110150350 ロストラグナロク編(失われた千年王国編) 第15章 ソリタリー・ホープ 第3話 神令世界-5
【村長】 多くの尊い犠牲により、 この村は救われました
【村長】 魔物の群れに果敢に挑み、そして 生還した勇者ホップを皆で讃え ましょう
【村人達】 オオオオオオオオオ!
【ホップ】 …………
【アルマス】 ホップは、まだ傷が癒えていないのに 広場で見せ物にして… 何のつもりよっ
【ティターニア】 仕方ないのです、アルマス あまりに大きな悲劇でした…
【ティターニア】 そんなとき人々は英雄を、 希望を求めるのです 縋るべき拠り所を
【アルマス】 それがホップだっていうの… そんなの、あんまりだわ
【アルマス】 祭り上げる存在が欲しいなら、 私が代わりになってあげるわよ!
【ティターニア】 それではいけないんです… 英雄は余所者ではなくて、 村人でないと意味がありません
【アルマス】 くっ…
【アルマス】 ホップ、大丈夫? 村長達と長いこと話し合っていた みたいだけど…
【ホップ】 平気だよ… 俺は生きてる… 死んでしまった人達に比べたら…
【ティターニア】 自分を責めないで下さい アナタだけでも助かって本当に 良かったのですから
【ホップ】 うん… 俺、英雄になるよ みんなの希望になる
【アルマス】 急にどうしたの?
【ホップ】 さっきまで村長さん達と村の守りに ついて話してたんだ
【ホップ】 俺は、もっと石垣を高く積んで 守りを固めた方が良いって 言ったんだけど…
【ホップ】 村長さん達は「英雄」さえいれば この村は安泰だって言うばかりで… だから、俺、頑張るよ
【ホップ】 本当の「英雄」になって、 村のみんなの「希望」に なってみせるから!
【ティターニア】 ホップ、アナタ…
それからホップはひたすら自分を 鍛え続け、魔物と戦い続けた
初めの頃はアルマスが手伝っていたが 次第に一人で魔物と渡り合えるように なり、本物の「英雄」へと成長した
ホップは村の「希望」だった 彼は皆に褒め称えられ、期待され、 頼りにされた
村人の思いに応えるため、 ホップはひたすら戦い、戦い、 戦い続け――
そして――
【ホップ】 ああ、ここまでなのか…? 俺はみんなを…村を守る英雄なのに… みんなの希望なのに…
【ホップ】 ごめん… ごめんなさい… もう、体が動かないんだ…
【ホップ】 ここで俺が死んだら… 希望が潰えて…
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