100801020 ロストラグナロク編(失われた千年王国編) 第8章 アビス・メモリー 第1話 地底世界へ STAGE2
【ティルフィング】 地上に平和が戻り、 キラープリンセスもキラーメイルも 眠りに就いた後――
【ティルフィング】 私はユグドラシルの根元で 人々の営みを見守り続けることに しました――
【ティルフィング】 初めの頃は天上世界との行き来も あったのです 成長したトトや皆さんとの交流も――
【ティルフィング】 ですが、長い長い年月を経て、 いつしか私は一人になりました――
【ティルフィング】 母のように人々を慈しむ女神に なろうとユグドラシルの根元から 世界を見守り続け――
【ティルフィング】 さらに長い長い時が経ったのです
【新世界の人々】 我々が地上の支配者となって久しい 全ての生命を思いのままとする 技術の確立まであと一歩だ
【新世界の人々】 機械と生命の融合 完全なる生命の創造 我々に不可能なことなど何もないぞ
【新世界の人々】 世界の神秘は全て解明され、 我々は神の領域へと近づきつつある 全ての実験が成就するとき
【新世界の人々】 我々は今度こそ“バベルの塔”を 完成させ、“千年王国”へと 至るのだ!!
【ティルフィング】 永き平穏の日々は、しかし、 人の心に傲慢の種を植え付けたのかも しれません…
【ティルフィング】 数限りない実験が為されました あらゆる事柄が研究の俎上に乗り、 分析・解析されていったのです
【ティルフィング】 そして、人工的な神の創造へと 人々は邁進していきました
【ティルフィング】 神が人を創造したように、 今度は人が神を創造する 「神」と「人」の逆転――
【ティルフィング】 それがあの頃の人々が目指していた 最終目標…新たな“バベルの塔”です
【ティルフィング】 神魔契約という勝手な取り決めに よって残酷な運命を背負わされた 人類にとって――
【ティルフィング】 自分達に逆らわず、害を及ぼさない 「神」の創造はとても魅力的な ものだったのでしょう
【ティルフィング】 私は幾度となく疑問を呈しました けれど…その頃、私の声を聞いて くれる方はほんの一握りで…
【ティルフィング】 私は、人々に悲劇が訪れないよう ユグドラシルで祈り続けることしか できませんでした
【ティルフィング】 そして、あのことを知ったのです
【ティルフィング】 ……………………
【ティルフィング】 この感覚は、何? ユグドラシルよりずっと下から 何かが這い上がってくる…
【ティルフィング】 どうしていままで気づかなかったの? 地上世界のことばかり気にしていて、 みんなのことを忘れていた…
【ティルフィング】 ユグドラシルで眠っている 仲間達のことをっ…
【ティルフィング】 確かめないと… 私は今、ユグドラシルと繋がっている 調べるのは容易なはず
【ティルフィング】 誰なの!? 地底から手を伸ばしている、 アナタは誰!?
【???】 おっと 気づかれてしまったようだね
【???】 もう少しで全ての斬ル姫が こちらの手に入ったというのに まあ、それも一興かな
【ティルフィング】 全ての斬ル姫をっ? アナタ、何を言って…えっ? まさか…
【???】 そうだよ、ティルフィング 今、12人目がこちらの手に 落ちたところだ
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