入れたやつですからね。 [リュール] ありがとうございます。 でも、どうして私にこれを? [ロサード] ここの髪留めを神竜様が着けたら… 世界一かわいくなるんじゃないかなって思って。 [リュール] 私が…かわいい、ですか? [ロサード] オレにとってかわいいは、全てです。 ほんとは、オレが世界一かわいいんですけど… [ロサード] 今日から神竜様が世界一かわいいって認めます。 オレは隣で、そのかわいさを…あなたを一生守りたい。 [リュール] ! [ロサード] これでわかりましたよね? オレ…あなたの特別な人になりたいです。 [ロサード] 神竜様のことを考えると、胸の奥が… 温かくなる感じがして。こんなこと、初めてなんです。 [リュール] いいね。 [ロサード] へ? [リュール] その気持ち、共感します。私も… ロサードのことを考えると、胸の奥が温かくなるんです。 [リュール] ありがとうございます、ロサード。 私もあなたと、同じ気持ちですよ。 [ロサード] 神竜様…! [リュール] どうかこの指輪を…受け取ってください。 [ロサード] これって…『約束の指輪』!? こんな大切なものを、オレに? [リュール] パートナーとなるのですから、当然です。 この気持ちは、いいねだけでは終わらせませんよ。 [ロサード] この指輪、すっごくかわいい。 まるで、神竜様みたい。 [ロサード] …もう、ずっとつけることにします。 それでもいいですよね? [リュール] はい、ロサード。 ずっと…ずっとつけていてください。 [ロサード] ありがとうございます、神竜 様! [ロサード] オレ、ずっと離しません。この指輪も、あなたのことも。 誰からも傷つけられないように…一生守りますからね。