100212030 ロストラグナロク編(失われた千年王国編) 幕間 ディスラプターズ イノセント・ヒーラー STAGE3
【ムー】 これまた、 あっけなくハルモニアに 入っちまったなあ…
【ムー】 ここは国境の警備も厳しいって 聞いてたんだが、どうなってんだ？
【ムー】 途中、やたらと人間の姿も見かけたが なにか関係あるのかね？
【ヘレナ】
この辺りは
ハルモニア教皇国でも
外縁にあたる
【ヘレナ】
住んでるのは壁の中に入れない
イミテーションばかりだよ
【レーヴァテイン】
ヘレナ…
その言い方はやめて
イミテーションは天使人達の方よ…
【ヘレナ】
レーヴァは本当に
悪魔人や天使人を嫌ってるな
幻獣人もか？
【レーヴァテイン】
あいつらは「人間」じゃない…
すでに別物に作り替えられて
しまっているの…
【ニール】 なんだか極端なこと言うのね 理由でもあるのかしら？
【ムー】 って、喋ってる間に随分と静かな ところに来ちまったぜ ここは墓地じゃねえのか？
【ニール】 共同墓地みたいね イミテーション…
【ニール】 あら、いけない 人間の墓地みたいよ
【ヘレナ】
ややこしいから
擬人区の人間達と呼ばせてもらう
【ヘレナ】
いずれにしろ、ここでも奴隷と
同じような扱いを受けているんだろう
もう少し行けば村があるみたいだ
【？？？】 …天使様 …天使様ですか？
【ムー】 なんだ、この嬢ちゃんは？ 悪ぃな、俺達は天使じゃねえんだ
【ムー】 嬢ちゃん、お名前は？ こんなところでなにしてんだ？ 親はどこ行った？
【？？？】 わたし、マリア… トカゲさんは天使様の お友達じゃないの？
【ムー】 俺はトカゲじゃねぇ！ いいか嬢ちゃん 俺は史上最大にして最強の―
【レーヴァテイン】
マリア、どうして私達を
天使だと思ったの？
【レーヴァテイン】
ハルモニアの斬ル姫とは
あまり似てないけど…
【ヘレナ】
そんな子どもに構ってる場合かな
【レーヴァテイン】
ヘレナ、茶々入れないで…
どうなの、マリア？
【マリア】 …だって、お姉さん達も 小さな動物を連れてるから 斬ル姫とは違うって分かるよ
【レーヴァテイン】
！？
【ムー】 なんだとっ？ マリアちゃん、もう少し詳しく 聞かせてくれ！？
【ムー】 俺やニールと同じような奴を 連れてる斬ル姫を 見たってことかい！？
【マリア】 うん…でも、斬ル姫じゃないよ 天使様なんだよっ ミラクルを起こしてくれるんだよっ
【ヘレナ】
ミラクル…
ふふっ
【ニール】 ヘレナ、笑ったら悪いよ …ふふふっ
【ムー】 お前も笑ってんじゃねぇか！
【ムー】 ミラクルを信じる心、 美しくて良いじゃねえの… なあ、レヴァ
【レーヴァテイン】
それはどうでもいい
その天使はどんな姿をしていたの？
連れていた動物はなにっ？
【マリア】 えっ… お姉ちゃん、怖いよ…
【レーヴァテイン】
うっ…
【ヘレナ】
レーヴァは実直で
純粋だからなぁ…
くふっ
【母親】 申し訳ございません！ どうか、お許し下さい！ お願い致します、斬ル姫様…！
【マリア】 ママ…
【母親】 この子は… 決して貴女方に逆らいませんっ… ですから、命だけはっ…
【ムー】 なんだ、なんだっ？ マリアの母親か？ おおい、土下座なんかやめてくれ！
【ムー】 俺達はマリアちゃんから 話を聞いていただけだぜ なにもする気はねぇよ
【ヘレナ】
…卑屈さが
すっかり染みついてるみたいだな
【レーヴァテイン】
立って
あなた達は一人の人間として
誇りを持つべきなの…
【レーヴァテイン】
斬ル姫にも屈してはいけない
まして天使人なんか論外よっ
【母親】 な、なんて畏れ多いことをっ… 貴女方は…他国の斬ル姫様なのですね どうしてこんなところに…
【マリア】 ねえ、ママ… 天使様、今日も会えなかった また来てくれるって言ったのに…
【母親】 マリア、お願いだから静かにっ… もう、そのことは忘れなさいって 何度も言ってるでしょっ
【レーヴァテイン】
いいえ
むしろ、その話を聞かせて欲しいの
安心して、私達は味方だから
【母親】 私達、擬人の味方…？ そんな斬ル姫、 聞いたことがありません…
【ムー】 ところがどっこい ここにいるんだなあ 俺様は最大最強の幻獣――
【ニール】 ひとまず場所を変えた方が良いわね
【ムー】 ニール！ お前、今のわざとだろっ
【レーヴァテイン】
そうね…
あなた達の家に案内して
【母親】 そんな…か、畏まりました… 斬ル姫様には決して逆らいません
【ヘレナ】
ふぅん…
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