=== ヴァンドレ & クラン === --- C --- [クラン] ヴァンドレさん。 言われたとおり書簡を預かってきたよ。 [ヴァンドレ] そうか、そこへ置いておいてくれ。 [クラン] 書簡を開く用に、紙切りナイフを置いとくね。 [ヴァンドレ] ああ、ありがとう。 [ヴァンドレ] クラン。 次はこの荷物を届けてくれ。 [クラン] 荷物だね。 了解だよ。 [ヴァンドレ] やれやれ。次は書簡の返信か… この歳になっても事務作業が多くて嫌になる… [クラン] ………… [ヴァンドレ] どうした? [クラン] う、ううん。 なんでもないよ。 [ヴァンドレ] 神竜様に仕える仕事は忙しい。 ぼけっとしている時間はないぞ。 [クラン] は、はい… [ヴァンドレ] わかったら、早く荷物を届けに行くんだ。 [クラン] むむ… [クラン] いつもいつも雑用ばかり… 僕はもっと守り人のお仕事がしたいのに。 [ヴァンドレ] クラン。 何か言ったか? [クラン] べ、別に。何も言ってないよ! それじゃ、行ってくるね。 --- B --- [クラン] 頼まれた仕事はちゃんとやってるのに… [クラン] ヴァンドレさんは どうして守り人のお仕事をさせてくれないんだろう。 [クラン] ヴァンドレさん、僕に期待してないのかな。 [ヴァンドレ] クラン! クランはいるか! [クラン] は、はいっ! [ヴァンドレ] お前に仕事だ。 近くの教会まで言付けを頼みたい。 [クラン] ………… [ヴァンドレ] 返事は素早くといつも言ってるだろう。 何度も注意させるんじゃない。 [クラン] ヴァンドレさん… 僕はお手伝いさんなの? [ヴァンドレ] なに? [クラン] まだ修行が足りないのはわかってるけど、 僕は守り人の仕事がしたいのに。 [ヴァンドレ] 何を言っている。 いいか。守り人の仕事というのは… [クラン] わかったよ。もういい! [クラン] ヴァンドレさんが 僕に期待してないのはわかったから! [ヴァンドレ] クラン… お前、何を言っているんだ。 [クラン] なんでもない。言われたとおりにするよ。 どうせ僕は、それしか価値がないんだ…! [クラン] 教会まで行ってきます! [ヴァンドレ] お、おい。待て、クラン! [ヴァンドレ] クラン! --- A --- [クラン] ………… [ヴァンドレ] 全く。感情に任せて飛び出しおって。 話は最後まで聞くものだ。 [ヴァンドレ] そんなことだからお前は… [クラン] ………… [ヴァンドレ] いや、いかんな。 今回のことは私に責任がある。 [ヴァンドレ] 悪かった、クラン。 [クラン] え…? [ヴァンドレ] この際、きちんと話しておこう。 私はお前に期待をしている。 [ヴァンドレ] 私を継ぐ第三十三代竜の守り人として、 いずれはその仕事の全てを任せたいと思っている。 [クラン] で、でも…ヴァンドレさんは僕に 守り人の仕事をやらせてくれなかったじゃないか。 [ヴァンドレ] 本当にそう思うのか? [クラン] どういう意味? [ヴァンドレ] 私としてはお前に、守り人の仕事を 手伝ってもらっているつもりだった。 [ヴァンドレ] 書簡を出すことや、教会への言付け… あれも守り人の仕事の一部だ。地味かもしれないがな。 [クラン] …! [ヴァンドレ] ちゃんと伝わってなかったようだな。 [クラン] ご、ごめんなさい… ヴァンドレさんがそんなふうに考えてたなんて。 [ヴァンドレ] いや、私も言葉が足りなかったのだ。 [ヴァンドレ] これからはクランの気持ちも考える。 だから、懲りずに私についてきてほしい。 [クラン] わかった。僕はヴァンドレさんみたいな、 立派な竜の守り人になりたい… [クラン] これからも頑張るから、 いつもどおり、厳しくご指導お願いします。 [ヴァンドレ] ああ。こちらこそ。 何かあれば、遠慮なく言ってくれ。 --- S ---