=== ミスティラ & アンナ === --- C --- [アンナ] ミスティラ王女! [ミスティラ] なあに、アンナさん? [アンナ] ソルム王国に足りないものとは… ズバリなんでしょー!? [ミスティラ] あはは。 なぞなぞを考えてきたの? [アンナ] ちがう、ちがーう! これは遊びじゃないのよ! [ミスティラ] 遊びじゃない…? どういうことかしら。 [アンナ] ソルムに足りないものがわかれば 商品の仕入れに役立つでしょ? [アンナ] だから、ソルムのことならなんでもわかってそうな ミスティラ王女に聞いたってことなの。 [ミスティラ] なるほど、なるほど。 アンナさんは行商人だもんね。 [アンナ] それに家族とははぐれちゃったから。 なんとか一人で生きていかなきゃだし。 [アンナ] しょーばいをしないと、どうにもならないのよ! [ミスティラ] でも、ソルムは元々、商人の多い国だからねー。 今から参入するのは少し厳しいかもよ? [アンナ] 普通の品物くらいじゃ 流通経路も確立しちゃってるってことね。 [アンナ] なら、今までにない新商品をかいはつしてみせるわ! それなら太刀打ちできるはず! [ミスティラ] さすがはアンナさん。 [ミスティラ] ソルムのためになるなら、あたしも全力で協力するわ。 なんでも言ってね! [アンナ] ありがとう、ミスティラ王女。 そうときまればさっそく、研究をはじめなきゃ! --- B --- [アンナ] ミスティラ王女! ついに完成したわよ! [アンナ] わたしがかいはつした新商品! ぜったいに気に入ってもらえると思うわ! [ミスティラ] お、楽しみにしてたのよ。 早速、見てみたいわ。 [アンナ] 砂漠の多いソルムによく起きる問題… それはなんだと思う? [ミスティラ] 日射の問題だったり、水不足だったり。 危険な昆虫がいたりもするわね。 [アンナ] ううん。 それだけじゃないわ。 [アンナ] 砂漠に物を落とすと、 なかなか見つからなくて困らない? [ミスティラ] へ? まあ……そうね。 [アンナ] そこでこれよ! [ミスティラ] 熊手? それって落ち葉とかをかき集めるやつでしょ? [アンナ] に、似てるけどちがうの! これは砂漠におとしたものをさがす棒なの! [ミスティラ] どういうこと? [アンナ] 砂漠でものをおとしたら、 これを使って砂をかきかきすれば…はい解決! [アンナ] どう!? いけそうな気がしない!? [ミスティラ] …しないかなー。 [アンナ] やっぱりそうよね。 わたしにも薄々わかってたわ。 [ミスティラ] でも、着眼点は良かったよ! 誰も思いつかないことだと思う! [アンナ] ほめてくれてありがとう。 ミスティラ王女。 [アンナ] わたし、まだあきらめないから。 次こそすごい新商品をかいはつしてみせるわ! [ミスティラ] 頑張ってね、アンナさん! --- A --- [アンナ] うーん… うーん… [ミスティラ] アンナさん。 新商品の開発、悩んでるみたいだね。 [アンナ] ミスティラ王女… [アンナ] さすが商人の国、ソルムね。 はんぱな新商品じゃ太刀打ちできないわ。 [ミスティラ] やっぱり、そうだよね… [アンナ] なんでミスティラ王女が そんな悲しそうな顔をするのよ? [ミスティラ] だって友だちが苦しんでるところを見るのは あたしだって辛いもん。 [アンナ] うっ。 ミスティラ王女、やさしい。 [アンナ] でもね、わたしは別に苦しんでないわ。 いえ、苦しんでるけど苦しんでないの! [ミスティラ] そうなの? [アンナ] こうやって新商品のことをあれこれ考えて なやむのは、だいすきなの。 [アンナ] わたしがその土地でどんな役にたてるか。 わたしの商品でどれだけ幸せにできるか。 [アンナ] 苦しいけど、それ以上にワクワクもする。 [アンナ] だから、商人って楽しいのよね! [ミスティラ] そっか! そうなんだね! [アンナ] だから、心配せずに見守ってて。 [アンナ] わたし、必ずソルムの人たちに 喜んでもらえるような商品をかいはつするから。 [ミスティラ] その意気だよ、アンナさん! [ミスティラ] そうだ。ひとつ提案があるんだけど。 [アンナ] 提案? [ミスティラ] 新商品ができたらさ… [ミスティラ] その商品の名前のどこかに アンナって言葉を入れようよ。 [アンナ] わ、わたしの名前を入れるの!? それはちょっと恥ずかしい気がする… [ミスティラ] もしその新商品がたくさん流通したら… [ミスティラ] アンナさんのはぐれちゃった家族が 気づいてくれるかもしれないでしょ? [アンナ] ミスティラ王女… [アンナ] ありがとう。 その提案、採用させてもらうわね。 --- S ---