100702050 ロストラグナロク編(失われた千年王国編) 第7章 ツイン・ウェイク 第2話 二人の理由 STAGE5
【マルガリーテ】 お久しぶりです 郷原さん…
【郷原】 マルガリーテ… オヌシまで実験体に志願するとはな…
【マルガリーテ】 私に出来る償いは、もう… このくらいしかありませんので…
【郷原】 桐生は…
【郷原】 いや、やめよう オヌシはワシが全力で支援する 人類のために戦ってくれ
【マルガリーテ】 はい… ありがとうございます
【郷原】 彼女達七人は『セブンスキラーズ』と 名づけられ、悪魔との戦いにおいて 目覚ましい成果を挙げた
【郷原】 近いうち、天上世界に上げて 完全体へと成長させる ワシは自身の行いに満足していた
【郷原】 そんなときだった
【郷原】 彼が、来たのだ――
【部下】 郷原さん、逃げて下さい!
【郷原】 どうした?魔獣の襲撃か? 狼狽えるな
【部下】 いえ、そうではなく… うわあああああああ!?
【マサムネ(♂)】 てめえが郷原か…
【郷原】 いかにも、ワシが郷原至道だ オヌシは誰だ?
【マサムネ(♂)】 ハッ! そんなところで偉そうにしてるから 最前線にいる奴の顔すら知らないんだ
【マサムネ(♂)】 俺はマサムネ 毎日、魔獣どもと戦ってる キラーメイルだよ
【郷原】 そうか、それは失礼 だが、オヌシも随分と不躾では ないかな?
【マサムネ(♂)】 不躾にもなるだろうよ 何しろ…
【マサムネ(♂)】 てめえをぶっ殺しに 来たんだからなあ!!
【郷原】 …理由を聞かせてもらいたい ワシがオヌシになにをした?
【マサムネ(♂)】 俺に? いいや、俺じゃない…
【マサムネ(♂)】 てめえは俺の妹を…キラープリンセス にしやがっただろうがぁ!
【郷原】 !? そうか…オヌシは彼女達の肉親 だったのか…
【郷原】 だが、理解して欲しい 彼女達は自らの意思で実験体と なったのだ
【郷原】 実験は全員成功している 君の妹さんもキラープリンセスとして 立派に戦って――
【マサムネ(♂)】 ふざけるな!ふざけるなよ! 美談なんかにしようとするな! 何が『立派に戦っている』だ!
【マサムネ(♂)】 てめえは最前線を見たことが あるのか!?
【マサムネ(♂)】 命がけで戦い続ける 連中のことを知ってるのか!?
【マサムネ(♂)】 所詮、てめえは安全なところに ふんぞり返って、他人を戦場に 送り込んでるだけだろうが!
【マサムネ(♂)】 思い上がってんじゃねえぞ、 この偽善者が!
【マサムネ(♂)】 何で妹がっ… 妹が戦わないといけないんだ…!
【マサムネ(♂)】 何で…あいつまで…
【ゼロ】 マサムネ、やめろ!
【郷原】 …………
【ゼロ】 どっかのお偉いさん、失礼したな 単なる八つ当たりだ 気にしないでくれ
【マサムネ(♂)】 ゼロ…! 俺はっ…こいつをっ…!
【ゼロ】 やめておけ お前の刀はこんなところで抜く もんじゃねえ
【郷原】 …………
【部下】 大丈夫ですか、郷原さん!? あのキラーメイル…魔獣化が進んで おかしくなってるんじゃないかっ?
【郷原】 確かに八つ当たりだったのかもしれん ワシにもワシの言い分があった
【郷原】 だが、ワシは自分の行いに疑問を 抱いてしまったのだ
【郷原】 このまま若者達を戦地に送り込み、 自分はのうのうと生き存えていて 良いものかと
【郷原】 だから決断した キラーメイルとして 生きていくことを
【郷原】 ワシはヴァナルガンドとなった
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