110160541 ロストラグナロク編(失われた千年王国編) 第16章 ネオ・ユートピア 第５話 世界樹ユグドラシル-4
【アルマス】
全力で…って、今まで本気じゃ
なかったってこと？
【ティターニア】 アルマス、変です… 彼女から…
【ティターニア】 バイブスの気配を、感じます！
【アルマス】
そんなはずがっ…
でも、この感じ…
【ラグナロク】
感じ取れないよう
抑えていたのだけれど、
やむを得まい
【アルマス】
ちょっと！
あなた斬ル姫でしょっ？
何でバイブスを持ってるのよ！？
【アルマス】
そもそも、バイブスを排除するって
言いながら、自分がバイブスを
持ってるってどういうこと！？
【ラグナロク】
立て続けに二つも尋ねないで
答え難い
【ティターニア】 答える気はあるのですね 意外です…
【ラグナロク】
まず、私がバイブスを持っている
理由だけれど…詳しいことは私にも
分からないわ
【アルマス】
何よ、それ…
【ラグナロク】
ただ、推測はできる
ティルフィングが私のことを
エンシェントキラーズと言っていたが
【ラグナロク】
私は他の七人と決定的に違う点が
一つある
【ラグナロク】
エルキュール達は天上世界で生まれた
キル姫だけれど…
【ラグナロク】
私は地上から送り込まれたキル姫だ
天上世界に上がるとき、
ユグドラシルを経由した
【ラグナロク】
その折、ユグドラシルに残っていた
バイブスが我が身に宿ったのだろう
【アルマス】
えっ？
だったら、ティルフィング達も
バイブスを持ってるはずじゃ…
【ラグナロク】
私のことを知ったガブリエル達が
ユグドラシルを弄ったようだな
無論、私達に倒される前に
【ラグナロク】
その結果、私以外のキル姫には
バイブスが宿らなかった
そういうことだろう
【ティターニア】 一応、辻褄は合っています…
【アルマス】
あなたって、
うんざりするくらい特別なのね
【アルマス】
それで、バイブス所持者のあなたが
バイブス排除にやってきた矛盾には
何て答えてくれるの？
【ラグナロク】
それは簡単だ
全てのバイブスを排除し終えたら、
私自身もこの世から排除する
【ラグナロク】
私自身の消去
それによってバイブス排除は
完遂される
【アルマス】
自殺するってこと！？
バカなこと言わないでっ
【ラグナロク】
何故、愚かだと断じる？
バイブスの排除対象に例外はない
あってはならない
【ラグナロク】
争いの元凶がバイブスにあると
理解したときから、私自身の消去も
また当然の理になった
【ラグナロク】
むしろ、バイブス所持者として
全てを排除することは義務だ
だから私はここにいる
【ラグナロク】
自らの手で世界の黄昏をもたらし、
そして消える
それだけよ
【ティターニア】 何て…何て悲しい覚悟なのでしょう…
【ラグナロク】
悲しい？
覚悟？
違う
【ラグナロク】
これは必然だ
【ラグナロク】
自身を断じることの出来ない者に
他者を断じる資格などない
【ラグナロク】
一人目の奏官を斬り殺したとき
私の終焉も決したのよ
【ラグナロク】
他に質問は？
【アルマス】
ないわ…
【ラグナロク】
そう
無用な会話だったな
【アルマス】
ただ、お陰で絶・気合いが入った！
絶対にあなたを止めるわ！
【アルマス】
世界の黄昏だか何だか知らないけど、
自分を消去して完遂する望みなんて
【アルマス】
認めるわけにはいかない！
【アルマス】
本気で世界を救済したいなら…
自分も含めて救われるべきよっ
【ラグナロク】
…………
【アルマス】
あなたに出来ないなら、
私が成し遂げてみせる
【アルマス】
つまらない必然なんて
絶・撃破するんだからー！！
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