10272203 クラウ・ソラス 『ツール・ド・ノワール』
そして、 ボンネットパーティー前日─
【クラウ・ソラス】 こっちだ、マスター
自分が装飾した会場を見せるため、 みんなより一足早く、 マスターを招待するクラウ・ソラス
【クラウ・ソラス】 まあ、 埃が溜まるからグラスの類は まだ並べていないが…
そう言いかけて、クラウ・ソラスは マスターがいつもと違う格好を していることに気がついた
【クラウ・ソラス】 ん?なんだ、その格好は?
マスターは見慣れぬ帽子を被っている
【クラウ・ソラス】 そうか、イースターの扮装か ははっ、なかなか似合うな
今日はお祝いだ、 二人だけのお茶会を開こう …と、提案するマスター
【クラウ・ソラス】 お祝い…? パーティーは明日だぞ? なんのお祝いなんだ?
不思議の国のアリスに出てくる 帽子屋の茶会でも、なんでもない日を 祝うってシーンがあったし
いいんじゃない? なんでもない日を祝うってのも
【クラウ・ソラス】 ……そうか、 それはいいな
【クラウ・ソラス】 でも本当は… この前のエッグハントの件で 落ち込んでいた私のため、
【クラウ・ソラス】 お茶会を開いてくれようと してるんだろ?
【クラウ・ソラス】 こんなバカな私のために… ありがとう
マスターの粋な計らいに、 素直に礼を述べる彼女
周りが見えなくなるくらい、 本気で一生懸命になれるなんて、 カッコイイと思うよ
【クラウ・ソラス】 …!
僕にはそこまでの集中力は無いし と、マスターは笑顔で答えるのだった
【クラウ・ソラス】 前にも言ったと思うが…
【クラウ・ソラス】 女らしくて、 料理も上手いカラドボルグに、 憧れの気持ちはある
【クラウ・ソラス】 でも、思うんだ
【クラウ・ソラス】 今は勝てなくても… 持ち前の“集中力”で いつかは追いついてやろうって!
その決意は新たなスキル 『ツール・ド・ノワール』を もたらす
そう告げながら、 マスターに紅茶を淹れる彼女
【クラウ・ソラス】 ふふ、それにしても… なんでもない日を祝えるんなら、 364日もハッピーだな?
364日か、 それも不思議の国のアリスだね
その笑顔と、淹れてくれた紅茶に ホッと心が和むマスター
【クラウ・ソラス】 ねぇ、マスター カラドボルグとは なにもかも違う私だけど…
【クラウ・ソラス】 今日、1つだけ共通点ができたよ
【クラウ・ソラス】 それは…
【クラウ・ソラス】 ほんのちょっとだけ… 自分に自信が持てたこと!
【クラウ・ソラス】 あ~あ、でもやっぱり残念だ エッグハントがあったら、 特訓の成果を見せられたのにな
【クラウ・ソラス】 はは、こんな私… やっぱ女らしくないよね?
さっき紅茶を淹れてくれてる時は、 すごく女の子らしかったよ
…と、返すマスターに対し、 思わずクラウ・ソラスは 椅子から落ちてしまう
【クラウ・ソラス】 か、からかうな…! 恥ずかしいだろ…!
本当は嬉しいのに、 ついそっぽを向いてしまう 純情なクラウ・ソラスだった
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