=== アルフレッド === 数年の後、フィレネ国王として即位。 リトスや各国との親交をさらに深め 平和な国としての地盤を強固にした。 彼の結んだ新たな不戦同盟は永きに渡り フィレネ王国を戦から守り続けた。 国王としての在位は長くなく、 後の文献では短命だったとある。 しかし花のように咲き誇り民に愛された 彼の生涯は、間違いなく幸福であった。 === アンナ === 家族と再会を果たし、成人後は 立派な行商人として大陸を回った。 同じ顔と名の姉妹は大勢いたが、 神竜王と共にいたアンナだけは、 かつての旅を懐かしむように指輪を作り 各地で売り歩いたという。 先の戦争での紋章士の活躍が後押しし 指輪は民たちに大流行。 念願の大儲けを果たすこととなる。 === ボネ === 念願であった実家の食堂を再建。 ソルム王家、そして神竜王も食した 美食の店として大繁盛を極めたが、 暫くすると後継に店を譲り渡し 各国の味見をして回った。 旅で得た調理法は書物に纏められ、 料理人の聖典として伝わることとなる。 彼の死後も、かつて腕を振るった味は 民たちや神竜王の舌を楽しませた。 === ブシュロン === 主君と共に、フィレネ復興に尽力する。 大きな爪痕の残るフルルの港町は 立ち直るまでに長い年月を要したが、 以前の姿を取り戻した時には かつてないほどの嬉し涙を流した。 王城から港町へ行く道だけは 迷うことがないほど通い詰めており、 その優しさと献身を称え、街道には いつしか彼の名がつけられたという。 === セリーヌ === 即位した兄王を支え、 フィレネ王国の為にその生涯を捧げた。 治安を乱す者には厳しい制裁を加え、 時に嫌われ役になってでも 平和を守った姿は、真の王族として 後の歴史書でも称えられている。 彼女の好んだ茶葉はフィレネ全土で 幸福のお茶とされ、飲むと小さな幸せが 見つかるという伝承が生まれた。 === クロエ === 王城兵の任に一層励み、 公務に励む王族や鍛錬疲れの兵に 珍味を差し入れては元気づけた。 最初は怪訝な顔をしていた者も虜になり 以後、フィレネの名物料理には 少し変わった味のものが増えたとか。 数年後、屋台で出会った人物と 御伽噺のような大恋愛をし、 生涯の伴侶を得ることとなる。 === シトリニカ === 戦争を推し進める貴族たちに対し 新たな利を生む話を持ち掛け、 和平の道を説き続けた。 全ての者の説得は叶わなかったが いくつかの家は彼女の話に感銘を受け、 王の強固な後ろ盾となったという。 気苦労は多かったが暗さは見せず、 大好きな舞踏会で踊る笑顔はいつも 気品溢れる煌びやかなものであった。 === クラン === 先代の守り人から任を継ぎ、 正式に第三十三代竜の守り人となる。 心身ともに立派な青年となり、 冷静沈着な仕事ぶりはまるで 往年のヴァンドレのようだったという。 神竜王への大きな尊敬は変わらず、 後継の守り人を選ぶ際は どれだけ神竜王への愛が深いかを重視し 自ら試験問題を作ったほどであった。 === ディアマンド === 終戦後、ブロディア王として即位。 モリオン王の勇敢な遺志は継ぎつつも、 他国への侵攻は決して行わなかった。 特にイルシオンに対する民の感情を 正すことに長い年月をかけたという。 その方針は貴族たちの反感を買い 武力の国の名折れだと言う者もいたが、 鉱石の輸出で国を豊かにした政策は 後の世で偉勲とされている。 === エーティエ === 自慢の腕っ節を活かし 主君とフィレネのために働いた。 王城兵の育成には多大な貢献をし、 彼女の編み出した効率的な鍛錬と 味の良い筋肉増強剤のおかげで、 フィレネ城には平和の国に似合わぬ程の 屈強な騎士が増えたそう。 故郷では彼女の活躍を讃え、今でも 橙色の花が一面に植えられている。 === フォガート === 姉が即位するまで、ふらりと旅に出る。 見聞を広げ戻ってきた後は ミスティラ女王の補佐として働いた。 陰で動くことの多い役割を担ったとされ 明るく目立つ人柄に反し、 歴史書には確かな記述が少ない。 人一倍愛情深かったのは確かなようで、 旅先で出会った人物と情熱的な恋をし、 生涯添い遂げたと言われている。 === フラン === 先代の守り人から任を継ぎ、 正式に第三十三代竜の守り人となる。 おっちょこちょいな面は鳴りを潜め、 かつてのヴァンドレを思わせる程の 気配りができる人物となった。 神竜王への大きな愛情は変わらず、 後継の守り人を選ぶ際は 神竜王への声援の大きさを重視し 守り人候補の大声大会を主催したそう。 === ゴルドマリー === 騎士として叙勲を受けた後、 学園に戻り勉学に励んだ。 人に物を教える意外な才を見出され 騎士の任に励む傍ら、教師の道を志し 自称・学園屈指の美人教師となる。 彼女の教え子には次代のイルシオンを 担う要人となる者も多く出たが、 授業は毎回、その知性と美貌を 深く謝罪する挨拶から始まったとか。 === オルテンシア === 姉の即位を見届け、学園に戻る。 戦後の混乱の中ではあったものの 優秀な成績を修め、首席で卒業。 学んだ知識と天性の愛嬌で 口下手なところのある姉をよく助け、 ブロディアとの外交も盛んに行なった。 イルシオンの再起はアイビー王と 妹オルテンシアの献身の賜物だとされ、 二人は晴雪の姉妹と語り継がれたそう。 === アイビー === 終戦後、イルシオン王として即位。 蹂躙された各地の復興に尽力しながら 閉鎖的であった国の体質を変え、 イルシオンの叡智はそのままに ブロディアとの共存を推し進めた。 輸入した鉱石の加工産業を興し 活気ある国へ導いた点は特に評価され、 アイビーの名は敬愛する神竜王の その寿命よりも長く、歴史書に残った。 === ジェーデ === 主君の即位を笑顔で祝福し、 王の騎士として国のため尽くした。 忙しく任務を果たしながらも 物語の執筆をやめることはなく、 その巻数は百をゆうに超えたという。 彼女が生涯をかけて書いた戯話は 後世の人々の腹筋を震わせ、 神竜王にいつまでも懐かしく 昔を思い起こさせる名著となった。 === ジャン === 故郷に戻って勉強を続け、 若くして立派な医者となる。 診療所を継いだ後も、月に一度は 往診のためにリトスに訪れ、 神竜王に元気な姿を見せた。 新しい薬の調合に熱心で、 故郷の名産の茶葉は彼の研究の結果 万病に効く薬となったことが 後の世の医術書に記載されている。 === カゲツ === 王の即位後、忽然と姿を消す。 新たな強者を探しに旅立ったのではと 憶測を呼ぶが、真相は謎のままである… という空気になった頃、王城に帰還。 故郷の家族と話をし、家督は継がず 他国で生きる許しを得たと申し開き、 以降はアイビー王のために働いた。 たまに里帰りをした際は沢山の米を お土産にと持ち帰ったという。 === ラピス === 戦災で荒れた土地に出向き、 家や物の修理方法や自給自足の術を 懇切丁寧に教えて回った。 彼女の訪れた地には必ず、やたら美味で 大きな芋が置き土産にされたという。 後年その芋が評判となり、名産地である 芋の村は莫大な富を得て豊かになった。 図らずも宣伝をしたラピスは村の皆から 芋の女神と言われ崇められたそう。 === リンデン === あとは若者に任せると言い残し 懐かしい我が家へと戻る。 好きな読書や実験を楽しみ 気ままな隠居生活を送っていたが、 ある春の朝、最愛の妻の元に旅立つ。 神竜王や仲間たちは春雷が轟くたび、 彼の愉快な実験の数々や 独特な焼き菓子に思いを馳せた。 === ルイ === 武器を取る任からは退き、 王族の執事として貴人に仕えた。 彼の淹れる芳醇な紅茶は 戦後の任に疲労した体を癒し、 細やかな気配りは執政を滞りなく 機能させる助けとなったという。 献身的な姿に惚れ込み求婚する者も 多く現れたそうだが、それには顧みず、 遠くから花園を見ることを選んだ。 === リュール & アルフレッド === パートナーであるアルフレッドは、 フィレネ国王として即位後も鍛錬に励み フィレネ、リトス両国のため働いた。 神竜王の加護のお陰か、とても長生きし 幸福に満ちた生涯となったという。 === リュール & アンナ === パートナーであるアンナは、 戦後暫くして家族との再会を果たす。 神竜王と共にリトスの名産品を用いた 新商品を開発し続け、大人になった頃に 国を揺るがす売上を叩き出したという。 === リュール & ボネ === パートナーであるボネは、 リトスの食材で新たな料理を次々創作し 神竜王の健康を守り続けた。 後の世で、リトスは聖地でありながら 美食の地であるとの評価をされている。 === リュール & ブシュロン === パートナーであるブシュロンは、 神竜王を傍で支え守りながらも 祖国の港町の復興に尽力した。 以前の姿を取り戻した町を目にした時は 主君や仲間と共に涙したという。 === リュール & セリーヌ === パートナーであるセリーヌは、 政の面で手腕を発揮し神竜王を支えた。 時に非情な決断を下すこともあったが、 二人で過ごすお茶の時間を何よりも 大切にする優しい心は変わらなかった。 === リュール & クロエ === パートナーであるクロエは、 公務に追われる神竜王を助け癒した。 二人の睦まじい姿はいつしか民たちから 絵になる組み合わせの二人と称され、 後の世で御伽噺となったという。 === リュール & シトリニカ === パートナーであるシトリニカは、 財力や人脈をリトスや各国の為に捧げ 戦後の復興を推進した。その献身が 支持され、神竜王と寄り添う銅像が 故郷ブロディアに建てられたという。 === リュール & クラン === パートナーであるクランは、 いつしか心身共に立派な青年となり、 第三十三代竜の守り人を兼任しながら 神竜王を献身的に支え続けた。晩年も ピクルス作りの腕は衰えなかったそう。 === リュール & ディアマンド === パートナーであるディアマンドは 戦後すぐにブロディア国王として即位。 侵攻ではなく産業で国を豊かに導いた。 晩年は国王を退いたディアマンドが リトスで穏やかな時を過ごしたという。 === リュール & エーティエ === パートナーであるエーティエは、 リトスの地を蘇らせる為、鍛錬を兼ねて 花の種を蒔いて回ることが多々あった。 一面の花畑の中、仲睦まじく過ごす 二人の姿がよく見られていたという。 === リュール & フォガート === パートナーであるフォガートは、 外交と執政を担い、神竜王を助けた。 時折ふらりと出かけては土産を持ち帰り 愛の言葉と共に神竜王に贈ったそう。 二人は晩年も新婚のようだと称された。 === リュール & フラン === パートナーであるフランは、 第三十三代竜の守り人を兼任しながら 神竜王に愛情と尊敬を注ぎ続けた。 神竜王が民の前に立つ時には、誰よりも 声援を送り、場を盛り上げたという。 === リュール & ゴルドマリー === パートナーであるゴルドマリーは 学園を卒業した後リトスの地へと移り、 王城の一角で子供たちに物を教えた。 式典の際には必ず、神竜王とお似合いで すみませんと謝るのが名物だったそう。 === リュール & オルテンシア === パートナーであるオルテンシアは、 一度イルシオンに戻り、アイビーを助け 復興に励む傍ら学園での勉学に励んだ。 リトスに来る頃には淑やかな人物となり 学んだ知識で神竜王を支えたという。 === リュール & アイビー === パートナーであるアイビーは、 戦後すぐにイルシオン国王として即位。 神竜王の助けを受け、復興に尽力した。 仲睦まじい二人の姿は民にも支持され、 神竜信仰が根付く切欠となったという。 === リュール & ジェーデ === パートナーであるジェーデは、 王城騎士の育成にあたり、城を護る傍ら 神竜王との生活をまとめた物語を執筆。 親しみやすい愉快な文体が民の心を掴み 千年の後の世まで読み継がれたという。 === リュール & ジャン === パートナーであるジャンは、 成人後立派な医者として、王城の一角で 民たちの診察をし、多くの命を救った。 自身の健康管理の賜物か、神竜王の為か 戦後百年以上も生きたと言われている。 === リュール & カゲツ === パートナーであるカゲツは、 リトスを訪れる民を片っ端から友達にし 図らずも、聖地の親しみやすさに貢献。 晩年になっても神竜王と「でーと」をし 睦まじく過ごす姿が見られたという。 === リュール & ラピス === パートナーであるラピスは、 何でも作る腕を政治の面で開花させ、 民の気持ちに寄り添える王族として 神竜王と共に愛された。趣味で栽培した リトス芋は聖地の特産品となったそう。 === リュール & リンデン === パートナーであるリンデンは、 老練の叡智でリトスを再興へ導いた。 数年後に天国の妻の元へと旅立ったが、 共に過ごした思い出は神竜王の心に 雷の如く鮮烈に残り続けたという。 === リュール & ルイ === パートナーであるルイは、 神竜王と並び立つに相応しくあろうと 花園を見る暇もないほど働いた。 一日の終わりには必ず温かな紅茶を 神竜王の私室に届け、語らったという。 === リュール & モーヴ === パートナーであるモーヴは、 身分を隠し人助けを続け、民の間では 出会えば救われる美丈夫の噂が立った。 公務ではあまり表舞台に立つことはなく 静かに優しく神竜王を支えたという。 === リュール & メリン === パートナーであるメリンは、 故郷の村長の座を兄の一人に譲り渡し、 リトスの地で動物の研究に励んだ。 生涯をかけ神竜王と作り上げた図鑑は、 後の世の民に大きく評価されたという。 === リュール & ミスティラ === パートナーであるミスティラは、 数年の後にソルム女王として即位。 神竜王とは縛り合わぬ関係でありながら 逢瀬は多かったため、リトスやソルムで 仲良く肉を焼く姿が目撃されたという。 === リュール & Pair === 神竜 は、 新たなる神竜王として即位。 各国の王や仲間たちと繋いだ強固な絆で エレオス大陸を永き平穏へと導いた。 === リュール & パンドロ === パートナーであるパンドロは、 リトスに大教会を設立し、年に一度は 誰でも参加できる大きな宴を開いた。 宴には神竜王自身も必ず参加し、時折 軽快で珍妙な挨拶をかけていたという。 === リュール & パネトネ === パートナーであるパネトネは、 慣れぬ公務に勤しみながら両親のことを 探したが消息を掴む事は叶わなかった。 神竜王とは年を取っても大層仲睦まじく 結局、一度も喧嘩はしなかったという。 === リュール & ロサード === パートナーであるロサードは 学園を卒業した後、神竜王城へと移る。 絵画や装飾品で王城を華々しく彩り、 リトスに於ける芸術の発展に貢献した。 二人の肖像画は数千年飾られたとか。 === リュール & ザフィーア === パートナーであるザフィーアは、 じっとしているのは性に合わないと 王城騎士として城と神竜王を守った。 晩年まで腕を高めることに余念がなく、 神竜王との鍛錬は欠かさなかったそう。 === リュール & セアダス === パートナーであるセアダスは、 占いや踊りで民を魅了し、神竜王と共に 絶大な人気を得た。後の世の文献では 神秘的と称されたが、いつも城で元気に 食事をしていた姿は神竜王のみが知る。 === リュール & スタルーク === パートナーであるスタルークは、 執政で力を発揮しリトスを再興させた。 見違えるように泰然たる振る舞いとなり 公私ともに神竜王を支え守ったが、何か 失敗すると派手な土下座をしたという。 === リュール === 新たなる神竜王として即位。 ルミエルの面影を宿す優しき王となる。 仲間たちとの絆は子孫へと繋がり、 エレオス大陸は永き平穏に包まれた。 時折、異形兵の残党を薙ぎ倒す 蒼い髪の紋章士を見たとの証言が 様々な年代の記録に残っているが、 その正体が神竜王自身だったのか かの戦友であったのかは不明である。 === リュール & アンバー === パートナーであるアンバーは、 神竜王たっての希望でブロディアより アルパカたちを呼び寄せ牧場を作った。 式典の際にはアルパカ騎兵隊を結成し、 何代も語り継がれる伝説となったとか。 === リュール & ヴァンドレ === パートナーであるヴァンドレは、 戦後暫くすると竜の守り人の座を 後継に譲り渡したが、甲斐甲斐しく、 時に厳しく神竜王の世話をする姿は 生涯変わることがなかったという。 === リュール & ヴェイル === パートナーであるヴェイルは、 グラドロンの地を豊かな国へと導き 恵まれない子たちの孤児院を設立した。 そこで育った優しき竜族の子が数千年後 二人の後継として大陸を統べたという。 === リュール & ユナカ === パートナーであるユナカは、 周囲が驚くほど落ち着いた人物となり 鋭い観察眼と、時には汚れ仕事をこなす 豪胆さで神竜王を陰日向から支えた。 晩年も物真似の腕は衰えなかったそう。 === リュール & ゼルコバ === パートナーであるゼルコバは、 表舞台に立たず陰から神竜王を支えた。 後の歴史書には殆ど記載が見られず 謎の人物とされるが、忙しく働く傍ら 神竜王と「趣味」を楽しんでいたそう。 === モーヴ === ヴェイルの元に身を寄せ、罪滅ぼしにと 人助けや各国の復興に尽力した。 その善行は彼が晩年に至るまで続いたが ある日出かけたきり、その消息を絶つ。 不慮の事故に遭ったのだとも、 四狗に恨みを持つ人間に謀られたとも 言われているが、真実は定かではない。 確かなのは、彼が最期までヴェイルと 神竜王を気にかけていたことである。 === メリン === ミスティラの騎士として同行する傍ら、 旅の中で出会った動物の生態をまとめ 世界の珍獣図鑑を完成させる。 個性的な著書のため 手に取る人はあまり多くなかったが、 神竜王やヴェイルの貴重な情報もあり 後世では非常に高く評価された。 晩年、騎士を退いた後は故郷に戻り 村長として村をまとめ上げたという。 === ミスティラ === 戦後のいざこざを解決する名目で、 ソルムのみならず各国を放浪した。 王女としての責務は忘れず、城に戻ると 明るい笑顔で客人をもてなしたという。 長年、自由を謳歌したため 王として即位したのは随分後となるが、 放浪時代に触れ合った民たちから 友人のように愛され、ソルム有史以来 絶大な支持を得る女王となった。 === パンドロ === 戦後、多くの人を教会へと招き入れ 竜の種族を問わない新たな信仰を確立。 リトスの王城にて世界規模の宴を計画し 神竜王やヴェイルも大いに賛成したが 寸での処でヴァンドレに止められ、 予定よりも幾分厳かな形で開催された。 彼が好んで使っていた元気な挨拶は、 後に神竜王を崇める際の特別な祝詞に なったとか、ならなかったとか。 === パネトネ === ミスティラの騎士として仕え、 時には城で影武者を務めた。 留守番中、城内で肉を焼くなど 主君に似た奔放な行動をする反面、 腕っぷしには日々磨きをかけ 怪しい者は拳一発で沈めたという。 行方不明の両親の消息は掴めず 再び言葉を交わすことは叶わなかったが こっそりと、実家の教会を再建した。 === ロサード === 騎士として叙勲を受けた後、 各地に残る異形兵討伐の任に就く。 戦を嫌った彼だったが、学友たちが 勉学に励めるようにとの選択だった。 後に自身も学園に戻り、卒業を果たす。 晩年は芸術家として大成し、 可憐な王城兵との二つの顔を持った。 イルシオン城に永劫残る王族の肖像画は 彼の手がけた作品と言われている。 === ザフィーア === ブロディア王城に戻り、 ディアマンド王の護衛の任に就く。 腕の衰えを感じると潔く引退し、 故郷で魚料理の店を開いた。 小さな店構えに反し、各国の王城兵や 時には王族まで客として訪れたため 名店として繁盛したという。 看板メニューは、かつてモリオン王が 最も好んだ魚料理だった。 === セアダス === 流浪の旅人として、ソルム以外でも 占いや踊りを披露し生計を立てた。 各国に熱狂的なファンを作り、 晩年は神竜王との旅を言い伝える 吟遊詩人の役割も果たしたとか。 旅立つ前に行った占いでは 各国の美味を楽しみ、出会いに恵まれ、 幸せな生涯を送るという結果が出たが 見事的中したことは疑いようがない。 === スタルーク === 王城での書類仕事を担いながら、 時折イルシオンに渡り復興を支援した。 民のブロディアへの感情が緩和したのは 彼の功績であるとも言われ、結果的に 両国の推し進める貿易の後押しをした。 歴史書では、その謙虚すぎる姿勢も含め 大変な策士だと評価されている。 彼がかつてモリオン王に告げた 兄を守るとの言葉は生涯違えなかった。 === アンバー === 主君の即位を大いに喜び、 戦後の混乱を収めるために奔走した。 行く先では数々の珍騒動が起き、 愉快な伝承へと姿を変えることとなる。 歴史書にはディアマンド王の 信頼を受けた騎士として記述され、 彼自身もまた、憧れた伝説となった。 その肖像画は必ずアルパカに跨った姿で 描かれており、識者を悩ませたという。 === ヴァンドレ === 神竜 の即位後、 守り人の座を後継へと譲り渡す。 以降は一介の騎士として 浮遊島ソラネルの管理を引き受け、 生涯を神竜のために捧げた。 神竜王や仲間たちはヴァンドレに会いに 頻繁にソラネルを訪れたため、 旅の途中のような賑やかな光景に いつも目を細めていたという。 === ヴェイル === 浮上したままであったグラドロンの地を 預かり、緑溢れる国土へと導いた。 王族としての身分は望まないと ただの竜族であり続けようとしたが、 民たちの願いもあり、終戦より百余年後 グラドロン王国の初代国王となる。 その姿をかつての仲間たちが見ることは 叶わなかったが、その子孫たちや、 きょうだいである神竜王が祝福した。 === ユナカ === 戦いの後、大道芸を始める。 その演技力で見る者を魅了したが、 ある時、ぱたりと行方知れずとなる。 どこかで命を落としたとも、 別人として生きたともされているが 確かな情報がなく推測の域を出ない。 神竜王がたまに発する珍妙な言葉は 彼女の影響だといわれている。 === ゼルコバ === アイビー王の片腕として任を果たす。 イルシオンの戦災孤児に心を痛め、 孤児院の設立を促すとともに 自ら何人もの子を引き取って育てた。 家族ができると、より一層仕事に励み 趣味の時間もないほどの多忙を極めたが 彼自身は幸せそうであったという。 子供たちは父ゼルコバの真似をして、 妙に「意味深」な話し方をしたとか。