100211101 ロストラグナロク編(失われた千年王国編) 幕間 ディスラプターズ チーキー・プリズナー STAGE10 戦闘前
【ヘレナ】
こっちだよ
ちゃんとヘレナについて来るんだ
【ムー】 にしても、でかい城だな… 俺一人じゃ迷っちまうぜ、きっと
【ムー】 ゲバルト伯爵ってのは かなり力を持ってんだろうな
【ニール】 ゲバルトは皇帝の座を狙ってるのよ そのために斬ル姫を集めてるの ヘレナはその筆頭ね
【ヘレナ】
だからレーヴァテインをあんなに
簡単に受け入れたんだ
もう少し疑うべきなのに
【ムー】 見張りはついてたじゃねえか ヘレナが上手いこと言いくるめて 俺達を連れ出したけどよ
【ニール】 あんな連中、 ヘレナにかかれば赤子も同然よ ほら、宝物庫が見えてきたわ
【レーヴァテイン】
…………
【ヘレナ】
ヘレナ達はここまでだ
ゲバルトの宝物は
宝物庫の最奥に置いてある
【ヘレナ】
伯爵家に代々
受け継がれてるものらしいけど、
【ヘレナ】
具体的になんなのかは
ヘレナも知らない
【ニール】 ヘレナにだけは絶対に見せないよう 言いつけられてるみたいよ
【ヘレナ】
そんなこと聞いたら
余計気になるだろ？
だから見てみたいんだ
【ヘレナ】
こっそり持ち出して、さっき説明した
場所に置いたらすぐ部屋に戻るんだ
衛兵に怪しまれないようにね
【ムー】 なんだかワクワクしてきたぜ 俺、こういう悪戯けっこう好きかも しれねぇな！
【ニール】 ムーくんにも 悪戯の才能があるかもしれないねっ
【ムー】 だろー？ 俺もそうじゃないかと思ってたんだ なにしろ俺は史上最強最大の――
【レーヴァテイン】
行くわよ、ムー
【ムー】 おおおい！ 置いてくなよ、レヴァっ
【ニール】 行ったね、ヘレナ
【ヘレナ】
そうだね
上手くいくと良いけど
【ヘレナ】
…くふっ
【ニール】 今回の計画、 アタチにも詳しいこと 教えてくれてないけど、
【ニール】 ヘレナは本当に ゲバルトのお宝を見たいだけ？
【ニール】 それとも、 今から兵士達を叩き起こして
【ニール】 泥棒レーヴァテインを 追い回させるつもりかしら？
【ヘレナ】
それも面白そうだけど、
もっと楽しいことになりそうな
案があるんだ
【ヘレナ】
ゲバルトの宝物を、
皇帝のところに持っていくんだよ
友好の証としてね
【ニール】 ゲバルトは皇帝と仲良くしようなんて これっぽっちも思ってないのに！？ それは大胆な嘘ね！
【ヘレナ】
ヘレナは平和主義者なんだ
だからゲバルトと皇帝の仲を
取り持ってあげるんだよ
【ヘレナ】
ゲバルトは喜ぶだろうな…
そのときの顔を想像したら…
【ヘレナ】
ふふっ
【ニール】 ゲバルトは目を白黒させるわね！ …でも、ヘレナ そうなったとき、アタチ
【ニール】 さすがにヘレナを庇いきれないわ レーヴァテインに罪をなすりつける 算段はついてるのよね？
【ヘレナ】
…そんなものはないな
【ニール】 ヘレナ！？ アナタ、なにを言ってるの？ それじゃまた教育を…
【ニール】 ううん… もっと酷いことをされるかも しれないのよ！
【ニール】 ちゃんと自分の身を 守る仮面を被らないとっ
【ニール】 今からでも遅くないわ！ アタチと一緒に考えましょう ゲバルトを言いくるめる作戦を――
【ヘレナ】
そんなものはいらないんだ、ニール
【ヘレナ】
こんな窮屈なところで、
つまんないことばかりして生きて
なんになる？
【ヘレナ】
愉快な嘘と悪戯で楽しく死のう
何度、教育されても…
いいや、教育されるたび強くなるんだ
【ヘレナ】
ヘレナの中の声が
ここから出たい、ここから出たいって
うるさいくらいに
【ヘレナ】
ニール、この城は窮屈だよ…
ヘレナ達斬ル姫はとても窮屈だよ…
【ニール】 ヘレナ… 仮面を、仮面を被るのよっ
【ニール】 自分を騙すのっ そして楽しく生きましょう！
【ヘレナ】
ヘレナにはもう無理だ…
夢を見てしまったんだ…
彼女のせいで…
【ヘレナ】
あいつに会わなければ良かった
真っ直ぐ過ぎたんだ、あの目が
【ヘレナ】
本当は優しくて、でも不器用だから
上手く表現できなくて、
一人で背負い込んで肩肘張って…
【ヘレナ】
ヘレナとは正反対だ
あんな強い光には出会っては
いけなかったんだよ
【ヘレナ】
最悪だ…
レーヴァテイン…
【ヘレナ】
ヘレナはあいつが大嫌いだ
あいつはなんで…
【ヘレナ】
ヘレナが騙そうとしてるって
気づいているのに、
【ヘレナ】
黙ってヘレナの言う通り
動いているんだ！
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