=== ヴァンドレ & アルフレッド === --- C --- [アルフレッド] ヴァンドレ。 あなたに謝りたいことがあるんだ。 [ヴァンドレ] 謝る? アルフレッド王子、何をですか? [アルフレッド] 僕には大きな罪がある。 [アルフレッド] あのとき、僕がもっと早くリトスに到着していれば… ルミエル様を助けられたかもしれない。 [アルフレッド] ルミエル様はヴァンドレの大切な主君だ。 本当に、すまなかった… [ヴァンドレ] アルフレッド王子… [ヴァンドレ] ルミエル様を守れなかったのは私も同じ。 いえ、臣下だった私にこそ大きな責任があります。 [ヴァンドレ] ですから、気に病むことはありません。 [アルフレッド] しかし… [ヴァンドレ] アルフレッド王子がいらっしゃらなければ、 あのとき負けていた可能性もあります。 [ヴァンドレ] 感謝することはあっても、 恨むことなどあるはずがありません。 [アルフレッド] …そうか。ありがとう。 [アルフレッド] ヴァンドレ。 また話をしにきてもいいか? [ヴァンドレ] もちろんです。そのときは ルミエル様の楽しい思い出話をしましょう。 [アルフレッド] 楽しい思い出…? [ヴァンドレ] はい。 その方がルミエル様も喜んでくださると思います。 --- B --- [アルフレッド] 幼少時、誕生日にルミエル様から花をもらったんだ。 [アルフレッド] 綺麗な白い花だったんだが… 名前がわからない。 [ヴァンドレ] それはきっとアネモネの花です。 ルミエル様が庭で熱心に育てられていました。 [アルフレッド] そうか… あの花はアネモネだったんだな… [ヴァンドレ] 私もルミエル様から アネモネの花をいただいたことがあります。 [アルフレッド] ヴァンドレも誕生日だったのか? [ヴァンドレ] いいえ。 特別な日ではありませんでした。 [アルフレッド] そうか… [アルフレッド] 臣下として働くヴァンドレを ねぎらう気持ちがあったのかもしれないな。 [ヴァンドレ] かもしれません。 ルミエル様はそんな御方でしたから。 [ヴァンドレ] あのアネモネの花が咲いていた庭も、 戦いで滅茶苦茶にされてしまいました。 [ヴァンドレ] 今にして考えれば、もっとルミエル様と 話をしておけばよかったと思います。 [アルフレッド] 後悔することばかりだが、前に進む以外に道はない。 [アルフレッド] ルミエル様のように 僕たちが民を安心させねばならないんだ。 --- A --- [ヴァンドレ] ………… [アルフレッド] ヴァンドレ、どうしたんだい。 いきなり呼び出すだなんて。 [ヴァンドレ] …これをご覧ください。 [アルフレッド] これはアネモネ? こんな場所にたくさん…でも、どうして? [ヴァンドレ] 城の庭だけで育てるのは、勿体ないと思いまして。 [ヴァンドレ] 皆にも見てもらえるよう、 この辺りに何株か植えたのです。 [ヴァンドレ] ですが、こんなに殖えるとは… 思ってもいませんでした。 [アルフレッド] …しかし、立派なアネモネだな。 [アルフレッド] じっと見ていると、 なんだかルミエル様といるような気がしてくる。 [ヴァンドレ] ええ。 私もそんな気がしてきます。 [ヴァンドレ] アルフレッド王子にも… このアネモネをご覧いただきたかったのです。 [アルフレッド] …そうか。ありがとう… [アルフレッド] ヴァンドレ、世界が平和になったら この場所にもっとアネモネを植えないか。 [ヴァンドレ] いいですね。 一緒に植えましょう。 [アルフレッド] そして、今度はこの場所を何があっても守るんだ。 [アルフレッド] ルミエル様がここから民を見守ることができるように。 [ヴァンドレ] はい、そうですね。 --- S ---