10066202 ナーゲルリング 『剣群の陰』
あれから数時間後─
【ナーゲルリング】 はぁぁぁぁぁ~~~……
誰もいなくなった教室で一人、 とても大きな溜め息をついている ナーゲルリング
【ナーゲルリング】 なんであんなこと 言っちゃったかなぁ…
【ナーゲルリング】 マスターは私のことを 心配してくれてるだけなのに…
【ナーゲルリング】 はぁぁぁぁぁ~~~……
【ナーゲルリング】 激しく自己嫌悪……
『焦らなくてもいいよ、 きみにはきみのいいところが あるからね』
【ナーゲルリング】 マスターはそう言ってくれたけど…
【ナーゲルリング】 新しく手に入れた力でもダメ… 性格も最悪……
【ナーゲルリング】 そんな私にいいところなんて…
と言って、そのまま ガックリと机に突っ伏す彼女
【ナーゲルリング】 あぁ…鳥になりたい…
【ナーゲルリング】 どこかに飛んで行ってしまいたい…
突っ伏したまま顔を横に向け、 空を飛ぶ鳥たちを 憂鬱な目で窓越しに眺めている
…そんな時、
【ナーゲルリング】 ……ん?
【ナーゲルリング】 あれは…マスター?
空を飛ぶ鳥たちから視線を落とすと、 そこには木に登っている マスターの姿が…
【ナーゲルリング】 なにやってるんだろ…?
【ナーゲルリング】 …あ
【ナーゲルリング】 もしかして、あのヒナを…?
よく見ると、 木を登るマスターの手には ヒナが鳴く鳥の巣が
【ナーゲルリング】 そっか… 巣が落ちちゃったんだ…
【ナーゲルリング】 それを戻してあげようと…
【ナーゲルリング】 マスター……
一生懸命、登るマスターを 見つめるナーゲルリング
すると……
【ナーゲルリング】 あっ!!
【ナーゲルリング】 危ないっ!!
強烈な突風… マスターは煽られ、 木から落下してしまった
【ナーゲルリング】 マ、マスター!!
慌てて窓を開け放ち 顔を出す彼女
【ナーゲルリング】 …よかった
マスターはなんとか片手で 枝にしがみついていた
選択肢:
- はは…無茶するもんじゃないね → select_label_01へ
- はは…ギリギリセーフ…だね → select_label_02へ
- はは…ヒナも無事だよ → select_label_03へ
マスターはなんとか片手で 枝にしがみついていた
select_label_01:
【ナーゲルリング】 もう…今、助けますから!
select_label_02:
【ナーゲルリング】 もう…じっとしてて下さいね!
select_label_03:
【ナーゲルリング】 もう…一緒に助けてあげますからね!
select_label_end:
そういって、 彼女が助走のために 一歩後ずさった瞬間
【ナーゲルリング】 あっ!!
マスターが握っていた枝は、 無情にも折れてしまったのだった
【ナーゲルリング】 マスター!!
地面に真っ逆さまに 落ちていくマスター
ほんの数瞬の間に、 彼女の頭に様々な想いが 駆け巡る
【ナーゲルリング】 ダ、ダメ…間に合わない…!
【ナーゲルリング】 私の今の力じゃ… マスターを助けられない!
『焦らなくてもいいよ、 きみにはきみのいいところが あるからね』
【ナーゲルリング】 いつも私を励ましてくれるのに…
【ナーゲルリング】 いつも私を元気づけてくれるのに…
いつも大人ぶって説教して! マスターのそういうところ……
とても腹立たしいですっ!!
【ナーゲルリング】 あんなこと言ったまま、 お別れだなんて… そ、そんなの…いや……
【ナーゲルリング】 でも私には…どうすることも……
彼女が諦めかけた、その時……
『絶対だいじょうぶだよ!』
【ナーゲルリング】 !!
それは、ナーゲルリングの 心に鳴り響いたさくらの声
【ナーゲルリング】 ありがとう、さくらちゃん…
【ナーゲルリング】 絶対……だいじょうぶ!
彼女の体が強烈な光を放つ
【ナーゲルリング】 間に合って!お願いっ!!
光に照らされた彼女の影が、 マスターの体を受け止める
間一髪、マスターは 地面スレスレで彼女に 助け出されたのだった
【ナーゲルリング】 よ、よかったぁぁ~~
マスターの元に彼女が駆け寄る
【ナーゲルリング】 だ、大丈夫ですか、マスター!?
【ナーゲルリング】 ほら、ヒナちゃんも無事ですよ?
手の上で元気に鳴くヒナを見せる
そんな彼女にマスターが呟いた
きみのいいところは…
選択肢:
- すぐに行動できるところ → select_label_04へ
- 人のことを第一に考えられるところ → select_label_05へ
- 土壇場に強いところ → select_label_06へ
きみのいいところは…
select_label_04:
【ナーゲルリング】 …!私の…いいところ
select_label_05:
【ナーゲルリング】 …!私の…いいところ
select_label_06:
【ナーゲルリング】 …!私の…いいところ
select_label_end2:
【ナーゲルリング】 そっかぁ……
【ナーゲルリング】 あ…ありがとうございます!
彼女の心が マスターと共鳴する
それは彼女が 新たなるスキルに 目覚めた瞬間であった
【ナーゲルリング】 『剣群の陰』が 覚醒したみたいです!
【ナーゲルリング】 あの、マスター… さっきは…
【ナーゲルリング】 ひどいこと言っちゃって… ごめんなさい
【ナーゲルリング】 私、マスターのおかげで 気づけました…
【ナーゲルリング】 ずっと力が 上手く使えないと 思ってたけど…
【ナーゲルリング】 大事なのは… 「誰かを助けたい」 その想いだったんですね
【ナーゲルリング】 さくらちゃんもそうでした いつも誰かのためにがんばって…
【ナーゲルリング】 ねぇ、マスター 私…
【ナーゲルリング】 さくらちゃんみたいになりたい!
【ナーゲルリング】 不思議な力だけじゃなくて、 とっても優しくて強い 彼女のようになりたいです!!
そう宣言した彼女の瞳は、 とても力強く輝いている
そんな彼女の頭を、
「がんばってね」
と、撫でるマスターだった
【ナーゲルリング】 も、もう! 子ども扱いしないで下さい!
顔を真っ赤にして怒る彼女は、 とても健気で可愛らしかった
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