=== ヴェイル === --- C1 --- ここがソラネルの…神竜の祭壇… ここでずっと眠ってたんだね。 もし、もっと早く見つけてたら… ううん。見つけても、 前のわたしじゃここには来られなかった。だから… おはよう。 わたし、今の自分を誇らしく思うよ。 戦わなければ、夢を持たなければ… 今はなかった。 この瞬間は、奇跡みたいなんだね。 おはよう。 ねえ、はじめて目覚めた日も、 そんな風だったの? きっと、すごく綺麗だったんだろうね。 --- C2 --- 実は一人でも起きられるけど、 みんなと交流したくて寝たふりしてるってこと、ない…? …と思ったけど、これは… 完全に寝てるね。 起きられないほど深く眠っちゃうの、わかるよ、 わたしも竜だから。 …よし、起きてーっ! おはよう! 体調はどう? そっか…なら良かった。 これからは妹のわたしがいるんだから、 不安なこと…何でも相談してよね。 えへへ、当たり? わたしも昔、神殿の人たちとお話ししたくて、 起きないふりしたことあるんだ。 今日はわたしとお話ししよっか。 --- B1 --- 神竜の祭壇と邪竜の祭壇…やっぱり全然違うんだね。 わたしの眠ってた祭壇はもっと暗くて、 お日様の光もほとんど入らなくて… でも、消えそうに揺らめく燭台の灯りが、 いつも綺麗だった… えへへ、なんだか懐かしくなっちゃった。 けど、あの場所にはもう戻らない。 わたしもいっしょに、 光の中で生きるって決めたの。 あ、目が覚めた! ねえねえ、その祭壇の寝心地はどう? え、寝てみるかって… それはちょっと、どうなんだろう…? --- B2 --- 割れちゃった竜石が夢に出てきたの。 だから、無事かなと思って… うん、寝てるだけだね。安心した… もしかして、あれはわたしの竜石だったのかな? 竜にならないって決めた日に埋めた、あの石… 起こしてごめんね。 …うん、わたしの竜石はもうないの。 でも後悔してないよ。 大きな竜にならなくても… 強い力はここにあるから。 良かった…なんともなくて。 えへへ…安心したらなんだかお腹がすいてきちゃった。 わたし、何か辛いものでも食べてくるね。 --- A1 --- ここは夜でも明るいんだね。星の光が…きれい。 死んだら星になるんだよね。 それならママは…マロンたちはどこにいるんだろう。 もう一人の私も、今は…綺麗な星になっているかな… 起こしてごめん。 もうちょっと、ここにいさせて。 祭壇で眠ることはあっても… 祈ることはなかったから。 邪竜が祈っても、届くといいけど。 起こしちゃった? ごめんね。 ちょっと嫌な夢を見ちゃって。 もう少しだけここにいてもいい? そっか、えへへ…ありがとう… --- A2 --- 会いたいときに、 こうやってすぐ会えるのって素敵ね。 この前はパパへの気持ちを聞いてくれてありがとう。 おかげでわたしも、改めて覚悟ができたわ。 この手で絆を断つ覚悟が… おはよう。 こうしてると、普通のきょうだいだね。 わたしは普通ってどんなものか知らないけど… これから、一緒に知っていきたいな。 前は会いたくても会えなかったから余計に嬉しい。 本当はパパも…なんて、 前は思っていたけど… その夢だけは、もう見ないわ。 --- S1 --- 朝だよ。まだ眠いけど、 起きなきゃ世界は救えないんだから。 もー、相変わらず起きないなあ。 …でも嬉しい。こうしてるとわたしたち本当に、 普通の家族だね。もう二度と、失ったりしないわ。 『約束の指輪』は、竜石みたいに砕けたりなんかしない。 あなたはわたしが守ってみせる。 妹として、ただ一人のパートナーとして…! あ、やっと起きた。 今日も頑張ろう。 戦って、早く異界の門までたどり着かなきゃ。 …その時は必ず、わたしたちで… パパを止めようね。 おはよう。 わたしも最近、寝起きがいいんだよ。えへへ… わたしたちきょうだいが一緒にいたら、 きっと色んなことが乗り越えられるね。 --- S2 --- パートナーのわたしが起こしに来たよ。 …そっか、パートナーかあ、えへへ。 わたしのあげた石、ここに置いてくれてるんだね。 今のあなたならこれを使って、 ルミエルと同じ、真っ白な竜にでもなれそう。 わたしもいつか、正しい竜になりたいな。 ううん…なってみせるわ。 …血は変えられなくとも心は違うと、 あなたがそう教えてくれたから。 おはよう。 パートナーとして、今度はわたしを起こしに来てよ。 あなたが起こしてくれたら… わたし、嬉しくて飛びついちゃうかも。 あっ、ニヤニヤしてごめんね。 ただ嬉しくって。 …憧れだったきょうだいと対等になれた気がしたの。 わたしを選んでくれて…ありがとう。