110150430 ロストラグナロク編(失われた千年王国編) 第15章 ソリタリー・ホープ 第4話 理想世界-3
【村長】 魔物退治は成功し、 村は救われました
【村長】 英雄達に惜しみない称賛を 送りましょう
【隊長】 ホップが魔物の包囲網を一部、 先に見つけてくれたことが 大きかったな
【隊長】 お前はこの先、村の希望となる男だ!
【ホップ】 俺は鍛冶職人になりたいんだ 希望になんかなるつもりはないよ
【隊長】 そうか… 惜しい人材だが、それならそれで しっかりやれ
【村長】 もっと村の防備を厚くすべきですね 志願者を募り、石垣を高くしましょう
【村人3】 それなら俺が
【村人4】 俺もやるぞ
【アルマス】 何なの、これ…
【ティターニア】 皆さん、あまりに淡々としていて まるで感情を失ったようです
【アルマス】 ねえ、ホップ! 魔物退治が上手くいったのよ 嬉しくないの?
【ホップ】 嬉しい? 俺は為すべきことを為して 称賛を得た
【ホップ】 それだけのことだ 嬉しいとか、そんな非効率な感情は 必要ないよ
【アルマス】 非効率な感情っ…?
【ホップ】 それより俺は 鍛冶職人を目指してるんだ そっちの修行をしないと
【ティターニア】 隊長さんも言っていましたけれど アナタは村の希望になれるのでは ありませんか?
【ホップ】 そんなの他人が 勝手に言ってるだけだろ 俺には関係ない
【ホップ】 俺には俺の人生がある それを貫くだけだ 他人の期待なんて知ったことかよ
【ティターニア】 まるで人が変わったようでしたね…
【アルマス】 だんだん分かってきたわ… ここが、どういう世界なのか
その後、ホップは鍛冶職人になった
彼は鍛冶職人としての才能に 恵まれていなかったが、 鍛冶職人になるという信念を貫いた
長年の修行の成果もあり、 彼は村でそこそこの鍛冶職人となり、 それなりの人生を送った
村は幾度か魔物に襲われたものの、 その都度、追い返し、 ときに討伐に出て魔物を退治した
【アルマス】 …………
【ホップ】 さて、今日も蹄鉄打ちだな
【アルマス】 ねえ、ホップ あなたは今、幸せ?
【ホップ】 幸せ?自分の信念を貫くことが できてるという意味では、 幸せな人生なんだろうな
【ホップ】 でも、そんなことを考えて 何か意味があるのか?
【アルマス】 …ありがとう 聞いてみたかっただけよ
【アルマス】 ねえ…いるんでしょう? 出てきなさいよ、エルキュール
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