=== スタルーク & パンドロ === --- C --- [スタルーク] ぜぇ、ぜぇ、はぁ、はぁ… ヒィ、ヒィ… [パンドロ] スタルーク王子。 初めての宴はどうでしたか? [スタルーク] どうして… どうして僕は宴に参加してしまったのでしょう… [パンドロ] 朝までぶっ通しの宴は 初心者にはきつかったかもしれませんね。 [スタルーク] 大音量の音楽が演奏され 一晩中、人々が大声で叫び、踊り狂う… [スタルーク] まさに地獄の光景… 軽い気持ちで行ったのが間違いでした… [パンドロ] ギャハハ! 最高だったでしょう? [スタルーク] ごめんなさい、パンドロ。 僕には合わない空間だったかもしれません。 [パンドロ] いやいや。 その判断はまだ早いですって。 [パンドロ] だって今回、スタルーク王子は 宴の輪に入らず遠巻きに眺めてるだけでしたし。 [パンドロ] 宴の中に飛び込んじゃって、 我を忘れるくらい楽しんでなんぼですから。 [パンドロ] 次はそんな感じで行っちゃいましょう。 [スタルーク] つ、次もあるのですか? 僕は遠慮しておこうと思ったんですが… [パンドロ] オッケオッケ! 全然、大丈夫ですから! [パンドロ] オレに任せておいてください! うぇーーーーーーい!! [スタルーク] …うぇーい。 --- B --- [スタルーク] ぜぇ、ぜぇ… はぁ、はぁ… [スタルーク] 後悔… 圧倒的な後悔が押し寄せてきています… [スタルーク] なぜ僕は再度、宴に参加してしまったのでしょう… 自分に合わない空間だってわかっていたのに… [パンドロ] うぇーーーーい! [スタルーク] パンドロ… [パンドロ] スタルーク王子、今回は楽しめましたよね? だって、宴の輪に飛び込んでましたし! [スタルーク] 輪の中には入りました… 入りましたけれど… [スタルーク] 僕には宴を楽しむのは無理みたいです… [パンドロ] どうしてですか? [スタルーク] 何をすればいいのか全然、 わからないんです。 [スタルーク] 周囲の人たちは、みんな踊っていましたが… 僕は踊り方を知りませんし… [スタルーク] いぇーいとか、うぇーいとか 掛け声をかける意味も理解していません。 [パンドロ] なるほど。 そういうことでしたか。 [パンドロ] スタルーク王子。 大切なことを伝え忘れていたようです。 [パンドロ] 宴には意味とかそういうの… いらないんですよ! [スタルーク] そう…なんですか? [パンドロ] 決まった踊り方とかもないですし、 掛け声にも意味なんてないんです! [スタルーク] では、皆さん意味もなく 声を掛け合い、踊り、騒いでいると? [パンドロ] ええ、そうです。すべてはノリです。 楽しければなんでもいいんです。 [スタルーク] 僕はどうすれば宴を楽しめるのかと、 考え、悩み、頭でっかちになっていた… [スタルーク] だからこそ、宴を楽しめなかったとは… 本末転倒ですね… [パンドロ] スタルーク王子! 次は頭空っぽにして、一緒にはしゃぎましょう! [パンドロ] うぇーーーーーーい!! [スタルーク] う、うぇーーーーい!! --- A --- [スタルーク] はぁ…はぁ… ヒィ…ヒィ… [パンドロ] スタルーク王子… [スタルーク] パンドロ… [スタルーク] ………… [スタルーク] うぇーーーーい! [パンドロ] うぇーーーーい! [スタルーク] 楽しかったです… 今回の宴、最高でした… [スタルーク] 意味もなく大声を上げ、 本能のままに体を動かすことが… [スタルーク] こんなにも楽しいことだったなんて! [スタルーク] これが宴… これが新しい世界… [パンドロ] そうです。 ようこそこちら側へ、スタルーク王子。 [スタルーク] ありがとうございます、パンドロ。 [スタルーク] 正直に言うと、人前で踊るのは 最初は少し恥ずかしかったんです。 [スタルーク] でも、パンドロが恥ずかしげもなく 奇天烈な動きで踊る姿を見てたら… [スタルーク] 宴の場では恥ずかしいなんて感情は 捨てなきゃダメだって思ったんです。 [スタルーク] おかげで心の底から宴を楽しめました。 本当にありがとうございます。 [パンドロ] そうでしたか… [パンドロ] オレの踊りは仲間内からは 暗黒舞踏と呼ばれていましてね… [パンドロ] ですが、今日だけはスタルーク王子の心を照らす 光明舞踏になれたようですね。 [スタルーク] うぇい、パンドロ。 まさにその通りです。 [スタルーク] 宴は最高ですね。 行ったばかりなのに、もう次が待ち遠しいです。 [パンドロ] 何度でも行きましょう。 その度に新しい発見がありますよ。 [スタルーク] パンドロ… [パンドロ] スタルーク王子… [スタルーク] うぇーーーーい! [パンドロ] うぇーーーーい! --- S ---