10262202 カラドボルグ 『タイタン・ブラン』
引き続き、 街でイースターエッグ作りのヒントを 模索するカラドボルグとマスター
しかし…
【カラドボルグ】
ダメ…見つからないわ
【カラドボルグ】
このままじゃ、
本番までに間に合わない…
心配する彼女にマスターは 「おいしいものを食べてまた探そう」 と、提案するのだった
席に着いてから、マスターは彼女に、 クラウ・ソラスをライバル視する 他の理由を尋ねてみた
【カラドボルグ】
クラウ・ソラスって…
本当に生真面目で
不器用なところがあるの
【カラドボルグ】
でも、私は…
そんな彼女が羨ましくなる
時があるわ
【カラドボルグ】
なにか一点に向かい、
ひたすら突き進むものは
気高く美しいから
そう話す彼女にマスターが応える
きみだって クラウ・ソラスにはない 素敵なところ、あるよ
【カラドボルグ】
…え？どこ…？
それは自由奔放に見えて、 実はちゃんと仲間想いなところ
【カラドボルグ】
…！仲間想い…
たしかにクラウ・ソラスの集中力は すごいけど、君も負けないぐらい 気配りが出来るじゃないか
気配りが出来るってことは、 言い換えれば 視野が広いってことでしょ？
【カラドボルグ】
………
なにか一点に向かい、 ひたすら突き進むのも もちろん素敵だけど…
周りが見えてるってのも 大人っぽくて素敵だよ そう言って微笑むマスター
【カラドボルグ】
周りが見える……
それって…
自問する彼女
【カラドボルグ】
…！…あ！
その時、なにかが 彼女の目に留まった
【カラドボルグ】
あれは…
視線の先には、 大きなピザ窯が
【カラドボルグ】
！！
【カラドボルグ】
今…なにか閃いた…
【カラドボルグ】
今までの私は…
クラウ・ソラスに
勝とうと思い詰めてたのかも…
【カラドボルグ】
彼女に勝つには
可愛いところを推すしかないって…
でも…
【カラドボルグ】
ヒントが見えたわ！
そう言って、店を飛び出す彼女
あれ？ピザ食べてかないの？ そう言って、後を追うマスターだった
【カラドボルグ】
なにか…わかった気がした…
私たちならではの
イースターエッグが！
部屋へと帰ってきて、 黙々と作業に専念する彼女
しばらくして…
【カラドボルグ】
……できた！
【カラドボルグ】
でも…これって…
それは炎の絵が描かれた イースターエッグ
まるでクラウ・ソラスを イメージして作ったみたいだね マスターが彼女に声を掛ける
【カラドボルグ】
私、気が付いたら…この模様を…
【カラドボルグ】
あのピザ窯の炎を見て…
【カラドボルグ】
燃え上がるような集中力を持つ
クラウ・ソラスを
無意識にうちにイメージしたのかも
そう言う彼女のイースターエッグの 模様はまるで生きているかのように 不思議な雰囲気を放っていた
【カラドボルグ】
やっぱり…
可愛く作ろうとしなくて
良かったんだ
【カラドボルグ】
ただただ仲間のことを思って、
イメージを膨らませて
描けば良かったんだわ
【カラドボルグ】
クラウ・ソラスに勝ちたい
気持ちもあるけど…
【カラドボルグ】
何よりマスターと隊の皆にも
イースターを楽しんで欲しいもの
【カラドボルグ】
仲間の存在を常に感じ、
戦局を見極めた一手を選び取る
【カラドボルグ】
なんだかこれって
戦闘でも活かせそうね
エッグ作りにのめり込むうちに、 彼女は新たなるスキル 『タイタン・ブラン』に目覚めていた
そして、数時間後─
彼女の目の前には、 たくさんのイースターエッグが
それは炎や雷、天使の羽や魔弾など、 色んな姫を 彷彿とさせるデザインだった
【カラドボルグ】
私たちならではの
イースターエッグも
完成間近ね
その出来栄えを見て、 彼女が呟く
【カラドボルグ】
うん、いいわね
好きだわ、こういうの♪
【カラドボルグ】
ありがとう、マスター
大切なことに気づかせてくれて
【カラドボルグ】
私…クラウ・ソラスと自分を比べて、
いつの間にか狭い範囲でしか
ものを見られなくなってたのね
【カラドボルグ】
あなたは、
そんな私の目線を変えてくれた
広い世界に呼び戻してくれた
【カラドボルグ】
そんなあなたをイメージして
描いたのが…これよ
と、卵を出す彼女
【カラドボルグ】
そう、空
【カラドボルグ】
すべてを
包み込んでくれるような
大きな青空！
【カラドボルグ】
そして、これは私
彼女のイースターエッグは、 空にかかる奇麗な虹だった
【カラドボルグ】
ふふ、あなたが
見守ってくれていたら…
私はもっと輝けそうだわ
顔に絵の具を付けたまま 微笑む彼女の瞳は、まさに 虹のようにキラキラと輝いていた
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