100304010 ロストラグナロク編(失われた千年王国編) 第3章 デモンズルール 第4話 鬩ぎ合う信念 STAGE1
【アロンダイト】 梓弓、あなたの出番はナディア姫を 取り戻した後のはずです こんなところを見られたら…
【梓弓】 あなたが定時連絡を怠るから 十三議会がピリピリしているんです
【アロンダイト】 ごめんなさい… 少し慌ただしかったもので
【梓弓】 あなたらしくないですね なにかあったんですか?
【アロンダイト】 …平等社会について、また考えて しまっただけです
【アロンダイト】 トレイセーマの平等理念には斬ル姫や イミテーションが含まれていません
【アロンダイト】 完全なる平等社会の実現… 私が忠実に任務をこなし続ければ、 いつか変化が訪れる
【アロンダイト】 斬ル姫の立場も改善され、 厳しい管理下に置かれることも なくなって自由に過ごせる
【アロンダイト】 そう考えて剣を振り続けてきました ですが、アルマス達は違います
【アロンダイト】 いつかではなく今、イミテーションを 守り、他国の兵士を気に掛け、自国を 襲った斬ル姫まで助けました
【アロンダイト】 現状を打破したいのなら、今すぐ 動くべきではないのか…そんなことを 考えていたんです…
【梓弓】 アロンダイト…あなたは清らか過ぎる のかもしれません…
【梓弓】 でも…斬ル姫やイミテーションも 含めた完全なる平等社会が実現する なら、素晴らしいことだと思います
【芭蕉扇】 アハハハ! お笑いぐさね
【アロンダイト】 芭蕉扇! 油断していました… あなた、もう動けたんですね…
【芭蕉扇】 私は夜の方が調子が良いの ああ、安心して
【芭蕉扇】 咄嗟に隠れたお仲間のことは アルマス達には言わないわ 特に興味ないもの
【芭蕉扇】 それよりも、あなた達の掲げる 平等社会なんて愚かな妄想の方が 興味あるわ
【アロンダイト】 平等社会は妄想ではありません!
【芭蕉扇】 妄想でなかったら戯言よ いい?この世界は格差があって 当然なの
【芭蕉扇】 生まれながらにあらゆる面で差が 存在する 全員が同じ状態なんてあり得ない
【芭蕉扇】 だからこそ、唯一絶対の基準である 「力」が全てを支配すべきなのよ
【アロンダイト】 弱者を切り捨てるような ケイオスリオンの考え方には全く 賛同できません
【芭蕉扇】 そんなこと言って、あなただって 力を求めているじゃない
【芭蕉扇】 十三議会に命じられた任務をこなせば 斬ル姫の立場が改善する? それってつまり…
【芭蕉扇】 幻獣人から使役されない立場という 「力」が欲しいだけでしょ
【芭蕉扇】 十三議会のもつ「権力」を自分達も 手にしたい そういう渇望に過ぎないわ
【アロンダイト】 私達の理念を、貴女の勝手な解釈で 歪めないで下さい!
【アロンダイト】 トレイセーマの目指す平等社会は、 全ての人々が幸福に暮らすために あるんです
【芭蕉扇】 それこそ、お笑いぐさね! 万民に幸福をもたらすのは 平等じゃない
【芭蕉扇】 絶対的支配よ!
【芭蕉扇】 圧倒的な力を持つ皇帝陛下が 全てを決めて、他の者はそれに従うの
【芭蕉扇】 力の無い者は考えるだけ無駄よ だって実行する力がないのだから
【芭蕉扇】 できもしない妄想を思い描いて 悩み苦しむくらいなら、力ある者に 傅いている方がずっと幸せ
【アロンダイト】 あなたは、本当にそれで幸せなの ですかっ? 私には理解できません!
【芭蕉扇】 あなたも「あの方」に会えば分かるわ 支配される悦びもあるのだと
【アルマス】 「あの方」って誰?
【アロンダイト】 !?
【芭蕉扇】 あら…さすがに起きてしまったのね
【アルマス】 あんなに騒いでたら、ね
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