=== スタルーク & ザフィーア === --- C --- [ザフィーア] よしよし。 たくさんの獲物を狩れましたね。 [ザフィーア] スタルーク様が狩りに同行してくれたおかげです。 ありがとうございます。 [スタルーク] 僕は少しお手伝いしただけです… ほとんどザフィーアの手柄ですよ。 [ザフィーア] あっはっは。 相変わらず謙虚な方だ! [ザフィーア] さてと、肉は十分ですから 今度は魚でも釣りましょうかね。 [ザフィーア] スタルーク様もご一緒にどうですか? [スタルーク] ええっ!? 釣りは、あまりしたことがなくて…! [ザフィーア] 大丈夫ですよ。 私がお教えしますから。 [スタルーク] でも、魚たちにも悪いですよ… 僕なんかに釣られたくないと思います。 [ザフィーア] ぶっ…ははは!! [ザフィーア] 王子とか関係なく、 魚は誰にも釣られたくないと思っていますよ。 [スタルーク] でも、僕には絶対、釣れないです… 僕のエサにだけ食い付かないに決まってます… [ザフィーア] そんなことないですから。 一緒に行きましょう。 [ザフィーア] 釣り方だけでなく、 魚料理の作り方もお教えしますから。 [スタルーク] 魚料理? [スタルーク] …それなら挑戦してみようかな。 [ザフィーア] やる気になってくれたみたいですね。 では、次に釣りに行くときは必ずお誘いしますね。 [スタルーク] はい。 よろしくお願いします、ザフィーア。 --- B --- [ザフィーア] スタルーク様、大量に釣れましたね。 見事な釣りの腕前です。 [スタルーク] はい。 自分でもびっくりしています。 [ザフィーア] 気配の殺し方が上手でしたからね。 魚も人がいると感づけなかったのだと思います。 [スタルーク] あの、ザフィーア。 これだけ釣れたらおいしい魚料理は作れますか? [ザフィーア] とびっきりの料理が作れますよ。 [スタルーク] よかった。 では早速、作り方を教えてください。 [ザフィーア] ええ、もちろんです。 [ザフィーア] それでスタルーク様は 誰にご自身の料理を振る舞うおつもりなのですか? [スタルーク] ふふ。 ばれていたのですね。 [ザフィーア] スタルーク様は誰かのために動くときは、 とても前向きになりますからね。 [スタルーク] …母上です。 [スタルーク] 母上は魚料理が好きなので… この戦いが終わったら振る舞いたいなと思って。 [ザフィーア] そうでしたか… [スタルーク] 邪竜が復活したという報せがあってからは、 母上は王都から離れた宮に避難しているので… [スタルーク] 次に会えたときは… 何か特別なことをしたいと考えていたんです。 [スタルーク] 父上のことも、 きっともう、御存じですから… [ザフィーア] ………… [ザフィーア] お任せください、スタルーク様。 [ザフィーア] 私の知る魚料理の知識… その全てをお教えします。 [ザフィーア] 魚のさばき方はもちろん、 味付け、素材の選定、保存方法まで。 [ザフィーア] 多少、厳しく指導することになると思いますが、 どうかお許しください。 [スタルーク] ははは。 お手柔らかにお願いします。 --- A --- [スタルーク] ありがとうございました、ザフィーア。 [スタルーク] ザフィーアのおかげで おいしい魚料理の作り方を学べました。 [スタルーク] これで母上に次に会ったとき… 僕の手料理を振る舞うことができます。 [ザフィーア] お役に立ててよかったです。 スタルーク様。 [ザフィーア] 私の魚料理の知識は… すべて両親から学びました。 [ザフィーア] 自分たちの料理が王子の役に立てたと知ったら、 両親もすごく喜んだと思います。 [ザフィーア] そういえば、ずっと昔、モリオン様も 私の魚料理を喜んでくださって… [スタルーク] …父上が? [スタルーク] そうですか。ふふ… もし生きていたら…また食べられたのに。 [ザフィーア] …! すみません。つい… [スタルーク] いいえ。 きっと楽しい時間だったのでしょう… [スタルーク] 話が聞けて、嬉しいですよ。 [ザフィーア] ………… [スタルーク] ザフィーア? [ザフィーア] …申し訳ありません。 私も…少しだけ悔しいです。 [ザフィーア] ブロディア城に残った時… 王は必ず帰るものと思っていました。 [ザフィーア] でも、モリオン様の喜ぶ顔を見ることは、 もうできませんから。 [ザフィーア] ただ心の中に… その顔を思い浮かべることしかできない… [スタルーク] …そうですね。 [ザフィーア] 申し訳ありません。 [ザフィーア] スタルーク様やディアマンド様のほうが、 悲しみが深いというのに… [スタルーク] 悲しみの深さなど、 測れるものではありませんよ… [スタルーク] ブロディアの王城兵と父上との絆は、 僕だってわかっています。 [スタルーク] 悲しい時は悲しんでください… 僕も、そうしますから。 [ザフィーア] スタルーク様… [スタルーク] 魚料理、いつか父上にも振る舞いましょう。 まだお墓はありませんが… [スタルーク] 墓前に持っていけば、きっと喜んでくれます。 食べるの、大好きでしたから。 [ザフィーア] …! [ザフィーア] はい…そうでしたね。 沢山、お持ちいたしましょう。 [ザフィーア] ありがとうございます… スタルーク様。 --- S ---