100605060 ロストラグナロク編(失われた千年王国編) 第6章 デモンズフェイク 第5話 布団が吹っ飛んだ STAGE6
【ナディア】 お話しとは、フェイルノートが 言っていたことについてですよね?
【アルマス】 うん… それにも関係してることよ 実はハルモニアで…
【ナディア】 そうですか… 教皇があなたにそんなことを
【アルマス】 隠しておきたくなかったから 全て打ち明けたの その上で言うわ
【アルマス】 私はナディアに「鍵」になって 欲しくない
【アルマス】 教皇に言われたからじゃなくて 私自身の気持ちとして、ナディアに 消えて欲しくないのっ
【ナディア】 アルマス… ありがとうございます
【アルマス】 フェイルノートが変に煽ってきたから 悩んでるのかもしれないけど、 そんなの気にしなくていいのよっ
【アルマス】 力を得られるチャンスがあるからって 絶対に力を手に入れないといけない わけないわ!
【アルマス】 私がナディアを守る 無力だったら価値がないなんて 大間違いなんだから!
【アルマス】 ねえ、初めて会ったときのこと 覚えてる? ティルヘルムで…
【ナディア】 私がアルマスにぶつかって しまったんでしたね…
【アルマス】 うん… あの少し前、私、ティルヘルムで 戦うことがあって…
【アルマス】 ちょっと妖精達に怖がられてたのよ それで…居心地があんまり良く なかったんだけど…
【アルマス】 あなたに会って、ティニ達とも違う 普通に話せる相手ができたの
【アルマス】 それまで「人類の復権」とか 大きなことばかり意識してたけど、 あなたを守るんだって聞いて
【アルマス】 何て言うか… すごく嬉しかったの
【アルマス】 やるべきことが具体的になったから っていうのもあるけど、きっと
【アルマス】 ナディア 私があなたを守りたいと 素直に思えたから
【アルマス】 妖精達にもラグナロクの人達にも 慕われていて、みんなに優しくて、 そんなあなたが眩しかった
【アルマス】 会えた回数も時間もそんなに 多くなかったけど
【アルマス】 あの頃の私にとって一番大切な 思い出なんだ
【アルマス】 私はナディアの優しさが好きだし、 それに癒されてる人はたくさん いるよっ
【アルマス】 それにギルだってナディアが いなくなったら泣くわ!
【アルマス】 ナディア…自分を犠牲にしようなんて 思わないで あなたはそのままでいい
【アルマス】 ううん そのままがいい
【ナディア】 アルマス…
【アルマス】 これが、私の本心
【アルマス】 だから、ナディア あとはあなたが決めて
【アルマス】 あなたが決めたことなら、 私は受け入れられるから
【ナディア】 …懐かしいですね ラグナロク王国での日々 ティルヘルムであなたに出会って…
【ナディア】 そういえば、私の記憶では アルマスはいつもオベロン様や ティターニアに叱られていましたね
【アルマス】 そ、そうだったっけ…
【ナディア】 はい、そうでしたよ たまに遊びに来たと思ったら 「匿って」って言い出して
【ナディア】 あなたをクローゼットに隠して ティターニアに嘘をついてしまったり …大変でした
【アルマス】 だってオベロン様もティニも 私には厳しいんだものっ
【アルマス】 私のことを庇ってくれるのは ナディアだけだったし、 たった一人の…友達、だったから
【ナディア】 まだ、ギルがお城に 引き取られる前だったので
【ナディア】 私にとっても アルマスが唯一の、友達でした
【アルマス】 ナディア…
【ナディア】 それだけでなく、 アルマスは私にとって 憧れの存在でもあったんですよ
【ナディア】 あなたは私が危機のとき 必ず駆けつけてくれました 三国が侵攻してきたときも…
【アルマス】 今にして思えば、大分、 気負ってた気もするのよね 大げさな名乗りを上げたりして
【ナディア】 ふふっ でも、本当に嬉しかったんです
【ナディア】 ラグナロク王国に戻ったときも、 危機的な状況で、私はあなたが 来てくれると信じていました
【アルマス】 あのときは…むしろナディアが 私に力を与えてくれたのよ
【ナディア】 アルマスの力になりたい一心で… あまりよく覚えていないのですけれど あのとき、一つ分かりました
【アルマス】 分かった? 何が?
【ナディア】 アルマス…ギルの話を覚えていますか 布団が吹っ飛んだって
【アルマス】 ぷふっ…あははははっ こんなときに笑わせないでよ! いきなり何なのっ?
【ナディア】 ごめんなさい 最後に… あなたの笑顔を見ておきたくて
【アルマス】 えっ…?
【ナディア】 アルマス、ありがとう やっと決心がついたんです 私は「鍵」になります
【アルマス】 ナディア…!
【ナディア】 安心して下さい 自分を犠牲にしようなんて 考えてはいません
【ナディア】 私は、あなたと対等な関係でいたい そう思っているんです
【アルマス】 私に守られてばかりじゃ 嫌だって言うの…?
【ナディア】 嫌…というのとは少し違いますね 物足りない、のかしら? 上手く言えないけれど…
【ナディア】 ただ、ティルヘルムで アルマスの力になれたと感じたとき、 純粋に嬉しかったんです
【ナディア】 それはきっと、あなたの力に… 友達の力になれたからです
【ナディア】 私も、私の大切な人々を守りたい その力があるというのなら、 それを手にして…
【ナディア】 全ての人々が平穏に暮らせる世界を 目指します あなたと一緒に
【ナディア】 それが、私の意思です
【アルマス】 ナディア… うん、分かった 分かったわ
【アルマス】 ナディアがそう決めたのなら 私はそれを受け入れる!
【ナディア】 ありがとうございます アルマス…今まで…うっ… ううっ…
【アルマス】 ああ、もう… 私だって我慢してるのに
【ナディア】 ごめんなさい… そんな…つもりじゃないのに… きっとまた…必ず…
【アルマス】 分かってる きっと会えるわ… だから泣かないで
【ナディア】 はい…ううっ…
【アルマス】 困ったお姫様ねっ… ほら、布団が吹っ飛んだ
【ナディア】 ふふっ…ふふふっ… アルマスの笑いのツボはやっぱり 分かりません
【アルマス】 ほら、最後にあなたの笑顔を見せて 旅立ちは、笑顔でいるべきよ
【ナディア】 はい アルマス、今までありがとう また、必ずっ
【アルマス】 うん 絶対に、また会えるわ
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