=== パンドロ & セアダス === --- C --- [セアダス] …ふう。 いい感じに踊れたな。 [パンドロ] セアダス。 アンタの踊り、大したもんだな。 [セアダス] 俺は踊りを仕事にしているからね。 これぐらいは当然だよ。 [パンドロ] セアダスの踊りを見ていたら、 なんだかオレも踊りたくなってきたぜ。 [パンドロ] なあ…もしよかったら、 一緒に踊ってくれないか? [セアダス] うん、いいよ。 [パンドロ] 決まったぜ! セアダス、最高の踊りだったな! [セアダス] ………… [セアダス] こんな踊りは初めてだ。 体の動きは滅茶苦茶で、リズムとも合ってない… [セアダス] 仲間内で暗黒舞踏と呼ばれているのも頷ける、 ひどい踊りだったよ… [パンドロ] そーかよ。 でも、オレは楽しく踊れて気持ちよかったぜ。 [セアダス] …それでいいの? [パンドロ] いいの…って言われてもな。 [セアダス] 踊りが好きなんでしょ? やるからにはうまくならないと。 [パンドロ] んー。 そういうものなのか? [セアダス] 安心して。 俺がしっかり踊りを教えてあげるから。 [パンドロ] まあ、セアダスがそういうなら… よろしく頼むぜ。 --- B --- [セアダス] いちにーさんしー。 ごーろくしちはち。 [セアダス] にーにーさんしー。 ごーろくしちはち。 [パンドロ] って、うわぁっ! [パンドロ] セ、セアダス! ちょっと待てっ! [セアダス] パンドロ… また足が絡まったの? [パンドロ] 仕方ないだろ。 ずっと自己流で踊ってきたんだから。 [セアダス] うーん。 これは基礎から勉強した方がいいのかも。 [パンドロ] じゃ、自由に踊れないってことか? [セアダス] 仕方ないよ。パンドロのためだし。 [パンドロ] ………… [セアダス] 俺だって昔はまともに踊れなくてさ。 舞踏家の師匠に教わって変わったんだ。 [セアダス] 厳しい特訓で何度も逃げ出したくなったけど、 今ではいい思い出だ。 [セアダス] あのとき師匠がしてくれたように 俺もパンドロに踊りを教えてみせるから。 [パンドロ] そんなこと… オレは頼んでねーよ。 [セアダス] えっ… 俺はパンドロのためを思って… [パンドロ] オレはただ楽しく踊りたいだけなんだ。 だからもう辞めさせてもらうぜ。 [パンドロ] セアダス。 少しの間だけど教えてくれてありがとうな。 [セアダス] パンドロ… --- A --- [パンドロ] ふんふん。 ふんふふ~ん。 [セアダス] パンドロ。 [パンドロ] セアダスか。 つまらない練習ならもうやらないぜ。 [セアダス] あれだけ教えたのに、 ひどいステップのままだね。 [パンドロ] なんだよ… 嫌味を言いにきたのか? [セアダス] ううん。パンドロの踊りを見て… 俺は間違ってたんだと気づかされた。 [パンドロ] は? [セアダス] 楽しく踊る。 それがやっぱり一番大切なんだ。 [セアダス] 俺が踊りを教えてたとき、 パンドロはただ辛そうだった。 [セアダス] でも、今はとても楽しそうに踊ってた。 [パンドロ] まあな… 実際、楽しかったし。 [セアダス] それが全てだよ。 [セアダス] 俺はまだまだ未熟だな。 こんなんじゃ師匠に怒られちゃうよ。 [セアダス] パンドロ。 練習を無理強いしてごめんね。 [パンドロ] ………… [パンドロ] オレはセアダスと一緒に踊りたかったんだ。 [セアダス] え? [パンドロ] その気持ちは今も変わってない。 ただ、練習が合わなかったってだけで… [パンドロ] なあ… もう一度、オレと踊ってくれないか? [セアダス] うん。喜んで。 [セアダス] 心のおもむくままに体を動かす。 それだって立派な踊りだからね。 [パンドロ] ああ、楽しく踊ろうぜ! 思い切り! [パンドロ] …で、その後また踊りを教えてくれないか? あんまり厳しくなく、少しだけでいいから。 [セアダス] もちろんだよ、パンドロ。 今度は優しくしてあげる。 --- S ---