=== リンデン === --- C1 --- そーっと、そーっと、 どれぐらいの物音で起きられるかのう… まずはこの水の音…起きぬな。 では木を叩く音、その木を燃やす音…まだか。 む? 炎が大きくなってきたのう… こりゃいかん!! ゲホゲホ、おはようございます、神竜様… いえ、襲撃ではございませぬ。 風の魔法にてすぐに片づけますゆえ、ご容赦を。 な、なんと! こんな些細な足音でも気づかれるのですな。 ふむ、神竜様は耳が宜しいのか。 少し見せてくれんかのう? --- C2 --- 朝から妙な実験をするなと追い出されてしもうた… む、ここは…!? ここでなら実験の続きができそうじゃ… お酢と蝋燭をファイアーで煮溶かして… あー! 引火しおった! 失敗、失敗じゃー! 消火! す、すみませぬ。 神竜様の寝所だったのじゃな。 しょんぼり歩いておって、気づかなんだ… どうか許してくだされ。 ああ、神竜様。 いえいえ、少し通りがかっただけじゃ。 ここで実験をしようなどとは思っておりませぬ。 それではの。 --- B1 --- 神竜様、ご覧くだされ! 面白いものができたのじゃ、紋章士の指輪の模造品じゃよ! 起きてくださらぬとは、興味が引けんかったようじゃの。 残念じゃ。ならば指輪は、 この老骨の腹に収めてしまうとしよう。あーん… もぐもぐ… はは、驚かれましたか? 実は砂糖菓子でできておるのです。 指にはめ、遊んだあとは食せる大発明。 おひとつ如何かの? おお、起きてくださったか! …あ、うれしくて握りつぶしてしもうた。 実はこれは菓子なんじゃ。 甘くてうまいですぞ。 --- B2 --- この前は神竜様から話をしに来てくださいましたからな、 お返しですじゃ。 あの日は楽しかった… 神竜様は好奇心の塊で、つい実験の話に熱が入ってしもうた。 そうだ、あの時見せたかった瓶がここに……あ。 やってしもうた! 落としたら爆発するやつじゃ! 髪は焦げてませんかな? こりゃまたヴァンドレ殿に怒られてしまいますのう… 眠っているところを起こしてすみません。 …ぬ? 時間を有益に使うためにすぐ起きた…とな? ほっほ、神竜様は流石ですのう。 --- A1 --- またしても新発明をしてしもうた…わしは天才賢者じゃな。 飲み物にサンダーを放ち、 泡立たせたのじゃが… ちと泡が少なくなって来たのう。 どれ、もう一発…サンダー! うおお、いかんーっ! …神竜様、お目覚めですか。 実は飲み物をお持ちしていたのじゃが、 最後の一撃ですべて泡立ってしもうた… 飲まれますか? 泡… おはようございます。 寝覚めに特別なフルーツは如何ですかの。 サンダーの刺激を閉じ込めた、 珍しいぱちぱち食感なのじゃよ。 --- A2 --- わしが神竜様をお起こしするとは、なんだか申し訳ないのう… なんと気持ちよさそうに… わしはこの眠りを乱すことはできん。 職務放棄じゃ、若者を無理に起こすなんてかわいそうじゃ…! おや、図らずも起こしてしもうた。 すまんのう、若者は沢山寝るべきじゃのに… なに? もう千歳以上? ははは! そうでしたのう! おお、すでに目覚めておいででしたか。 おはようございます。 --- S1 --- 朝ですぞ。そろそろ起きて、支度を始めるのじゃ。 相変わらずなかなか起きぬのう。 …懐かしいな、もう何十年も前、 こうして家族を起こしていた時間が、わしにもあった。 じゃが…今は皆わしの元を去った。 戦が決するまでは、己が心のまま生きよう。 死して妻の元に帰るまでは、残り少ない命… 神竜様に捧げよう。 目が覚めたかの。 支度を手伝おう… む?気遣うのは当然じゃ。 老いぼれでも、わしはあなたに選ばれた、 パートナーなのですからな。 おや、髪が乱れておりますぞ。服もシワが… ふふ、すまんのう。 愛らしくて、つい我が子の世話を焼いているような 心持になるのじゃよ。 --- S2 --- ふふ…よく寝ておるのう。ではこの部屋でひとつ実験を… この金属にサンダーとファイアーを交互に浴びせ、 大急ぎで形を整える! ふんっ! …すると、ほれ。形は歪じゃが腕輪の完成じゃ。 『約束の指輪』の礼にはならんが… わしからの贈り物といったところじゃの。 …これなら、わしがいなくなった後も、 少しは寂しくないじゃろう。 おはよう。 さて、今日も神竜様のために頑張ろうかの。 わしの力を必要としてくださること、 いつも感謝しておるのじゃぞ。 ほっほ、やはりな。 こう言えばすぐ起きると思っておったぞ。 …どうじゃ?わしも、パートナーの事が わかるようになってきたじゃろう?