110160560 ロストラグナロク編(失われた千年王国編) 第16章 ネオ・ユートピア 第5話 世界樹ユグドラシル-6
【アルマス】 …………
【ラグナロク】 …………
【アルマス】 何だか変なところに放り出された みたいね… 一応、聞くけど…どこだか分かる?
【ラグナロク】 狭間よ
【アルマス】 狭間?
【ラグナロク】 世界と世界の狭間 虚無の空間 そんなところね…
【アルマス】 ふうん… 良く分からないわ
【ラグナロク】 ようするに、私達は世界の枠組みから 弾き出されたの あなたが対消滅なんてさせるから
【アルマス】 咄嗟にやってみた割には、 上手くいって良かったわ
【ラグナロク】 そのせいでバイブス所持者を 仕留め損なった…
【ラグナロク】 あなた達の世界は、これからも 争いを続けることになる… 千年王国には辿り着けない
【アルマス】 ねえ…バイブスがあっても、 千年王国は作れるんじゃないかしら?
【ラグナロク】 不完全な存在であり続ける限り、 不可能よ 必ずバイブスの闇に呑まれる
【アルマス】 それなんだけど… あなたの話を聞いてから、 ずっと何か引っ掛かってたの
【アルマス】 その正体がやっと分かったわ
【ラグナロク】 何?
【アルマス】 私達は一人で完全になる必要なんて ないんじゃない?
【アルマス】 バイブスとキラーズの関係を話した とき、あなたが言ったのよ 完全に適合する場合もあるって
【アルマス】 完全な存在のマナが分裂して 不完全なバイブスとキラーズが 生まれたのなら
【アルマス】 元通りに戻れば完全になるのよね? そういう存在に出会えたとしたら…
【アルマス】 バイブスとキラーズが完全に適合する マスターと斬ル姫がいたなら…
【アルマス】 二人で完全になれる
【アルマス】 完全になってしまえば、バイブスが 悲劇を招くこともないんでしょ?
【アルマス】 そうなれば、バイブスとキラーズが あっても千年王国は作れるわ!
【ラグナロク】 幼稚な絵空事よ すでに膨大な数が 世界に散らばっている
【ラグナロク】 全てに完全な適合がもたらされる 可能性は限りなくゼロに近い… いいえ、ゼロよ
【アルマス】 安心して ゼロからでも希望は見出せるって 誰かが言ってたわ
【アルマス】 考えてみれば、私達もずっと 絶望的な状況を何度も越えてきた 可能性がゼロなんて、今更よ
【ラグナロク】 抗い続けた先に、結局、絶望しか 残されていないかもしれない それでもいいの?
【アルマス】 それは抗ってみてから考えるわ
【ラグナロク】 そう… それなら私から言うことは もう何もないわ
【ラグナロク】 ただ… いつか、あなた達の絶望が… 私を呼び寄せるでしょうね
【ラグナロク】 バイブスは排除すべき… その言葉の重みをじっくりと 思い知りなさい
【ラグナロク】 さようなら また会うときまで
【アルマス】 えっと… どうやって帰ればいいの?
【ラグナロク】 あなたなら難しくない 元の世界であなたの帰りを待っている 者がいるだろうから
【ラグナロク】 その者との繋がりを追いなさい そうすれば、そのうち帰れるわ
【ラグナロク】 ここは時間も空間もあってないような ところだから、焦る必要はない
【アルマス】 そうなんだ …あなたはどうするの?
【ラグナロク】 私はこのままよ 永遠にここで漂い続けるわ
【ラグナロク】 いつか、あなた達の絶望が 私を引き寄せるまでね
【アルマス】 …せっかくだから、 一緒に帰りましょう
【ラグナロク】 何を言っているの? もう絶望したの?
【アルマス】 そうじゃなくて… こんなところにあなた一人残して いったら私の寝覚めが悪いわ
【ラグナロク】 気にしないで それに私には無理だから…
【アルマス】 何でよ?
【ラグナロク】 私には繋がりがない… 私のいた世界にも、 あなた達の世界にも
【アルマス】 コマンドキラーズがいるでしょ!
【ラグナロク】 彼女達は自分の意思で 私の手伝いをしていただけよ 私の帰還になど興味はない
【ラグナロク】 それでいい 彼女達は完全な存在へと至るの
【アルマス】 はぁ… 良く分からないけど、大丈夫よ! きっと、あなたも戻れるわ!
【ラグナロク】 何を根拠に、 そんなことを言っているの?
【アルマス】 根拠? そんなのないわ!
【アルマス】 でも、分かるの きっと、みんなが待ってる!
【ラグナロク】 理解できない… 勝手にしなさい…
【アルマス】 そうさせてもらうわ 帰ろう 私達の世界に
Next: 110160610