=== リュール & アンバー === --- C --- [アンバー] ふーん…ふーんふーん… [リュール] …ん? [アンバー] あっ、神竜様。 こんばんはー! [リュール] こんばんは… 今、ふんふんと言っていたのはあなたですか? [アンバー] そうですよ。 故郷のアルパカたちに話しかけてたんです。 [リュール] えっ!? [アンバー] 俺の故郷は、ブロディア王国アルパカの里。 小さい頃からアルパカと一緒に過ごしてきました。 [アンバー] だから、故郷のあいつらのことが、 ときどき恋しくなっちゃって… [アンバー] 耐えきれなくなったときは我慢せず、 夜空に向かって話しかけてるっていうわけです! [リュール] もしかして、さっきのふんふんは… [アンバー] アルパカの鳴き声です! 俺はアルパカ語って呼んでますけどね。 [リュール] アルパカ語… [アンバー] バカげたことだってのはわかってます。 俺の呼びかけが届かないってことも。 [アンバー] でも、こうしていると落ち着くんです。 あいつらの傍にいるような気がして。 [リュール] バカげたことだなんて思いません。 アンバーの思いはきっと届いていますよ。 [アンバー] 神竜様…! さすが、お優しいですね! ありがとうございますっ! --- B --- [アンバー] ふーん…ふーんふーん… [リュール] アンバー、今日もアルパカたちに 話しかけているのですね。 [アンバー] あ、神竜様! [リュール] 今、なんて言っていたのですか? [アンバー] アルパカ語で、元気でやってるかー? って言いました。 [リュール] 今のでそんな意味になるんですね。 [アンバー] 牧場で今みたいに言うと、 あいつら、振り向いて返事してくれるんですよ。 [リュール] へえ…! かわいいですね。 [アンバー] そう! すっげーかわいいんですよ! [アンバー] けど…夢にも思いませんでした。 自分がこんなことをするようになるなんて。 [アンバー] 実は俺、故郷があまり好きじゃなかったんです。 名所も特にない田舎だし。 [アンバー] いつかここを出て騎士になる… そう思いながら俺は生きてきたんです。 [アンバー] でも、夢が叶って里を離れると、 たまに無性に寂しくなって… [アンバー] …って! ごめんなさい! こんな話、聞きたくないですよね! [リュール] もっと聞きたいです。 寂しいのでしたら、しばらく一緒にいますよ。 [リュール] まあ、私なんかではアンバーの大切な アルパカたちの代わりにはなれないと思いますが… [アンバー] と、とんでもないです! 代わりどころか光栄すぎてどうしたらいいか!! [アンバー] ではお言葉に甘えて、 ほんの少しだけ付き合ってください! [リュール] はい…! --- A --- [アンバー] ふーん…ふふんふーんふんふーん… [リュール] 寂しいよ、会いたいよ… という感じのことを言ったんですか? [アンバー] し、神竜様!? いつの間に!? というか、どうしてわかったんですか? [リュール] あなたのアルパカ語を聞き続けているうちに、 勘でわかるようになってきました。 [アンバー] そんなことあります!? [リュール] む…! [アンバー] ど、どうしたんです? [リュール] 今…遠くからアルパカたちの声が 聞こえたような… [アンバー] お、俺は聞こえませんでした… なんて言ってたんです? [リュール] アンバー、暇になったら行くよ… って言ってました。 [アンバー] ほんとですか!? あいつら…! じゃあ、さっそく返事をしないと! [アンバー] ふーんふんふん、ふふーんふん! [リュール] お前らはいつでも暇だろうが… [アンバー] ふふんふふん、ふんふん! ふふふん、ふんふーん!! [リュール] でも神竜様がいてくれるから、俺は寂しくない。 健康に気をつけて待っててくれ…ですか? [アンバー] はい、全部その通りです! [アンバー] あの…ちょっと引いてるんですが。 もうアルパカ語の博士じゃないですか。 [リュール] 光栄です。 [アンバー] 神竜様と一緒にいると、 牧場に戻ったような気分ですよ。 [リュール] おお…私は牧場のアルパカということですね! [アンバー] いやっ! 違います違います! すみません、失礼な言い方でした! [リュール] そう思ってもらえて光栄です。 アンバーの孤独を癒やせるなら。 [アンバー] う、うおお…! 神竜様の優しさがすごい…っ! ありがとうございます、感動しました! [リュール] ふふんふん、ふんふふーん。 [アンバー] どういたしまして、また呼んでくれ…ですか? [リュール] はいっ! --- S --- [アンバー] これが俺の故郷です。 で、こっちの一枚が牧場… [アンバー] それは言わなくてもわかりますね。 アルパカです! [リュール] アンバーが、こんなに絵が上手かっただなんて。 どこも素敵な場所ですね。 [アンバー] ありがとうございます! [リュール] いいなぁ… なんだか、羨ましいです。 [リュール] あなたには揺るぎない故郷がある。 でも、記憶の無い私には… [アンバー] 神竜様… [アンバー] ………… [アンバー] か、帰る場所、ありますよ。 ここです。 [リュール] ここ? [アンバー] 俺です!!!! [リュール] えっ!? [アンバー] 神竜様、思い切って言わせてください! 神竜様が剣なら、俺はそれを守る伝説の鞘となる! [アンバー] 神竜様が戦ってボロボロになっても、 それを迎えて、全力で癒やします! [アンバー] それで、また無事に戻れるよう見送ります。 何度でも、あなたの大切な存在として… [リュール] アンバー… [リュール] …ごめんなさい。 気持ちは嬉しいのですが… [アンバー] そ、そうですよね… すみません。出しゃばったことをしてしまって… [リュール] 違うんです。私が剣なら、あなたも剣でいてください。 共に戦場を駆けましょう。 [アンバー] ! [リュール] あなたの夢は、勇者になることでしょう? 大切な人の夢を、隣で見つめていたいんです。 [アンバー] 神竜様… [リュール] アンバー、『約束の指輪』を 受け取ってもらえませんか? [リュール] もしも、私と同じ… 剣となってくれるのなら。 [アンバー] はい…! もちろんです…! あなたが望むのなら、剣として共に! [リュール] アンバー。 共に平和な世界を築きましょう。 [リュール] そしていつの日か… あなたの故郷に行ってみたいです。 [アンバー] もちろんです! もう自分の故郷みたいにくつろいでください! [アンバー] ああ、ありがとうございます。 俺…胸がいっぱいで、とにかく嬉しすぎて… [アンバー] そうだ! さっそく故郷のアルパカたちに報告を! [アンバー] ふーん、ふんふふん、ふんふん… [リュール] あ、あの! 長くなりそうなので… 後にしませんか。私も一緒に報告したいですし… [リュール] 今は、私への言葉が欲しいです。 [アンバー] ! わかりました、神竜 様! [アンバー] 俺たちは結ばれた双剣です。これからはずっと共に。 嫌だって言っても離れないんですからね! 神竜様!